ブラジル人アタッカー

 2019シーズンのJリーグは全日程が終了している。現在は2020シーズンに向け、各クラブが新戦力の補強に力を注いでいるところだ。象徴と呼ばれた選手が新天地を求めるなど、移籍市場は活況を呈している。フットボールチャンネルでは、移籍を決意した選手たちを紹介していく。今回はこの5人(随時、追加紹介していく)。

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MF:レアンドロ(ブラジル)
生年月日:1993年5月12日(26歳)
昨季リーグ戦成績:22試合出場/3得点3アシスト
移籍先:鹿島アントラーズFC東京

 ブラジルのコリチーバから鹿島アントラーズに加入したのは2017年のこと。サッカー王国で育ったアタッカーは、加入1年目から独特なリズムで繰り出されるドリブル、高い決定力といった持ち味を存分に発揮し、リーグ戦23試合の出場で11得点を記録するなど大爆発。守備にも献身的と、常勝軍団の新たな武器となった。しかし、2018シーズンは怪我によりリーグ戦出場がわずか5試合。昨季も終盤戦で出場機会を失い、リーグ戦は22試合の出場で3得点3アシストという成績だった。

 そのレアンドロは今月3日、鹿島からFC東京に期限付き移籍することが発表されている。新天地での背番号は「20」。MFアダイウトン、FWディエゴ・オリヴェイラ、FW永井謙佑ら豪華な攻撃陣を擁するFC東京で、どのようなパフォーマンスを発揮するか注目が集まっていた。

 アピールの場はさっそくやってきた。28日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)・プレーオフのセレス・ネグロス戦。レアンドロは左ウィングとして先発出場を果たしている。40分には決定機を逸するなどもったいない場面もあったのは事実であるが、高質なクロスを上げるなど自身の色は出していた。今後もアピールが必要となるのは確かだが、持っている力は十分。FC東京を悲願のリーグ制覇、そしてACLでの上位進出に導くことができるか。

仙台の司令塔

MF:梁勇基(りゃん・よんぎ/元北朝鮮代表)
生年月日:1982年1月7日(38歳)
昨季リーグ戦成績:13試合出場/0得点0アシスト
移籍先:ベガルタ仙台サガン鳥栖

 今年で38歳となったベテランMF。身長は173cmと大柄なタイプではないものの、正確な足下のスキルを兼ね備えており、クロスや精度の高いシュートなどで決定的な仕事を果たすことができる選手だ。中央だけでなく、サイドハーフとしてのプレーも可能。また、北朝鮮代表として、2010年南アフリカワールドカップ・アジア3次予選出場の実績も持っている。

 梁勇基は、これまでベガルタ仙台一筋のキャリアを歩んできた。2004年にプロデビュー以降、同クラブの「顔」として印象的なパフォーマンスを見せ続けており、2006年からは背番号10も着用。不動の司令塔として、2012年にはクラブのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得に大きく貢献している。チームの主将を務めることもあった。しかし、ここ最近は若手選手の台頭などもあり、出場機会は減少。昨季もリーグ戦13試合の出場に留まっており、得点やアシストいう結果を残すことはできなかった。

 その梁勇基は2019シーズン限りで仙台との契約が満了。実に16年を過ごしたクラブを離れることになった。しかし、同選手のプロ人生はまだ終わらない。今月8日、サガン鳥栖が梁勇基の加入を正式に発表したのだ。鳥栖にとってJリーグ通算522試合の出場を誇る同選手の存在は、ピッチ内外で頼もしいものとなるはず。ベテランMFの新天地での活躍に期待したい。

昨季のJ2得点ランキング3位

FW:呉屋大翔(ごや・ひろと)
生年月日:1994年1月2日(26歳)
昨季リーグ戦成績:36試合出場/22得点1アシスト(V・ファーレン長崎
移籍先:ガンバ大阪柏レイソル

 関西学院大学時代に関西学生サッカーリーグで3年連続得点王に輝くなど、大学No.1フォワードと称されたストライカー。その才能が高く評価され、2016年にガンバ大阪に入団している。しかし、プロ入り後は苦難の連続だった。なかなかトップチームで試合に出場することができず、2018シーズンには徳島ヴォルティスへのレンタル移籍も経験。新天地でも怪我の影響で出遅れるなど本領発揮とはならず、リーグ戦の出場はわずか7試合に留まっている。

