サンプドリアとは

 日本代表のDF吉田麻也が今冬、サウサンプトンからサンプドリアに期限付きで加入することが決まった。吉田はここから半年間、セリエAでプレーすることになるが、果たして新天地にはどのような選手がいるのだろうか。今回フットボールチャンネル編集部では、吉田の新たな仲間となる11人を基本スタメンから紹介する(今季リーグ戦成績は2月5日現在までのもの)。

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 ウニオーネ・カルチョ・サンプドリア(UCサンプドリア)は、イタリア・ジェノバを本拠地とするクラブ。スタジアムは約36,000人の収容人数を誇るルイジ・フェラーリスを使用する。

 1946年に創立されたサンプドリアは、これまでにセリエA優勝1回、コッパ・イタリア優勝4回を誇っている。ただ、2000年以降は苦戦が続いており、セリエAで下位に沈むことも珍しくはない。昨季は9位でリーグ戦を終えている。現在も第22節を終えた時点で16位と、残留争いに巻き込まれている。

 歴代監督にはワルテル・マッツァーリや、現在は冨安健洋が所属するボローニャを率いているシニシャ・ミハイロビッチ。歴代所属選手にはアントニオ・カッサーノ、ワルテル・ゼンガ、クラレンス・セードルフ、ルート・フリットと錚々たるメンバーが名を連ねている。ちなみに現在、同クラブの指揮を執るのはレスターを奇跡の優勝へ導いたクラウディオ・ラニエリだ。

 サンプドリアには過去に元日本代表FWの柳沢敦も所属していた。そのため、今回加入が決まったDF吉田麻也は、サンプドリアにおける2人目の日本人選手。セリエA全体では12人目の日本人選手誕生ということになった。

 また、このクラブを語る上でマッシモ・フェレーロ会長の名は覚えておかなければならない。インパクトのある風貌、そして大胆な発言でサッカー界を度々騒がせる人物であり、「名物会長」としてよく知られた存在である。

 そんなサンプドリアには、現在どのような選手が在籍しているのだろうか。ここからは同チームの基本スタメンから、吉田の新たな仲間となる選手を11人紹介していきたい。

GK

エミル・アウデーロ(イタリア/背番号1)
生年月日:1997年1月18日(23歳)
今季リーグ戦成績:22試合出場/37失点

 ミランのジャンルイジ・ドンナルンマ、ナポリのアレックス・メレトと並んで将来のイタリア代表を担っていくことが期待されている若き守護神。足下の技術などは平均的だが、常に冷静さを失わず、的確にボールをはじき返すことができるセービングが魅力的な選手だ。年代別イタリア代表での経験も豊富で、過去にはアーセナルからの関心も噂されるなど、その実力は確か。今後の更なる成長も期待されている。

 ユベントスの下部組織出身である同選手がサンプドリアにやって来たのは昨季のこと。レンタルという形での加入となったが、新天地1年目ながらマルコ・ジャンパオロ監督の信頼をガッチリ掴み、見事正守護神の座に躍り出た。クラブはそのパフォーマンスを評価し、昨年2月に2000万ユーロ(約24億円)の移籍金を支払い完全移籍で同選手を獲得している。今季はリーグ戦22試合で37失点中と苦しんでいるが、ここから調子を上げていけるか。

DF

オマール・コリー(ガンビア代表/背番号15)
生年月日:1992年10月24日(27歳)
今季リーグ戦成績:19試合出場/0得点0アシスト

 サンプドリアで不動の地位を築くガンビア代表CB。身長191cm、体重87kgの恵まれた体躯を生かしたパワフルなプレーが特徴的な選手であり、空中戦などには絶対的な自信を持っている。パフォーマンスの波が激しい点は否めず、安定感という意味では少し物足りない部分もあるが、その見た目とプレースタイルからナポリに所属するDFカリドゥ・クリバリと比較されることもある選手だ。

 今季も主力としてプレーするオマール・コリーは、ここまでリーグ戦19試合に出場。しかし、パフォーマンス自体は決して良いとは言えず、失点数が積み重なるなど苦しい時期を過ごしている。ここからは吉田麻也とのコンビを成熟させ、立て直しを図りたいところだが、果たしてどうなるか。ちなみに弟のジョセフはチェルシー下部組織出身で、現在はキエーボに所属するプロサッカー選手。ポジションはオマールと同じCBで、今後の成長が期待されている。

ユリアン・シャボー(ドイツ/背番号5)
生年月日:1998年2月12日(21歳)
今季リーグ戦成績:6試合出場/0得点0アシスト

 フランクフルト、RBライプツィヒの下部組織出身で、年代別ドイツ代表としてのプレー経験も持つ若きDF。身長は195cmと大柄で、その長身を生かした空中戦や1対1の強さを兼ね備える選手である。また、本職のセンターバックのみならずボランチとしてのプレーも可能とする柔軟性も持つ。ちなみに昨季まで所属していたフローニンヘンでは日本代表MFの堂安律とチームメイトであった。

