【欧州ビッグクラブ補強総括】リバプール(昨季プレミアリーグ3位:20勝9分9敗/68得点・42失点)

【戦力充実度】
FW:★★★★★★★★【8】
MF:★★★★★★★★【9】
DF:★★★★★★★★【8】
GK:★★★★★★★【7】
※10段階評価

【主な新加入選手】
DF
イブラヒマ・コナテ(←RBライプツィヒ)

ファン・ダイク復帰で守備に安定感、クロップ体制7年目で攻守に充実の戦力

 今オフのリバプールは主力選手との契約延長に力を注いだ。他クラブからの補強はフランス人センターバックのコナテ1人に留め、GKアリソン・ベッカー、DFフィルジル・ファン・ダイク、DFアンドリュー・ロバートソン、DFトレント・アレクサンダー=アーノルド、MFファビーニョ、MFジョーダン・ヘンダーソンと新契約締結を発表。エジプト代表FWモハメド・サラーも、2023年までとなっている契約の更新が噂されている。

 主力の顔ぶれはUEFAチャンピオンズリーグを制覇した2018-19シーズンから大きく変わっていないが、そのなかで若い力も台頭。中でも今、最も勢いを持った選手がイングランド人MFハーヴェイ・エリオットだろう。英2部ブラックバーンへのローンを経て復帰した18歳は、開幕から3試合連続出場中で、第2節バーンリー戦(2-0)と第3節チェルシー戦(1-1)では右インサイドハーフとしてフル出場した。前方にいる右ウイングのサラーに自由を与えつつ、機を見て自らも積極的にゴール前に顔を出す。MFナビ・ケイタやMFチアゴ・アルカンタラを差し置いてレギュラーポジションを掴んでいるのも納得のパフォーマンスを見せている。

 昨シーズンは怪我による離脱者が絶えなかった最終ラインも安定感を取り戻している。やはりディフェンスリーダーのファン・ダイク復帰の影響は大きく、ワンステップでサイドを変える正確なフィードとセットプレーのターゲットとして攻撃面でも多大に貢献。また、ロバートソンが負傷で出遅れた左サイドでは、ギリシャ代表DFコスタス・ツィミカスがその穴をカバーしている。ハイレベルなポジション争いによってチーム力の底上げが期待できそうだ。一方で、右サイドに関してはDFトレント・アレクサンダー=アーノルドの“1強”で、代役不在の状況は続いている。

 FWロベルト・フィルミーノ、サラー、FWサディオ・マネのお馴染みの顔ぶれに加え、FWディオゴ・ジョッタも控える前線の破壊力はプレミアナンバーワン。ただし、選手層には不安を残すだけに、主力の負担を軽減させるためには日本代表FW南野拓実やFWディボック・オリギの奮起が期待される。

 プレシーズンマッチではゴールを連発した南野は、ここまでプレミアリーグ3試合で出番がない状況だが、「今シーズンはここ(リバプール)で勝負したい」とポジション奪取へ意気込んでいる。サイドでも中央でもプレーできるユーティリティ性は強みの一つ。スイス代表MFジェルダン・シャキリ(→リヨン)の退団でアタッカーの枠は空いただけに、与えられた機会を生かして出場機会を増やしたいところだ。

 ユルゲン・クロップ監督就任7年目を迎えるリバプール。チーム全体の戦力的には、昨季のような負傷者続出というイレギュラーさえなければ、優勝候補の一角であることは間違いないだろう。

昨季2部で飛躍したエリオット、インサイドハーフとして開眼

【今季キーマン】
■フィルジル・ファン・ダイク(オランダ代表/DF/30歳)
 膝の大怪我から復活。2019年に記録した「対人戦50試合連続無敗」という驚異の記録が、その守備力の高さを物語っている。流れを一気に変える正確なフィードも魅力で、リバプールのなかでも最も代えの利かない“アンタッチャブル”な存在だ。

■モハメド・サラー(エジプト代表/FW/29歳)
 熱望した東京五輪への出場は叶わなかったが、その分のエネルギーをプレミアリーグで発散。“エジプトの王様”は第1節のノリッジ戦(3-1)でリーグ史上初となる5シーズン連続開幕戦ゴールを記録した。右サイドからゴールに迫る十八番のスタイルは今季も健在。

■ハーヴェイ・エリオット(元U-17イングランド代表/MF/18歳)
 16歳30日のプレミアリーグ史上最年少出場記録を持つイングランド期待の星。昨季は英2部リーグでウイングとして7得点11アシストを記録したが、リバプールに復帰した今季はインサイドハーフとして開眼。レギュラーの座を掴んだ。

Football ZONE web編集部