「小川航基はもっと激しくアタックしなきゃ」

サッカーU-23日本代表は9日、AFC U-23選手権(東京五輪アジア最終予選)グループステージ第1節でU-23サウジアラビア代表と対戦し、1-2で敗れた。この試合中、日本サッカーに精通するイングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。(語り手:ショーン・キャロル)
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――本日はよろしくお願いします! 今大会は国内組を中心としたメンバー構成になりました。

「2020年は東京五輪があるので、日本は世界から注目を集めます。その期待に応えるためにも、この大会は大切になりますね」

――試合が行われるタイは30度あるそうです。この試合で注目する選手はいますか?

「30度がいいですね。日本は寒すぎる……。注目したいのはサイドのダイキ●●オカの2人です。チームが流れを作るためには、杉岡大暉と橋岡大樹が大事な役割を演じないといけない」

――サウジアラビアは遠目からでも積極的にシュートを打ってきますね。

「危なかったね、今のシュート。突然だったのでディフェンダーもゴールキーパーも驚いたかな。もっと厳しくマークにいかないといけない」

――日本はなかなかシュートまで持ち込めない展開が続きます。

「小川航基はもっと激しくアタックしなきゃ。日本代表はファイナルサードでチャンスメークできていませんね。ビルドアップが遅すぎます」

――時間が経つにつれて、日本代表がボールを持つ時間が増えてきました。

「そうですね。少しずつ落ち着いてきています。今の田中駿汰のパスは非常に良かった」

――30分にGK大迫敬介のビッグセーブが飛び出しました。

「間違いなくスーパーセーブ。でも、ディフェンスは甘いね」

「なんで日本人は…。僕は死ぬまで分からない(笑)」

――日本代表はどんなところがうまくいっていないように見えますか?

「守備は少し下がり過ぎていますね。サウジアラビアが攻め込んでいるときは、もっと寄せてプレッシャーをかけなければいけない。攻撃の問題は判断ですね。パスやシュートのタイミングなど」

――37分に小川のスルーパスに抜け出した旗手怜央がGKと1対1になりましたが、シュートを打てませんでした。

「なんで日本人選手は……。シュートを打たないのは僕が死ぬまで分からないかもしれない(笑)。結局オフサイドでしたよね。本人はほっとしていますね」

――オフサイドだったらなおさらシュートを打った方がよかったですね。

「サウジアラビアとは対照的です。あの角度だったら余裕があるタイミングでシュートを打つしかない」

――スコアレスで前半を終えました。

「前半のパフォーマンスで0-0はフェアかなと思います。サウジアラビアはミドルシュートを打ったけど、それ以外のビッグチャンスはなかったし、日本もあまり決定的なシーンを作れませんでした」

――後半はどのあたりがポイントになりそうですか?

「前半は田中駿汰のパスと橋岡のクロス以外、あまりチャンスがありませんでした。後半は遠藤渓太や相馬勇紀を見たいですね。この2人はゼロからチャンスを生み出せるタイプなので、攻撃のアクセントになると思います」

「ランパードは何回もあのような…」

――後半が始まりました。

「旗手がシュートを打ったけど、冷静じゃなかったね。そして、すぐあとに先制された」

――前半、ショーンさんが言っていたディフェンスの甘さでしょうか。

「そうですね。簡単に崩されました」

――先制を許した日本代表でしたが、56分に食野亮太郎のミドルシュートが相手DFに当たって同点ゴールになりました。

「打てば何が起きるかわからないですね! 少しラッキーでしたが、だからこそ、ゴールが見える位置からできるだけシュートを打った方がいいですね。いまチェルシーで監督をしているフランク・ランパードは、現役時代に何回もあのようなミドルシュートから得点しています」

――後半、何か変化は感じますか?

「特にないですね。でも褒めるべきは、失点した後にすぐ追いついたことですね」

――小川航基に代わって上田綺世が入ります。

「上田はよくシュートを打つタイプなので期待したいです。小川はこの試合であまりインパクトを残せませんでしたね」

――試合は1-1のまま終盤へと入っていきます。

「サウジアラビアから見ると、相手は強豪なので引き分けでもいい、という考えがあるかもしれません。森保一監督も、もちろん勝ちたいと思っていますが、同時に負けたくないと考えていると思います」

「どちらにしても、あのミスは許せない」

――日本代表はDFのミスから相手にボールが渡り、サウジアラビアの選手が倒されて主審が笛を吹きました。

「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)に助けられるかな? シミュレーションっぽいですが、どうでしょう」

――主審がオン・フィールド・レビューを行った結果、岡崎慎にイエローカードが出され、サウジアラビアにPKが与えられました。

「嘘じゃないか? どちらにしても、あのミスは許せないですね。ジャッジは厳しかったけど、日本のミスから生まれたゴールでしたね。集中の問題でした」

――1点のリードを許した日本は2枚替えを行います。相馬と田川亨介が入ります。

「時間が足りないかな」

――試合はそのまま1-2で終わり、日本は黒星発進となりました。

「引き分けが妥当な結果だと思いますが、2失点とも日本代表のミスからだった。これが良いレッスンになればいいね」

――日本で目立った選手はいましたか?

「大迫は良かったですね。ボランチのダブル田中も冷静にプレーしていた。シリア戦ではチームとして、もっと積極的にプレーしてほしいね」

――本日はありがとうございました!

▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。

【了】