クラブ最高額だったレオナルドが移籍、柏木も規律違反で退団へ

 2021シーズンのJ1リーグがついに開幕した。今オフの移籍市場で各クラブが選手を入れ替えたことで、どれくらいの戦力を有し、20チームで争われる今季の勢力図がどのように変わったのかは多くのファンが気になるところだろう。それを見るうえで一つの目安となるのが、市場価格の合計額だ。

 ドイツの移籍情報専門サイト「transfermarkt」では、世界中のサッカー選手の市場価格を随時更新しているが、この市場価格は選手たちの“推定移籍金”に近い意味を持っている。この市場価格を比較・分析しながら、今季開幕時のJ1リーグ各クラブがどれだけの戦力を抱えているかを考察していこう(※登録選手リストはクラブ公式サイトを参照)。

■浦和レッズ(昨季10位/13勝7分14敗)
選手市場価格総額:18億6690万円
チーム内最高額選手:興梠慎三(1億6510万円)

 浦和は不安定な状況のなかで、今季開幕を迎えることとなった。昨季28試合11得点を挙げたブラジル人FWレオナルドが、中国スーパーリーグの山東泰山への完全移籍を決断。23歳のストライカーの今年1月時点での市場価格は1億9050万円(150万ユーロ)と、チーム最高額だった。移籍を発表するリリースで西野努テクニカルダイレクターも「目標達成する上で重要な戦力」と語り、無念さを滲ませた。

 新天地を求めたブラジル人ストライカーに加え、沖縄キャンプ中に繰り返しの規律違反をしたMF柏木陽介を放出することが、すでに発表されている。柏木の市場価格1億1430万円はMF登録の選手では最高額であり、市場価格の観点で見ると浦和はFWとMFのベストプレーヤーを開幕前に失うこととなった。昨季、徳島ヴォルティスをJ2リーグ優勝に導き、浦和に引き抜かれた形のリカルド・ロドリゲス監督にとっても想定外の事態だろう。

 レオナルドが抜けた前線では、FW興梠慎三が軸になる。1億6510万円の市場価格は現在のクラブトップであり、レオナルド監督が徳島でも用いていた4-2-3-1で戦う際は、興梠が軸になると予想される。また、柏木とともに規律違反を犯したFW杉本健勇も、1億160万円という評価に見合う活躍が求められる。

不安が残る中盤、最終ラインには1億円超え選手が4人揃う

 FW以上に不安が残るのが中盤だ。今オフにMF青木拓矢(→FC東京)、MF長澤和輝(→名古屋グランパス)、MFエヴェルトン(→ポルティモネンセ)らが退団。新加入11選手のうち6人がMF登録だったが、上位3人を見てもMF田中達也(8890万円)、MF金子大毅(8255万円)、明本考浩(7620万円)と、市場価格は1億円に届いていない。柏木が退団すれば、中盤には市場価格1億円の選手がいなくなる。

 シント=トロイデンへ期限付き移籍したDF橋岡大樹が抜けた右サイドバックには、ヴィッセル神戸からDF西大伍(1億2700万円)を補強。DF槙野智章(1億5240万円)、DF岩波拓也(1億2700万円)、山中亮輔(1億1430万円)と、1億円超えの選手が4人揃っている。実力も実績も十分な選手たちが先発に名を連ねそうだ。守護神のGK西川周作(1億1430万円)を含めた守備陣の奮闘が、上位進出には欠かせないだろう。

 昨季の開幕時点では、当時のレートでも2億円超えの選手が4人、1億円超えの選手が17人もいた浦和だが、今季は1億円超えが現時点で9人にとどまった。昨季終了時、クラブは公式声明で「ユースからの昇格を含め、高卒、大卒、他クラブからの加入など、比較的若い選手の加入も多くなると想定しています。2021シーズンは、経験豊富な選手たちや中堅選手たちが活躍し、同時に、若い選手たちが台頭する年にしていきます」と発表しており、実際にその通りに進んでいる。AFCチャンピオンズリーグ出場を目指すには、やや心許ない陣容だが、不安を吹き飛ばす若手の台頭が待たれる。

Football ZONE web編集部