キリンチャレンジカップ2018 コスタリカ戦

 森保一監督の日本代表と五輪代表チームの兼任が発表されてから、約1年半が経過しようとしている。AFCアジアカップ2019では準優勝とまずまずの成績を収めていたが、今年最初の公式戦となったAFC U-23選手権(東京五輪アジア最終予選)では、まさかのグループリーグ未勝利に終わり、最下位で大会を去るなど、森保監督への評価は時間が経つごとに低下している。非常に厳しい状況だ。今回は、フットボールチャンネルでお馴染みとなっている「どこよりも早い採点」から、森保監督これまでの歩みを振り返っていく。第2回は2018年に開催されたキリンチャレンジカップ2018の5試合(日本代表)。

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【日本代表 3-0 コスタリカ代表 キリンチャレンジカップ2018】

 アジア競技大会を準優勝という結果で終えた森保一監督。そんな同氏の日本代表監督しての初陣となったのが、2018年9月11日に行われたキリンチャレンジカップ2018のコスタリカ代表戦であった。

 森保監督はこの試合でMF南野拓実、MF堂安律、MF中島翔哉ら新世代の選手を起用。DF佐々木翔やMF青山敏弘といったサンフレッチェ広島時代の「愛弟子」たちも先発に送り出した。

 試合は立ち上がりから日本代表のペースで進む。堂安、中島、南野らはそれぞれの特長を遺憾なく発揮し、何度も攻撃面で存在感を放つ。その勢いは凄まじく、コスタリカを押し込み続けた。

 森保ジャパンは16分に佐々木が相手のオウンゴールを誘発し、先制ゴールを奪取。幸先良いスタートを切った。その後は得点こそ生まれなかったが、コスタリカを圧倒し続け、流れを掴んだまま前半を終えた。

 後半に入ってもペースを掌握した日本代表は、66分に追加点を奪う。中島からDF遠藤航へ絶妙なスルーパスが通ると、同選手はボールをゴール前へ送る。これに反応した南野が無理な体勢から左足を振り抜き、これがゴールネットに吸い込まれた。

 リードを2点に広げた森保ジャパンは、後半ATにMF伊東純也が得点。試合はそのまま3-0で終了している。シュート数は19本:4本となっているなど、文字通りの快勝であった。

 新世代の選手が大きく躍動し、センセーショナルなアタッキングサッカーが大いに展開されたこの試合。「森保ジャパン」の初陣としては、これ以上ないほど完璧なものであった。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6.5 勝利で初陣を飾った。組織的に戦いながら、選手それぞれの個性も随所に見られた

キリンチャレンジカップ2018 パナマ戦

【日本代表 3-0 パナマ代表 キリンチャレンジカップ2018】

 日本代表指揮官としての初陣を飾った森保一監督。そんな森保ジャパンが2018年10月12日のキリンチャレンジカップ2018で対戦したのが、ワールドカップ初出場を果たしたばかりであったパナマ代表だった。

 森保監督はこの試合でFW大迫勇也やMF原口元気などのロシアワールドカップ組を起用。MF南野拓実ら新世代選手たちとどのような連係を築くのかに注目が集まった。また、シント=トロイデンで活躍していたDF冨安健洋を先発に抜擢。こちらも注目ポイントとなっていた。

 前半開始間もなくして、試合の流れを掴んだのは森保ジャパン。最前線の大迫にボールを集め、そこから手数をかけないシンプルな攻めでパナマに襲い掛かった。守備陣もしっかりとした対応を見せ、ほとんど相手を寄せ付けなかった。

 そんな流れの中、待望の先制ゴールが生まれたのは42分。相手のパスをカットしたMF青山敏弘が楔のパスを打ち込むと、ボールを受けた南野が華麗なターンで相手をかわす。そのままペナルティエリア内に侵入した同選手は、左足で冷静にゴール左へ流し込んだ。前半はそのまま1-0で終了している。

 後半の立ち上がりはパナマに押し込まれる時間もあった日本代表だったが、GK権田修一を中心とした守備陣は得点を許さない。すると流れは再び森保ジャパンへ傾いた。

 すると65分、MF伊東純也のパスに抜け出した南野がシュート。これはGKに阻まれるものの、こぼれ球を伊東が押し込んで2点目を奪取。さらに85分には、途中出場のFW川又堅碁がゴールを決め、3-0と相手を突き放した。

