乾、柴崎、香川が活躍

 12日、日本代表は国際親善試合でパラグアイ代表と対戦し4-2と逆転勝利を収めた。コンパクトな守備からの速攻という戦いに進歩が見られたこの試合で、乾貴士と香川真司の元セレッソ大阪コンビが結果を残した。彼らが絡む攻撃は可能性を感じさせるが、守備への不安も残る。それでも、やはりこのホットラインは西野ジャパンに必要だろう。(文:西部謙司)

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【日本 4-2 パラグアイ 国際親善試合】

 コロンビアはパラグアイよりずっと強い。また、スイスと比べてもパラグアイがインテンシティの低いプレーぶりだったことは差し引かないといけないが、メンバーを代えた日本のプレーぶりは上向いている。

 乾(貴士)、香川(真司)、岡崎(慎司)、酒井宏樹の負傷組がコンディションを上げてきた。2ゴールの乾は守備面でも効いていて、コロンビア戦の先発は確実と思われる。柴崎(岳)もビルドアップとセットプレーで質の高さを示した。香川も復調をアピール、岡崎と連係した守備も良かった。

 現時点でいえそうなのは、まず本田(圭佑)が外れるだろうということ。4-2-3-1でやるならトップ下は香川だが、柴崎を入れた4-5-1のほうがコロンビアにはベターだと思う。コンディションの良さそうな武藤(嘉紀)、復調の兆しのある岡崎、安定した守備をみせた昌子(源)をどう扱うか。リザーブ組の調整試合のつもりだったかもしれないが、収穫のある試合になったのではないか。

コンパクトな4-4-2守備

 ミドルゾーンのコンパクトな守備からのカウンターというベースになる戦い方は精度が上がってきた。岡崎と香川による1列目の制御が明確になり、エイバルで守備を覚えた乾のポジショニングは安定感に寄与していた。

 スイス戦に続いて4-4-2ベースの守備。スイス戦ではビルドアップの起点になる選手を本田がマークし、そのまま中盤のラインに入るやり方だったが、パラグアイ戦は岡崎と香川が並んで制御する形だった。パラグアイ戦のほうがシンプルな形だが、相手がビルドアップの立ち位置を変えたときも対応できていた。ただ、コロンビアはパラグアイよりテクニックがある。4-5-1にして後方から前へ人を送ったほうが守備は安定すると思うが、その形は西野監督になってからは試していない。コロンビアのアンカー経由の組み立てを寸断する狙いで4-2-3-1なのかもしれない。

元セレッソ大阪のコンビ。諸刃の剣だが、捨てるのは惜しい

 香川と乾の元C大阪コンビは息が合っていて攻撃の生命線になりそうだった。ただし、香川、乾、左SBが連係する攻め込みは武器になりうる半面、守備でのリスクも負うことになる。

 狭いエリアでの連係は日本の長所なのだが、奪われたときの守備に回答を持っていない。アトレティコ・マドリーやRBライプツィヒのように、そのまま狭いエリアを封鎖する守備戦術とセットならばリスクは回避できるが、それがないので攻めきれなければカウンターを食らうことになりかねない。

 諸刃の剣なのだが、いまのところ唯一スローダウンしたときに得点になりそうな香川・乾ラインを捨てるのは惜しい。多少なりとも守備のリスクを軽減する方法を1週間で用意するしかない。

(文:西部謙司)