 オランダでの活躍が評価され、サンプドリアにやって来たのは今季のこと。しかし、DFジェイソン・ムリージョの移籍、DFアレックス・フェラーリの長期離脱もありここ最近は出場機会を得ていたものの、インパクトを残すことができておらず、定位置を確保するには至っていないのが現状。そのため、新加入となった吉田麻也は同選手やナポリより加入したDFロレンツォ・トネッリとレギュラー争いを繰り広げることになるだろう。

バルトシュ・べレシュインスキ(ポーランド代表/背番号24)
生年月日:1992年7月12日(27歳)
今季リーグ戦成績:14試合出場/0得点0アシスト

 今季でサンプドリア在籍4年目を迎えた右サイドバックのファーストチョイス。果敢に前線へ飛び出しクロスやシュートで違いを生みだす…といった派手さはないものの、ポジショニングの良さと冷静な1対1の対応を見せることができるなど、主に守備面で評価されることの多い選手だ。運動量も非常に豊富で、左右両方のサイドを難なくこなすことができる点も魅力的である。

 ポーランド代表としても活躍しており、2018年に行われたロシアワールドカップではグループリーグ最終節で日本代表とも対戦している。もちろん、サンプドリアでも貴重な戦力として奮闘中。11月には半月板の損傷により戦線離脱を余儀なくされたものの、年明けに復帰して以降は再び主力を張り続けている。今季目指すはサンプドリア加入後初となる得点だろうか。

二コラ・ムッル(イタリア/背番号29)
生年月日:1994年12月16日(25歳)
今季リーグ戦成績:20試合出場/0得点0アシスト

 サンプドリア不動の左サイドバックであるレフティー。今季でプロ8年目ながら無得点中と攻撃力は物足りないが、堅実的なプレーと守備に戻る際のスピードが持ち味の選手である。サンプドリアに加入した2017/18シーズンは軽率なミスが目立ち批判の的となることもあった同選手だが、昨季はそれを見事改善し、リーグ戦35試合出場で5アシストをマーク。今季も主力として活躍中と、着実に成長を果たしている選手である。

 カリアリの下部組織時代からサイドバック一筋である二コラ・ムッル。各年代別イタリア代表としての出場歴も持っており、過去にはミランからの関心も噂されていた。現在は残留争い中と低迷するサンプドリアだが、ムッルはここから同チームを引き上げることができるか。ちなみに幼少期はミランのレジェンドであるパオロ・マルディーニから影響を受けたらしく、両親はユベントスのファンだという。

MF

ロナウド・ヴィエイラ(イングランド)
生年月日:1998年7月19日(21歳)
今季リーグ戦成績:19試合出場/0得点1アシスト

 U-21イングランド代表での出場歴を持つ21歳のMF。身長は178cmとそれほど大柄なタイプではないが、ボール奪取能力に定評があり、キープ力にも長ける選手だ。サンプドリア加入1年目となった昨季はリーグ戦14試合の出場に留まったものの、今季はすでにそれを上回る19試合に出場中。クラウディオ・ラニエリ監督の下で信頼を得ているのは明らかであり、着実に成長を果たしていると言えるだろう。

 アフリカのギニアビサウ共和国生まれのロナウド・ヴィエイラは、2011年より家族と共にイングランドへ移住。2016年にはリーズ・ユナイテッドとプロ契約を結び、2018/19シーズンはマルセロ・ビエルサ監督の下でキャプテンにも任命されていた。が、このシーズンはクラブに残留することなく、アーセナルへ移籍したMFルーカス・トレイラの穴を埋める存在を欲していたサンプドリア移籍を決断している。ちなみに双子の名前は「ロマーリオ」である。

アルビン・エクダル(スウェーデン代表/背番号6)
生年月日:1989年7月28日(30歳)
今季リーグ戦成績:21試合出場/0得点2アシスト

 スウェーデン代表として2016年のEURO(欧州選手権)、2018年のロシアワールドカップ出場を誇るベテランMF。ビルドアップの質は改善が必要だが、ボールホルダーに粘り強く対応できるハードな守備と縦へのダイナミックな飛び出しを持ち味とする選手だ。負傷癖があるのは難点だが、サンプドリアにとってはピッチ内外で頼もしい存在となっていることは確かだ。