 最後まで高い集中力を保った日本代表は、そのまま3-0と勝利。コスタリカ代表戦に続き、快勝となった。

 軽率なミスが見られ、そこからピンチを招く場面はあったものの、個の奮闘もあり相手をねじ伏せた。全体の連動性など課題も見つかった試合になったが、勝利で終えたことは大きな結果だ。次に繋がる戦いを見せたと言える。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6 ヒヤリとするシーンはあったが、完封勝利。次に繋がる試合を見せた

キリンチャレンジカップ2018 ウルグアイ戦

【日本代表 4-3 ウルグアイ代表 キリンチャレンジカップ2018】

 コスタリカ代表戦、パナマ代表戦と連勝を飾り、勢いに乗っていた森保ジャパン。そんな同チームにとって最も真価が問われる一戦となったのが、このウルグアイ代表戦であった。

 ロシアワールドカップでベスト8入りを果たした南米の強豪・ウルグアイは、この試合でほぼベストメンバーに近いスタメンを送り出してきた。FWルイス・スアレスは不在だったものの、FWエディソン・カバーニやMFロドリゴ・ベンタンクール、DFディエゴ・ゴディンら欧州のトップで活躍する選手が、スタートからピッチに立ったのである。

 一方で日本代表は、MF堂安律、MF中島翔哉、MF南野拓実ら新世代の選手が先発。FW大迫勇也が1トップに入るなど、これまでにはなかった組み合わせでウルグアイ戦に挑んだ。

 立ち上がりから攻め込んだ日本代表は、中島、南野らが抜群の連係を発揮してウルグアイに襲い掛かる。2列目の選手の迫力には、スタジアムに駆け付けたサポーターも大いに沸いていた。

 すると10分、中島が左サイドから前線の南野へパスを送ると、同選手はゴディンにマークされながらも、華麗なターンでかわし一気にゴール前へ。最後は右足を振り抜き、先制ゴールをマークした。

 強豪国相手からリードを奪った日本代表は、その後も攻守両面で高い集中力を保ち、ウルグアイと互角以上に渡り合った。何度かチャンスも作るなど、迫力あるゲームを演じた。

 しかし、さすがはウルグアイである。28分にFKのチャンスを生かし、最後はMFガストン・ペレイロが同点弾をマーク。その後、前半のうちに勝ち越しを許すものの、57分にDF三浦弦太のミスを見逃さなかったカバーニがゴールネットを揺らすなど、粘り強さを見せた。ワンチャンスをしっかりとモノにするあたりは、強豪国たる所以だ。

 それでも、最後は日本代表が攻め切った。カバーニの得点からわずか2分後、DF酒井宏樹とのパス交換から最後は堂安が沈め、3-2と勝ち越し。さらに66分には堂安のシュートのこぼれ球に南野が反応し、4点目を奪取。一気にウルグアイを突き放した。

 75分に1点を返されるものの、リードを守り切った森保ジャパンはそのまま4-3で勝利。見事、強敵撃破をやってのけた。サポーターも大盛り上がりで、森保ジャパンには大きな賞賛が送られた。

 セットプレー時の対応には不安を残したものの、親善試合とはいえ強豪国を撃破したのは大きな成果であった。「世代間融合」の面でも高いクオリティーを発揮するなど、ハイパフォーマンスを披露したと言える。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6 親善試合とはいえ、強豪ウルグアイに勝利。セットプレーの弱さは今後の改善点

キリンチャレンジカップ2018 ベネズエラ戦

【日本代表 1-1 ベネズエラ代表 キリンチャレンジカップ2018】

 日本代表監督就任から3試合で3勝。森保ジャパンに対する期待値は、明らかに上がっていた。そのため、当然ながら2018年11月16日に行われたキリンチャレンジカップ2018のベネズエラ代表戦でも、勝利を奪うことが期待されていた。

 森保一監督はウルグアイ代表戦で輝きを放ったMF堂安律、MF南野拓実、MF中島翔哉らをこの日も先発で起用。CBは吉田麻也と冨安健洋のコンビを組ませ、正守護神にはシュミット・ダニエルをチョイス。同選手はこれが代表デビューとなった。