 しかし、昨季はレンタルで加入したV・ファーレン長崎で大活躍。愛媛FCとの開幕戦では出番がなかったが、3節以降スタメンに名を連ね続けると、第13節から第19節までの7試合で連続ゴールを記録するなど、点取り屋としての才能をフルに発揮し、チームに勝ち点をもたらし続けた。残念ながら長崎はJ1昇格を逃すことになったが、呉屋大翔はリーグ戦36試合で22得点を記録。J2得点ランキングで3位につける活躍を果たした。

 その活躍が認められ、昨年12月27日、柏レイソルが呉屋を完全移籍で獲得することを発表している。同クラブにはオルンガをはじめ、前線に数多くの名手を揃えるが、呉屋はその激しい競争に打ち勝つことができるか。ガンバ時代には叶わなかったJ1での活躍を見せ、クラブを残留に導きたい。

正確無比なパスが武器

MF:茨田陽生(ばらだ・あきみ)
生年月日:1991年5月30日(28歳)
昨季リーグ戦成績:37試合出場/5得点3アシスト
移籍先:大宮アルディージャ湘南ベルマーレ

 2010年に柏レイソルのトップチーム昇格を果たし、ネルシーニョ監督の下で成長を果たしたMF。精度の高いキックと抜群のボールコントロール技術を武器に中盤でチャンスを作り出すことができる選手であり、本職のボランチのみならずサイドハーフもこなす器用さも兼ね備えている。過去には年代別日本代表に選出されており、国際大会の経験も豊富。2011年には柏のJ1リーグ制覇に貢献、同年のFIFAクラブワールドカップではあのFWネイマールとも対戦している。

 その茨田陽生は2017シーズンより大宮アルディージャに移籍。新天地でも主力としてプレーし、中盤で大きく躍動している。2018シーズンには自身キャリアハイとなるリーグ戦6得点を記録。昨季もリーグ戦37試合で5得点3アシストという成績を収め、チームをJ1参入プレーオフ進出に導いている。第12節の愛媛FC戦ではゲームキャプテンも務めていた。

 しかし、大宮でも不動の存在として活躍していた茨田だが、2020シーズンは活躍の場を移すことを決めている。昨年12月31日、湘南ベルマーレが同選手を完全移籍で獲得することを発表。茨田自身にとっては2度目の移籍、J1参戦は2017シーズン以来ということになる。昨季は入れ替え戦に回るなど苦しんだ湘南であったが、茨田はそんな同チームに何をもたらすだろうか。

東京五輪世代のFW

FW:一美和成(いちみ・かずなり)
生年月日:1997年11月10日(22歳)
昨季リーグ戦成績:36試合出場/17得点4アシスト(京都サンガF.C.)
移籍先:ガンバ大阪→横浜FC

 2016年にガンバ大阪入団を果たした長身FW。身長181cmの体躯を生かしたポストプレーの上手さに長けており、相手ゴール前に泥臭く飛び込んでいけるストライカーだ。ガンバ大阪ではなかなか芽が出なかったものの、昨季にレンタルという形で加入した京都サンガF.C.では持ち味を存分に発揮し、リーグ戦36試合で17得点4アシストを記録。同チームのエースとして印象的な活躍を果たした。

 また、東京五輪世代の一人でもある一美和成は、昨年12月4日に発表されたU-22日本代表メンバーに初選出。同28日に行われたキリンチャレンジカップ2019・U-22ジャマイカ代表戦では途中出場ながら右足でゴールネットを揺らすなど活躍をし、森保一監督に向けアピールしていた。リーグ戦での好調ぶりを、見事代表チームでも発揮したと言えるだろう。

 その一美は昨年12月29日、2020シーズンよりJ1リーグに所属する横浜FCに期限付きで加入することが発表されている。新天地ではエースナンバーである「9番」を着用することが決定しているなど、期待値は高いと見ていいだろう。東京五輪世代のストライカーである一美は、J1の舞台でもゴールを量産し、横浜FCを残留に導くことができるか。背番号9のパフォーマンスに注目したい。