 今季も主力としてプレーするアルビン・エクダルは、ここまでリーグ戦21試合で2アシストを記録。第5節のフィオレンティーナ戦、第11節のSPAL戦ではゲームキャプテンも務めるなど、高いリーダーシップを発揮してチームを牽引している。攻守両面で今後もチームをサポートし続けることは明らかで、加入が決まった吉田麻也も同選手から多くのことを学べるはずだ。

カロル・リネティ(ポーランド代表/背番号7)
生年月日:1995年2月2日(25歳)
今季リーグ戦成績:14試合出場/2得点3アシスト

 今季でサンプドリア加入4年目を迎えたポーランド代表MF。球際の強さは抜群で、ドリブルでの運び、縦パスを入れてチャンスを演出するなど、中盤で様々なタスクをこなすことができる選手だ。そのプレースタイルゆえ、イエローカードを貰ってしまうことも少なくないが、対戦相手からすればマッチアップを避けたい存在であることは間違いない。サンプドリアのキープレーヤーと言ってもいいだろう。

 今季は負傷の影響もあり、戦線離脱を強いられる時期もあったが、ここ最近はフル出場を継続中。ゲームキャプテンを務めることもある。また、試合によってインサイドハーフ、左右両サイドハーフで使い分けられるなど、指揮官のプランに柔軟に対応できる点も魅力的だ。現在は残留争いに巻き込まれるなど苦しい状況にあるサンプドリアだが、この男のパフォーマンスが復調へのカギとなるのかもしれない。

ヤクブ・ヤンクト(チェコ代表/背番号14)
生年月日:1996年1月19日(24歳)
今季リーグ戦成績:16試合出場/2得点2アシスト

 ウディネーゼで印象的な活躍を見せ、ミランなどのクラブから関心を寄せられていたチェコ代表MF。豊富な運動量を生かしてピッチを縦横無尽に動き回ることができる選手であり、左足から放たれる正確なキックでゴールやアシストを生み出すことを可能としている。力強い縦への推進力も持ち合わせており、サイドハーフとインサイドハーフの両方を高いレベルでこなすこともできる。

 昨季はマルコ・ジャンパオロ監督の下、戦術への適応に苦しみ、リーグ戦でまさかの無得点に終わったヤクブ・ヤンクト。しかし、今季はリーグ戦16試合で2得点2アシスト中と、昨季よりは結果を残すことができている。だが、チームが浮上を果たすためにはまだまだ結果を残すことが重要だろう。今後のパフォーマンスに注目だ。ちなみに趣味はサッカー選手には珍しい絵画なんだとか。

FW

マノロ・ガッビアディーニ(イタリア/背番号23)
生年月日:1991年11月26日(28歳)
今季リーグ戦成績:18試合出場/5得点2アシスト

 アタランタ、ボローニャ、ナポリ、サウサンプトンなどでプレーし、昨季よりサンプドリアに復帰したレフティー。身長181cmを誇りながら裏へ抜け出すスピードやボールへの素早い反応を持ち味としている選手であり、左足から放たれるシュートは爆発的な威力を発揮する。基本的にはCFでプレーしている同選手だが、サイドから中へ切り込んでフィニッシュまで持ち込むなど、ウイングでも強みを生かすことができる。

 姉のメラーニアもサッカー女子イタリア代表で、自身もイタリア代表に招集された経験を持つマノロ・ガッビアディーニは、前指揮官であるマルコ・ジャンパオロ監督のスタイルには合わなかったが、今季はリーグ戦18試合で5得点2アシストを記録中とまずまずの成績を収めている。今後、目指すはリーグ戦での二桁得点になるだろう。ちなみに吉田麻也とはサウサンプトン時代のチームメイト。イタリアの地で再会を果たすことになった。

ファビオ・クアリャレッラ(イタリア代表/背番号27)
生年月日:1983年1月31日(37歳)
今季リーグ戦成績:18試合出場/6得点3アシスト

 言わずと知れたイタリア代表のストライカー。今年で37歳となった同選手だが、高いシュート技術とゴールへの嗅覚はまったく衰えていない。昨季はリーグ戦で26得点を挙げるなど大爆発し、FWクリスティアーノ・ロナウドやFWドゥバン・サパタといった錚々たるメンバーを抑え、見事得点王に輝いた。さらに昨年3月にはイタリア代表としてもゴールをマーク。アッズーリの最年長得点記録を更新している。

 チームをキャプテンとして牽引する背番号27は今季、リーグ戦18試合で6得点3アシストを記録中。昨季のパフォーマンスと比べるとやや物足りない印象は強いが、それでもサンプドリアには欠かせない存在であることは間違いない。新加入となった吉田麻也もこのベテランFWから多くのものを吸収し、ピッチで生かしたいところ。頼りとなるキャプテンと共に、下位に沈むチームを引き上げることができるか。