トッテナムに移籍したDFエメルソン・ロイヤル獲得方針から一転、冨安を補強して成功

 日本代表DF冨安健洋は昨夏にイタリア1部ボローニャからイングランド1部アーセナルに加入し、手薄だった右サイドバック(SB)に定着した。今季ベスト補強の1人にも数えられる冨安の補強について、英メディアはミケル・アルテタ監督の長期的ビジョンによるものだと注目している。

 昨夏の移籍マーケットでアーセナルは右SBの補強に動いていた。スペイン代表DFエクトル・ベジェリンがレアル・ベティスへ期限付き移籍し、選手層が薄くなっていたためだ。

 移籍市場閉幕が迫る昨年8月になって現トッテナムのブラジル代表DFエメルソン・ロイヤルの獲得に向けてテクニカルディレクターのエドゥ氏が動き始めていたが、英紙「ガーディアン」によればアルテタ監督は初めからエメルソンの獲得に疑問を抱いていたという。

 チームの分析部門がエメルソン獲得にお墨付きを与え、補強責任者であるエドゥ氏がゴーサインを出したにもかかわらず、アルテタ監督は納得せず獲得を撤回。その後、エメルソンはトッテナムへ移籍し、アーセナルは代わりにボローニャから冨安を獲得していた。

 当初はエメルソン獲得に成功したトッテナムが争奪戦の勝者との見られ方をしていたが、蓋を開けてみれば冨安は今季のプレミアムベスト補強の1人に数えられるほどの大活躍。エメルソンもトッテナムで右SBのファーストチョイスとなっているものの、移籍金2600万ポンド(約40億円)の価値があったかどうかについては疑問符が付けられている。

 ガーディアン紙は、「アーセナルとミケル・アルテタは長期的な視点による利益を発見した」と言及。アルテタ監督の一貫した長期的ビジョンがチームに好影響をもたらしているとし、エメルソンではなく冨安を獲得したことにもそれが表れていると指摘した。

 これについて、英紙「デイリー・ミラー」も「ミケル・アルテタはアーセナルの分析部門に反対し、バルセロナからエメルソン・ロイヤルを獲得するチャンスよりも冨安健洋の補強を優先させた」とレポート。イングランドでは無名だった冨安の加入に「ファンは複雑な心境だった」ものの、「この日本代表は右SBとしてのパフォーマンスで批評家たちを納得させ、アルテタのスターティングイレブンに不可欠な存在となった」と指揮官の先見の明を絶賛していた。

Football ZONE web編集部