攻撃面ではポルトガル代表MFシウバが躍動

 ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティの牙城を崩せるチームは存在しないのだろうか。2位チェルシーに勝ち点差10をつけてプレミアリーグで首位を快走する“ペップ・シティ”は、このまま逃げ切って連覇を決めてしまいそうな勢いだ。この強さを止められるクラブはあるのだろうか。

 決して盤石の体制ではなかったはずだ。トッテナムとの開幕戦に敗れると、その後に左サイドバック(SB)のフランス代表DFバンジャマン・メンディが強姦容疑で逮捕され、チームに激震が走った。絶対的な司令塔のベルギー代表MFケビン・デ・ブライネは負傷やコロナの影響でフル稼働できず、イングランド代表FWラヒーム・スターリングには常に移籍の噂がつきまとっていた。1億ポンド(約156億円)の大枚を叩いて獲得した新戦力のイングランド代表MFジャック・グリーリッシュは期待に応えているとは言えず、スペイン代表FWフェラン・トーレスは今冬にFCバルセロナへ去っていった。

 それでも2022年元日に行われたアーセナル戦を2-1で勝利し、プレミアリーグではついに11連勝を達成。アーセナル戦の前半は内容で圧倒され、判定に助けられた部分もあったが、気づけば首位を独走している。

 選手層の厚さ、そして個々のクオリティーの高さは言うまでもないだろう。デ・ブライネがいない期間は同じポジションではポルトガル代表MFベルナルド・シウバが躍動。このレフティーはゲームを作るだけでなく、自らもゴール前に出て行って7得点をマーク。移籍の噂もあったが、ここまでは“シウバのチーム”といっても過言ではないほどの存在感を放ち、不足を感じさせなかった。

 アルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロ(バルセロナ→引退)の退団で純粋な9番がいない前線も、トーレスやフィル・フォーデンが“偽9番”として振る舞うことで、チーム全体としての攻撃力を担保していた。トップスコアラーが7得点のシウバとスターリングと寂しい数字に映るが、チーム総得点は53得点で堂々のリーグナンバーワン(1試合消化の少ないリバプールが52得点)。リバプールのエジプト代表FWモハメド・サラーのように独力で得点を量産できる選手はいないが、複数得点を決めている選手は計12人。中盤の底でプレーするスペイン代表MFロドリが3得点、センターバック(CB)のポルトガル代表DFルベン・ディアスとスペイン代表DFアイメリク・ラポルテがそれぞれ2得点を決めているように、どこからでも点を取って勝てるのが今のシティのストロングポイントの1つだ。

自力で勝るシティの有利は変わらず

 鉄壁の守備も見逃せない。ここまでクリーンシート(無失点試合)は21試合中12試合で、13失点も総得点と同じくリーグナンバーワン。ブラジル代表GKエデルソンやDFディアスらワールドクラスのタレントを擁するディフェンス陣は盤石で、前線からのハイプレスも相変わらず相手の脅威となっている。攻撃面での活躍も際立つシウバは、ハイプレスの起点としても欠かせない選手となっている。

 グアルディオラ監督体制も6シーズン目を迎え、チームの総合力の高さはプレミアでも際立っている。そのうえで今季はライバルの失速にも助けられ、独走体制に拍車がかかった。

 2位チェルシーは相次ぐ主力戦の負傷者続出に悩まされており、目玉補強だったはずのベルギー代表FWロメル・ルカクがここまで期待外れのパフォーマンスに終止。このストライカーがゴールを量産できていれば、引き分けが「7」という勝ち切れない状況は変わっていたかもしれない。3位リバプールも過密日程の影響か、現在2試合連続ドローと足踏み中。シティにとって優勝争いの最大のライバルはこのリバプールだと目されているが、アフリカネーションズカップの開催があまりにも大きな打撃となる。

 チェルシーは不動の守護神GKエドゥアール・メンディ、リバプールは目下得点ランクトップのサラー、FWサディオ・マネ、MFナビ・ケイタの3人がチームから離脱した一方で、シティは層の厚い前線からアルジェリア代表MFリヤド・マフレズが抜けるのみ。手痛い離脱ではあることに代わりはないが、チェルシーやリバプールに比べれば影響は小さいはずだ。

 次節の本拠地チェルシー戦を前にグアルディオラ監督やアシスタントコーチのフアン・マヌエル・リージョ、トップチームの選手7人など計21名ものコロナ陽性者が出たと発表されたが、対するチェルシーもフランス代表MFエンゴロ・カンテとブラジル代表DFチアゴ・シウバの陽性が確認され、大一番を欠場する可能性が浮上している。厳しい状況なのはどこも変わらないが、そうなれば自力で上回るシティにやはり分があると言えそうだ。

 リバプールのオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクはシティに追いつくためには「運も必要」と語っていたが、シティの独走に待ったをかけるのは至難の業ということを選手たちも感じているようだ。颯爽と首位を駆ける昨季王者はこのまま連覇への道を突き進んでいくのだろうか。

Football ZONE web編集部