清水戦で終了間際に勝利を引き寄せる豪快ボレー弾を決めた

 浦和レッズは7日のJ1リーグ第8節清水エスパルス戦で2-0の勝利として、今季初の2連勝を飾った。試合終了間際に、FW杉本健勇がチーム2点目をマークして勝利を決定づけた。“ゴール欠乏症”に悩んできたものの献身的な働きを欠かさなかった杉本のゴールを、チーム全体が喜んだ。

 浦和は今季からリカルド・ロドリゲス監督が就任し、始動からマイボールの質を高めることを主にフォーカスしながらチーム作りが始まった。昨季の最終節でエースFW興梠慎三が負傷し、手術も伴う離脱となったところから始まったシーズンで、前線には激動のスタートになった。

 まずは昨季のチーム得点王、ブラジル人FWレオナルドが2月に入り中国へと電撃移籍。そのことで大きな期待を一身に受けた杉本だったが、沖縄県でのキャンプ中に新型コロナウイルス感染拡大を予防する観点から禁止された外食を行う規律違反で、厳重注意と罰金になった。その後、杉本は謝罪をしてチームに戻り、台所事情の苦しい前線でスタメン出場を続けるスタートになった。

 しかし、PKでのゴールこそ生まれたものの流れの中からは生まれなかった。相手GKのファインセーブもあれば、自身のシュートミスもあった。浦和に移籍加入して3年目だが、その前の2年間で4ゴールという不振もあり、厳しい声も多かった。

 一方でロドリゲス監督は先月末、杉本について「努力もしているし、ボールを持ったときの仕事も非常に良いので、遠からずゴールは決まると思う。今シーズンは非常にプラスになっている存在だと思う。プレスも掛けていますし、守備もがんばってもらっている」と評価していた。

 その杉本は途中出場で清水戦のピッチに立つと、1点リードで迎えた後半45分にMF伊藤敦樹から送られたラストパスを、右足の豪快ボレーで蹴り込んだ。自身も「敦樹から良いボールが来たし、よく見ていたなという感じもあった。思い切り振り抜こうという気持ちで打った。点を取って勝たせたいという気持ちがありながらなかなかうまくいかず、なおかつチームが負けてしまう状況が続いていたので、その歯がゆさはあった。途中からでもチームを助けることができて良かった」と喜んだ。

ベンチメンバーも駆け寄って喜んだ一発 「健勇くんが点を取ってくれたのは…」

 でも、もしかしたらチームメートやロドリゲス監督の方が彼のゴールを喜んでいたかもしれない。ゴール直後は、その時間帯や重要性もあったものの、ベンチメンバーも含め杉本のところへ選手たちが駆け寄った。

 指揮官は「今までチャンスがありながらゴールが入らなかったけれども、今日は短い時間でもチャンスをゴールにしてくれた。彼のゴールを非常にうれしく思う」と話し、先制点のDF岩波拓也は「自分のゴールは嬉しいけど、健勇くんが点を取ってくれたのは自分にとってもチームにとっても嬉しい」と喜んだ。

 浦和は今月、デンマーク人FWキャスパー・ユンカーの獲得を発表。ここ2試合の連勝も、FW武藤雄樹をスタメン起用し、ゼロトップ気味に使うことが機能性を生んでいる。そうした意味では、杉本の置かれた状況は厳しさを増している。

 とはいえ、FWにとってゴールは何よりの薬になる。これまでゴールがなくともチームのためにサボらずプレーしてきた杉本の一撃だっただけに、浦和の雰囲気を一気に良くする得点になったのかもしれない。

Football ZONE web編集部