「失望した」フランクフルト

UEFAヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16・1stレグ、アイントラハト・フランクフルト対バーゼルが現地時間12日に行われ、0-3でバーゼルが勝利した。鎌田大地は78分、長谷部誠は73分までプレーしたがチームは大敗。2ndレグでの大逆転の可能性は、果たして残っているのだろうか。(文:本田千尋)
————————————————————————-

 快進撃は唐突に止まってしまった。3月12日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16で、アイントラハト・フランクフルトはFCバーゼルを相手に0-3で完敗。第1戦でバーゼルに3つのアウェイゴールを与えることになり、準々決勝進出はかなり難しい状況となってしまった。

 試合後にはセバスティアン・ローデもケビン・トラップも、この結果に「失望した」とコメントを残している。もちろんトラップが「僕たちはこれまで(EL)で多くのことを成し遂げてきた。それをまた第2戦でトライするつもりだ」とも言うように、可能性は完全には絶たれてはいない。しかし、ホームアドバンテージがない第2戦では、4点を奪っての大逆転劇はやはり難しいと言わざるを得ない。

 昨季のベスト4進出も含めて、何よりフランクフルトが「これまでヨーロッパリーグで多くのことを成し遂げてきた」のは、まずホームの大観衆の後押しがあったからだったと言えるだろう。コメルツバンク・アレーナは、常日頃のブンデスリーガの試合でもテンションが高いが、ELの試合となると、さらにボルテージが上がる。

 その雰囲気に呼応するように、選手たちも躍動して「多くのことを成し遂げてきた」が、このバーゼル戦はコロナウイルスの影響により無観客で行われることになった。熱狂的なファンの声援を欠いた状態で戦わなくてはならなかったのだ。ジブリル・ソウも「観衆も含め、今日僕たちは多くのことを欠いた」とコメントを残している。

奇跡を起こすための条件は…

 また、バーゼルはフランクフルト対策を徹底してきた。アディ・ヒュッター監督は2月20日にザルツブルクを4-0で破った時と同じ[4-3-3]の布陣を採用。鎌田大地が右ウイングに入り、攻撃時には中央寄りのポジションを取ってハットトリックを演じたフォーメーションだ。ヒュッター監督は、そのときの成功体験を踏襲したかったのかもしれない。

 バーゼルはまず、後半戦でフィニッシャーとして重要な役割を果たしてきた左ウイングのフィリップ・コスティチを警戒。場合によっては複数の選手で囲んで潰し、セルビア代表アタッカーに仕事をさせなかった。また、コンパクトで固い守備ブロックを徹底し、その中では鎌田も、なかなかハットトリックを決めたザルツブルク戦のときのようにはプレーすることができなかった。

 対するフランクフルトは、守備組織が少し緩かったかもしれない。直接FKから失点した1点目はともかく、2点目はGKからのロングフィード一本で簡単に裏を取られ、3点目もワンツーでやすやすとサイドを突破されてしまった。やはり無観客で調子が狂ったところがあったのだろうか。

 もちろん熱狂的な大観衆の後押しがなかったことが、大敗を引き起こした原因の全てではないだろう。しかし、フランクフルトは本来のポテンシャルを引き出して戦うことができなかったのは事実だ。対するバーゼルの方が、狙い通りにゲームを進めることができていたようである。

 コロナウイルスの影響で、第2戦はスイスで開催することができず、再びフランクフルトで行われることになったが、やはり無観客試合。第1戦と同様にホームでありながら、ホームアドバンテージがない状態だ。昨季のチャンピオンズリーグでバルセロナを相手に大逆転劇を演じたリバプールも、17年にパリ・サンジェルマンを相手に4点差をひっくり返したバルサも、本拠地で狂ったような雰囲気があったことが奇跡の第一条件だった。

 もちろんサッカーである以上、何が起こるかは分からない。極めて難しい状況だが、ゲームプランを再考し、自分たちを信じて戦うしかない。

(文:本田千尋)

【了】