 試合は立ち上がりから両者ともに攻守の切り替えを素早く行うなど、一進一退の攻防が繰り広げられる。そんな中、森保ジャパンは2列目の選手が再び大きく躍動。相手GKのファインセーブもあり、なかなか得点を奪うことができない時間が続いたが、チャンスはそれなりに作れていた。

 すると39分、日本代表はフリーキックからDF酒井宏樹がボレーシュートを沈め先制ゴールを奪取。良い時間帯に均衡を破った。前半はこのまま1-0で終了し、新生・日本代表の4連勝に一歩前進した。

 しかし、日本は後半に入ると軽率なパスミスなどが目立つ状況に。徐々に運動量も低下し、自陣へ侵入してくる敵を捕まえられない時間帯を迎えた。

 森保監督は流れを変えようとFW北川航也やFW杉本健勇、MF伊東純也らを投入するが、状況は好転せず。個々の奮闘はあったものの、連動性を欠いていた。

 すると日本代表は試合終盤にPKを献上。これをMFトマス・リンコンに沈められ、同点に追いつかれた。試合はこのまま1-1で終了し、森保ジャパンの連勝は「3」でストップする結果になった。

 攻撃陣は1点しか奪えなかったが、とくに前半は迫力のある攻めを展開できていた。しかし、課題はゲームの進め方だ。交代でピッチに入った選手がことごとく不発に終わるなど、後半は劣勢を強いられる時間が多かった。シュミットの安定感は収穫になったはずだが、少しもったいないドローとなった。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6 シュミットを起用し、冨安を吉田と組ませる。好チームのベネズエラ戦で新戦力に経験を積ませた

キリンチャレンジカップ2018 キルギス戦

【日本代表 4-0 キルギス代表 キリンチャレンジカップ2018】

 森保一監督体勢になって初のアジア勢との対戦となった。相手は、キルギス代表。力で日本より劣っているのは明らかで、森保ジャパンにとっては結果のみならず内容面にもこだわりたい試合となった。

 森保監督はベネズエラ代表戦からスタメンを全員変更。DF山中亮輔やMF守田英正、FW北川航也といった新戦力を積極的に起用した。

 試合は開始からわずか2分で動く。細かいパスワークから北川へボールが渡ると、同選手はFW杉本健勇へ縦パスを送る。杉本がタメを作って左サイドへパスをはたくと、これに反応した山中が左足で押し込み、日本代表が先制に成功した。

 さらに、森保ジャパンは19分にもMF原口元気が直接フリーキックを叩き込み、リードを2点に広げる。序盤からキルギス代表を突き放しにかかった。

 しかし、その後はなかなか決定機を生かせず。杉本、北川、MF伊東純也らがチャンスをモノにできず、相手の守備的な戦術を前に攻撃陣が停滞した。

 後半に入ってもそうした流れは大きく変わらず。なんとかこの状況を打破したい森保監督は、59分にFW大迫勇也やMF堂安律といった選手を投入した。

 すると攻撃陣は一気に勢いを加速させ、キルギスに襲い掛かる。そして72分、北川の落としを受けた大迫が右足でシュートを流し込んで3点目を奪取。ようやく追加点を挙げた。

 さらに森保監督は72分にMF南野拓実とMF中島翔哉の2名をピッチに送り出す。

 すると直後の73分、大迫→南野→堂安とボールを繋いで、最後は中島がペナルティエリア内から右足を振り抜きゴールゲット。途中出場にも関わらず新世代が躍動し、4-0の大勝を収めた。

 杉本、伊東らが不発に終わった攻撃陣。それを見て、中島らの投入を決断した森保監督の采配は評価できる。しかしながら、結局は大迫に堂安、南野、中島の力で押し切った…そのような印象を受ける試合になってしまった。サブ組個々のアピールはあったが、新世代攻撃陣の絶対的存在感が、証明される試合になったと言える。この試合の森保監督の採点は以下の通り。

森保一監督 6 ベネズエラ戦からスタメン全員を入れ替え。アピールの場を与え、選手も奮闘した。戦力底上げに繋げたい