【7月10日】お騒がせ男カッサーノ、半年ぶりに所属クラブ決定

 引退するのか、しないのか。アントニオ・カッサーノの一挙手一投足に注目が集まっている。エラス・ヴェローナと1年契約を締結してからというもの、短期間で現役引退を宣言しては撤回を繰り返し、再び半リタイア生活に戻った。35歳の“天才”はどこへ向かおうとしているのか。これまでの動きを時系列でまとめてみた。

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【7月10日】お騒がせ男カッサーノ、半年ぶりに所属クラブ決定

 今年1月にサンプドリアとの契約を解除してから所属クラブのなかったアントニオ・カッサーノは、7月10日にエラス・ヴェローナ加入が決まった。背番号は「99」で、1年契約。

 今季からセリエAに昇格するクラブで、かつてサンプドリアで好連携を築いたジャンパオロ・パッツィーニとのコンビ再結成にも注目が集まっていた。もちろんこの段階で、のちのドタバタを予想した人は誰もいないだろう。

【7月18日 午前】ヴェローナ加入から8日。気まぐれ35歳、衝撃の決断

 7月18日、伊紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が選手に近い筋からの情報として、カッサーノの即時現役引退を報じた。ヴェローナ加入からわずか1週間でのまさかの決断に衝撃が走った。

 カッサーノはプレシーズントレーニングに合流し、すでに練習試合でアシストを記録するなど好プレーを披露していたにもかかわらず、突然の方針転換に至った理由とは。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は「家族の事情」と伝えていた。

【7月18日 午後】まさかの即日引退撤回。記者会見でプレー続行宣言

 現役引退が報じられた7月18日の午後、カッサーノは記者会見を開いた。そこでは引退に際しての思いなどが語られると思われていたが、“お騒がせ男”は「プレーを続けたい」と現役続行を宣言。

 引退撤回の経緯について「心が弱くなった瞬間があったが、この賭けに勝ちたいと思っているんだ。今朝には(引退を)決断していたが、それから話し合いをして考え直した」と述べた。その裏には家族やヴェローナのファビオ・ペッキア監督、マウリツィオ・セッティ会長との話し合いがあったという。

【7月24日】あの記者会見は何だったのか。6日後に再び現役引退を表明

 現役引退撤回を宣言した記者会見から6日経ち、騒動は落ち着いたかに思われた。しかし7月24日、伊『スカイ』はカッサーノが再び現役引退を検討していると報じた。そして妻であるカロリーナ・マルチャリスさんのツイッターを通じて「じっくり考えた結果、アントニオ・カッサーノはもうサッカーをやらないと決心した」と再び現役引退の意思を表明した。

 クラブやチームメイトに謝罪したものの、どうやら家族と遠く離れて単身赴任でプレーすることが辛すぎて耐えられないことが、引退を迷う理由のようだ。寂しがり屋の35歳は、この後27日にヴェローナとの契約を解除した。

【7月31日】やっぱり辞めない!? 引退を撤回、撤回、撤回

 本当に引退なのか…。「じっくり考えた結果」として現役引退を決めてからおよそ1週間、カッサーノは伊紙『ラ・スタンパ』のインタビューで口を開き、まさかの発言で周囲を驚かせた。

 気まぐれな35歳は「引退するとは一度も言わなかった」と述べ、「人生は選択の連続で、考え直すことなんて世界で何億回も起きている。ただ、サッカー選手がそれをすると、いろいろと言われてしまう。それがカッサーノとなれば、クレイジーと言われてしまう」と、これまでの報道などを否定。現役続行を宣言している。

 妻カロリーナさんのSNSに投稿されたメッセージなどはすでに全て削除されている。「人生で何度も良くないことをしてきた。でも、愚かじゃない。いつだって筋は通してきた」というカッサーノは、ヴェローナを退団して現在はフリーの身となっている。

 なお、本人曰くヴェローナは「他のクラブに加入した場合の違約金を設定してきた」とのこと。伊『スカイ』などの報道によればセリエAのクラブに加入した場合は20万ユーロ(約2600万円)、セリエBのクラブなら5万ユーロ(約650万円)の違約金をヴェローナに支払わなければならないようだ。

「僕を必要とする人は、僕に連絡しなければいけない。僕に代理人はいないよ。リミット? 9月だ。そうでなければ家にいるよ」

【悩みの種】カッサーノを悩ませた家族との関係って…?

 カッサーノが現役引退を迷っている大きな理由は「家族」である。

 元水球選手の妻カロリーナさんと2人の息子は、今もサンプドリアの本拠地があるジェノバ近郊に住んでいる。子供たちはそれぞれ地元の学校や幼稚園に通い、妻はジェノバ近くのチームで現役復帰を目指しているという。

 そんな状況でカッサーノはヴェローナに家族を呼び寄せることを望まなかった。そして、カッサーノは家族と離れて暮らすことができなかった。結果的にジェノバから車で3時間、距離にして250km以上離れているヴェローナでの単身赴任生活に耐えられなかったのだ。

 ただ、妻カロリーナさんはイタリアの雑誌『オッジ』のインタビューで「アントニオがどんな選択をしても一番に支えるつもりだったわ。中国に行くことになっても子供たちと一緒についていくつもりだった。一緒でさえいれば、世界の果てでも!」と語っており、ヴェローナに引っ越す用意があったようだが…。