悲願のグリーズマン獲得

 エルネスト・バルベルデ監督のもとで、リーガ連覇を果たしたバルセロナ。しかし、UEFAチャンピオンズリーグでは、2季連続で屈辱的な逆転負けによる敗退を喫しており、今季はなんとしてでもその汚名を返上しなければならないだろう。

 ネイマールがクラブを去った2017/18シーズン以降、左ウイングが最優先課題に挙げられてきた。大金を投じて獲得したウスマン・デンベレとフィリッペ・コウチーニョは期待に沿う活躍はできず、後者はバイエルン・ミュンヘンと期限付きで移籍することになった。今夏はそこに、クラブが長年ラブコールをし続けてきたアントワーヌ・グリーズマンを獲得。ルイス・スアレス、リオネル・メッシとの夢のトリデンテを完成させた。

 中盤はデニス・スアレス、アンドレ・ゴメスといった、チームにフィットできなかった選手を完全移籍で放出し、フレンキー・デヨングを獲得。移籍が噂されたイバン・ラキティッチは残留が決まり、30歳を過ぎたセルヒオ・ブスケツとラキティッチの後継者として、申し分ない後釜をスカッドに加えた。

 マルク=アンドレ・テア・シュテーゲンが絶対的守護神を務めるGKは、3シーズン在籍したヤスパー・シレッセンがバレンシアへ完全移籍。代わって、バレンシアの正GKを務めていたネトを獲得して、盤石の体制を整えた。

 怪我で思うような活躍が叶わなかったトーマス・フェルメーレンはヴィッセル神戸へ移籍。右サイドバックは、DFネルソン・セメドとMFセルジ・ロベルトに加えて、さらにバルサBからセネガル代表DFムサ・ワゲが昇格している。

 ピンポイントの人材整理を遂行したが、バルセロナは開幕ダッシュに失敗。メッシを負傷で欠いたチームは開幕節にアスレティック・ビルバオに敗れ、オサスナ相手にドロー。メッシが復帰した第5節グラナダ戦も0-2で敗北を喫するなど、苦しんでいる。

 チームはコパ・アメリカ2019(南米選手権)を戦った選手を多く抱えている。優勝に貢献したブラジル代表のアルトゥール、チリ代表のビダル、アルゼンチン代表のメッシ、ウルグアイ代表のスアレスは、十分なオフを過ごしたとは言えないだろう。開幕ダッシュにこそつまずいたが、彼らのパフォーマンスがこれまで通り発揮されれば、順位表の位置も変わってくるだろう。

 開幕戦で負傷したデンベレに代わって、前線には16歳の新星アンス・ファティが現れた。リーグ戦4試合で2得点1アシストを決め、CLデビューも果たしているホープが、チームの救世主となれるだろうか。

補強・総合力評価

IN
GK ネト(バレンシア)
DF ジュニオール・フィルポ(レアル・ベティス)
DF ムサ・ワゲ(バルセロナB)
MF フレンキー・デヨング(アヤックス)
FW アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)

OUT
GK ヤスパー・シレッセン(バレンシア)
DF トーマス・フェルメーレン(ヴィッセル神戸)
DF マルク・ククレジャ(ヘタフェ/期限付き移籍)
MF アンドレ・ゴメス(エバートン)
MF デニス・スアレス(セルタ)
MF フィリペ・コウチーニョ(バイエルン・ミュンヘン/期限付き移籍)
MF ラフィーニャ(セルタ/期限付き移籍)
FW マルコム(ゼニト)
FW パコ・アルカセル(ボルシア・ドルトムント)

補強評価:A
グリーズマンを獲得して、最強の3トップを完成させた。デヨングを加えた中盤も選手層が充実している。ジュニオール・フィルポとムサ・ワゲという若い2選手が加わった最終ラインには不安が垣間見えるが、大きな問題が発生しなければ、今季も優勝候補の筆頭となるだろう。

総合評価:A
メッシ、スアレス、ブスケツといった、替えの利かない選手たちが30代に差し掛かり、過渡期を迎えている。16歳のファティだけでなく、若い選手の活躍がかみ合えば、複数のコンペティションを勝ち抜いていけるだろう。