PSGの主力6選手を獲得できる

 フランス1部のパリ・サンジェルマン(PSG)は3日、バルセロナからブラジル代表FWネイマールを獲得した。費やした移籍金は2億2000万ユーロ(約290億円)とされている。サッカー市場最高額の取引で動いたお金があればできることを世界中から集めてみた。

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 パリ・サンジェルマン(PSG)には数多くのスター選手が在籍している。ネイマールの獲得にかけた2億2000万ユーロ(約290億円)は、エディンソン・カバーニ(約4500万ユーロ)、ユリアン・ドラクスラー(3500万ユーロ)、ルーカス(3800万ユーロ)、アンヘル・ディ・マリア(4000万ユーロ)、ブレーズ・マテュイディ(3000万ユーロ)、マルコ・ヴェラッティ(4500万ユーロ)の市場価値の合計(2億3300万ユーロ)とほぼ同じである。

 仮に彼ら全員を適正価格で獲得できれば、チームの戦力が大幅にアップすることは間違いない。ネイマールひとりに主力6人分の働きが期待されている、あるいはそれだけピッチ内外でのポテンシャルが評価されているということだろうか。

※市場価値は選手データベースサイト『transfermarkt』調べ

ネイマールの友人ポグバは2人買える

 昨夏、ポール・ポグバはマンチェスター・ユナイテッド移籍で当時の移籍金の最高記録を塗り替えた。1億ユーロ(約130億円)という金額は世界中の度肝を抜いたが、ネイマールはそれを悠々と超えていった。

 2億2000万ユーロ(約290億円)があれば、ポグバを2人チームに招き入れることができる。圧倒的な身体能力を誇り、ゴールを決めることも、アシストすることも、守備で体を張ることもできるポグバがチームに2人いれば心強いに違いない。現実には不可能だが…。

大型補強のミランが今夏獲得した選手を全員強奪

 中国資本が参入して多額の補強資金を手にしたミランは、復権を目指して大型補強を展開した。しかしネイマールを獲得したのと同じ2億2000万ユーロ(約290億円)があれば、今夏獲得した全ての選手を強奪することが可能だ。

 ミランが現時点で移籍市場に投下した資金の合計は1億9000万ユーロ(約250億円)と言われている。つまりネイマール1人の移籍金で、レオナルド・ボヌッチも、アンドレ・シウバも、ハカン・チャルハノールも、もちろんリカルド・ロドリゲスやマテオ・ムサッキオ、ルーカス・ビリア、アンドレア・コンティも全員まとめて獲得できる。

浦和レッズを4年間運営する

 日本で最も規模の大きい浦和レッズが計上した2016年の年間予算は64億2600万円だった。ネイマールの移籍にかかった2億2000万ユーロ(約290億円)があれば、浦和レッズを4年間運営することができるうえ、40億円ほどの余剰資金でスター選手を連れてくることができるかもしれない。

吹田スタジアムを2つ建設できる

 ガンバ大阪の本拠地・市立吹田サッカースタジアムは、寄付金等の民間資金を元手に建設された。かかった費用の合計はおよそ140億円とされている。

 つまりネイマールの移籍金2億2000万ユーロ(約290億円)があれば、日本で最もホットなスタジアムを2つ建設できることになる。

ミクニワールドスタジアム北九州は3つ建設できる

 市立吹田サッカースタジアムは2つ建設できるが、ネイマールの移籍金2億2000万ユーロ(約290億円)でミクニワールドスタジアム北九州は3つ建設できそうだ。

 J3のギラヴァンツ北九州が本拠地として使用し、ボールの“海ぽちゃ”が話題になるほど海の近くに位置する最新式のスタジアムは、15年間の維持管理費込みでおよそ107億円という低コストで建てられた。

 借地料込みの年間維持費は1億5000万円ほどと見込まれており、15年分に直せば22億5000万円になる。これを107億円から差し引くと、84億5000万円がスアジアムそのものの建設費ということになるだろう。

 ネイマールの移籍金を使えばミクニワールドスタジアム北九州を3つ建設でき、そのうち2つは15年分の維持管理費もまとめてまかなうことができそうだ。

財政破綻した夕張市の借金を一括完済

 2億2000万ユーロ(約290億円)は数年間サッカークラブを運営することができ、魅力的なサッカー専用スタジアムを作るのにも十分な金額だが、財政難に苦しむ地方自治体の救世主になれる可能性すら秘めている。

 2006年に353億円の財政赤字を抱えて財政破綻した北海道夕張市は、あれから10年経ち、徹底的な経費削減などの策を講じて順調に借金を返済してきた。2015年には借金残高が259億円まで減っている。

 ネイマールがクラブとクラブの間で売買された際に生じた2億2000万ユーロ(290億円)は、この夕張市の借金を一括で完済できる額に相当する。むしろ財政的な余裕すら与えてくれそうだ。

ジャスティン・ビーバーの3年分の年収を凌駕

 世界的に人気を集めるスーパースターのジャスティン・ビーバー。23歳になった彼の純資産は2億4500万ドルほどと言われる。これをユーロに換算するとちょうど2億ユーロほど。

 バルセロナはネイマールの放出によって、ジャスティン・ビーバーの純資産を超える額を手に入れたということになる。

 またジャスティン・ビーバーの2016年の年収は過去最高で8350万ドル(約7000万ユーロ、約92億円)だったという。ネイマールのPSGへの移籍金2億2000万ユーロ(約290億円)は、ティーンに絶大な人気を誇るエンターテイメント界のスーパースターの3年分の年収に相当する。

 23歳のジャスティンは8350万ドルを105回にものぼるライブや、カルバン・クラインとのスポンサー契約などで稼ぎ出したそうだ。

ボーイング社から大型旅客機を2機買える

 プライベートジェットでの移動に飽きたら、大型旅客機に乗り換えればいいのかもしれない。ネイマールの移籍金2億2000万ユーロ(約290億円)があれば、現在国際線の主力として活躍しているボーイング社製の「777」型機をほぼ2機購入できる。

 つまり1機あたり150億円とされるボーイング777型機の広い機内を独り占めすることが可能だ。ちなみに中東一のお金持ちとして知られ、個人資産が300億ドル(約4兆円)を超えると言われるサウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子は、2007年に世界で初めてエアバス社製の超大型旅客機「A380」をVIP仕様で個人購入して話題を呼んだ。

パリにエッフェル塔が3本建つ

 フランス・パリの象徴エッフェル塔は1899年に完成した。総工費は650万フラン(当時)と言われている。

 19世紀に用いられていたフランス・フランの価値は、一定量の金との交換が保障されている兌換通貨で、1803年に1フランあたり金0.322グラムと定められ、1873年に金銀複本位制から完全金本位制に移り変わってもその基準は変わらなかった。

 金は1グラムあたり4895円(2017年8月4日時点)で取引されており、当時の1フランの価値をいまのレートに換算すると、約1576円になる。よってエッフェル塔の総工費650万フランは現在の価値で約102億円ということになる。

 ネイマールの移籍金は2億2000万ユーロ(約290億円)。この額があればエッフェル塔がパリに3本建つ計算になる。サッカーの歴史を塗り替えた取引がどれだけ破格かおわりいただけるだろうか。