香川、いまだ試合復帰ならず。独スーパー杯も欠場

 6月の日本代表戦で左肩を脱臼してから治療とリハビリを続けている香川真司。ドルトムントのチーム練習に合流しているが、まだ練習試合や公式戦のピッチには立てていない。今月末には日本代表のW杯出場がかかった重要な2試合が待ち受けているだけに、状況は気がかりなところだ。果たして香川は本格復帰に近づいているのか。そしてスタートの遅れを取り戻し、チーム内の競争を勝ち抜くことができるのだろうか。(取材・文:本田千尋)

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 “復帰”はいつになるのだろうか。

 8月5日に行われたドイツ・スーパーカップ。ボルシア・ドルトムントにとって今季初の公式戦だ。バイエルン・ミュンヘンを迎えたお祭りムードの中、12分にクリスティアン・プリシッチが先制。しかし、2度リードしたにもかかわらず、終了間際に追いつかれ、2-2のスコアでPK戦に突入する。

 そして6人目のキッカーのマルク・バルトラが蹴ったPKはスベン・ウルライヒに止められて、ドルトムントは敗戦。守備に課題を残した。

 こうして8万人のファンがシーズンの幕開けに酔いしれたが、一方で、そこに香川真司の姿はなかった。先発メンバーにはもちろん、ベンチにも入っていなかった。

 6月7日に行われた日本代表の親善試合・シリア戦で左肩を脱臼して以来、戦線離脱中の日本代表MF。その後は日本国内に留まってリハビリを続け、宮崎県で自主トレ合宿を打ち上げた後、ドルトムントにとって2年ぶりの来日となったアジアツアーからチームに合流した。しかしツアー中に組まれた7月15日の浦和レッズ戦、その3日後のACミラン戦はともに欠場。

 ドイツに戻って最初のテストマッチとなった7月22日のボーフム戦でも会場に帯同し、到着して一度はピッチに姿を見せたが、試合中はスタンドから観戦した。経過は順調のようで、26日から8月2日までスイスのバートラガーツで行われた合宿にも参加。しかし、ここでも28日のエスパニョール戦、1日のアタランタ戦と2試合のテストマッチを欠場している。

 スーパーカップの前日に公開されたトレーニングで、香川は全てのメニューをこなしたという。今のところ試合には絡んでいないが、復帰は確実に近づいてきているようだ。スーパーカップの翌日に行われたテストマッチのRWエアフルト戦でも、背番号23は遠征に帯同せずに試合を欠場したが、慎重を期しているのだろう。たしかにリーグ王者とのシーズン開幕戦は公式戦だが、どちらかと言うとフェスティバルの色合いが強い。無理をすべきところではない。

ホーム開幕戦に照準? 新体制で香川は主軸候補に

 ペーター・ボス新監督の基本布陣は[4-3-3]。香川の主戦場となるインサイドハーフのポジションには、ゴンサロ・カストロ、マリオ・ゲッツェ、マフムード・ダフート、セバスティアン・ローデといった選手がいる。

 ただ、2月から代謝障害により長期離脱していたゲッツェは復帰したものの、コンディションが万全とは言い難く、背中の問題でスーパーカップを欠場した。新加入のダフートもまだポテンシャルを十分に発揮できておらず、スーパーカップは前半だけで退いている。もちろん香川もポジション争いとは無縁ではないが、ライバルたちの現状を踏まえると、戦力外とは考えにくい。昨季終盤のパフォーマンスを取り戻すことができれば、むしろインサイドハーフの主軸候補と言えるだろう。

 やはり復帰には慎重を重ねているのではないか。8月31日には日本代表のW杯出場権がかかったオーストラリア戦も控えている。それでも8月26日のブンデスリーガ第2節、ヘルタ・ベルリンを迎えるホーム開幕戦には、少なくとも間に合うだろう。

 もちろん今週末12日に行われるDFBポカール1回戦で復帰する可能性もある。対戦相手の1.FCリーラジンゲン・アーレンは6部のチームだ。与しやすい。そして14日に予定されるプレシーズン最後のテストマッチ、FSVツビカウ戦を十分に活用するのではないか。

 7月にはドルトムントとの2020年までの契約延長を発表した香川。“6度目のシーズン”が、少しずつ始まろうとしている。

(取材・文:本田千尋)