バルセロナの下部組織出身でトップチームでのプレーも経験し、2014年にスペイン代表デビューを飾ったムニル・エル・ハッダディ。

 今季からスペイン1部のアラベスに所属する22歳は、両親の祖国モロッコがW杯出場を決めたことで、モロッコ代表でのプレーを希望し、国籍変更に向けた手続きを始めているという。スペイン紙『マルカ』が伝えた。

 国際サッカー連盟(FIFA)が定めたルールでは、一度でもどこかの国のA代表の選手として公式戦(親善試合は除く)に出場した場合、他国のA代表での試合出場は認められていない。そのため2014年9月のEURO予選のマケドニア戦でスペイン代表として13分間プレーしたムニルは、本来であればモロッコ代表になる資格を持たない。

 しかし、マドリード近郊のモロッコ人コミュニティで生まれ育ったムニルは、直近3年間スペイン代表から招集を受けていないことを根拠に、モロッコサッカー連盟の協力も得てスポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴を準備しているとのこと。

 すでに6月に一度FIFAに対して国籍変更の申し立てを行ったというが、スペイン当局の協力が得られず、正攻法での代表チーム変更は諦めたようだ。ムニル自身はスペインとモロッコの二重国籍ということになっている。

 モロッコ代表は過酷なW杯アフリカ予選を突破し、5大会ぶりのW杯本大会出場を決めた。現在のチームにはハキム・ジエフ(アヤックス)やソフィアン・ブファル(サウサンプトン)、アミンヌ・アリット(シャルケ)といった攻撃のタレントが豊富で、ロシアW杯に向けた最後のピースとしてムニルの招集を強く望んでいるという。

 レンタル生活が続いてもバルセロナが保有権を手放さないのは、ムニルの才能が高く評価されている証拠だろう。果たして22歳の元スペイン代表FWの訴えは認められ、ロシアW杯でモロッコ代表のユニフォームをまとう姿は見られるだろうか。