【栗原勇蔵の目】世界を代表するFWスターリングに対応したスピードは圧巻

 イングランド1部アーセナルの日本代表DF冨安健洋は、現地時間1月1日に行われたプレミアリーグ第21節マンチェスター・シティ戦(1-2)で、相手の強力な攻撃陣に立ち向かうハイパフォーマンスを披露した。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、「守備はパーフェクト」と太鼓判を押している。(取材・構成=Football ZONE web編集部)

   ◇   ◇   ◇

 新型コロナウイルスの陽性反応から戦列に復帰した冨安は、首位を走るシティ戦で右サイドバック(SB)として先発出場。シティの左サイドでプレーしたイングランド代表FWラヒーム・スターリングには突破を許さず、ベルギー代表MFケビン・デ・ブライネとのデュエルも制するなど、自身のサイドからピンチを招くことはなかった。

 後半にDFガブリエウ・マガリャンイスが2度目の警告を受けて退場処分になったこともあり、試合にこそ悔しい逆転負けを喫したが、英メディア「Squawka」によれば、フル出場した冨安は地上でのデュエル勝率100%、ボールタッチ数44回、クリア5回、タックル3回、インターセプト3回、ロングボール成功2回と、高い数字を叩き出したという。

 栗原氏は、スピードを武器とする身長170センチのスターリング相手に、188センチの冨安が見事に対応し切ったことを高く評価する。

「冨安は大柄なので速くは見えないかもしれないけど、とてつもなく速い。スターリングをスピードで抑えて、相手がすごくやりづらそうでした。(横浜F・マリノスのブラジル人DF)チアゴ・マルチンスが2019年の親善試合でシティと対戦した際、Jリーグではほとんど見ないスピードで振り切られる姿を目の当たりにして、世界にはこういう選手がゴロゴロいるのか、やっぱり世界は違うなと思いました。冨安はチアゴと同等か、それ以上のスピードだと言っていいでしょう」

守備は「パーフェクト評価」 今後は攻撃でのさらなる活躍にも期待

 昨年8月末にアーセナルに移籍して以降の約4か月間、世界最高峰のプレミアリーグで強敵たちとほぼ互角に渡り合ってきた冨安。トップレベルのストライカーとはフィジカルやボディーコントロールの差を感じさせる場面もあったが、徐々にアジャストしつつあるという。

「スターリングはお尻がでかくて重心も低い。下から突き上げられる感じで、背の高い選手にとっては厄介な存在です。でも、冨安は身体の当て方やどれくらい力が必要か、分かってきている。バケモノの集まりであるシティ相手にあのパフォーマンスを見せるわけで、サイドのデュエルであそこまで勝てると貢献度は計り知れないです」

 イングランドでの“冨安評”も上がっていく一方だが、プレミアリーグを戦っていくうえでは、今後攻撃面でもさらなる活躍が求められると栗原氏は期待を寄せる。

「センターバックなら合格ですが、サイドバックはやることが無限大のポジション。守備に関してはパーフェクトですが、アーセナルレベルにおいては攻撃でもう少しできることがあると見られていくでしょう。求められていることがもう異次元です(笑)」

 海外挑戦5年目もまだ23歳。冨安は底知れない伸びしろを秘めていると言っていいだろう。

Football ZONE web編集部