セレッソ大阪(06年〜10年夏)

香川真司のキャリアは輝きに満ち溢れている。20歳でJ2得点王に輝き、21歳で伝統あるボルシア・ドルトムントに移籍。マンチェスター・ユナイテッドではプレミアリーグ優勝を経験している。今回は、香川が16歳でセレッソ大阪に加入してから現在に至るまでの活躍を、所属したクラブごとに振り返っていきたい。
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【リーグ戦成績】
06年:0試合0得点(J1)
07年:35試合5得点(J2)
08年:35試合16得点(J2)
09年:44試合27得点(J2)
10年:11試合7得点(J1)

 香川真司は1989年、兵庫県に生まれた。中学入学と同時に親元を離れて宮城県のFCみやぎバルセロナのジュニアユースに加入。そのままユースに進んだ香川は、2006年にのときにセレッソ大阪と契約を結んだ。

 出場することなく終わった06年、C大阪は17位でJ2に降格。ここが香川にとっては転機となった。07年に監督に就任したレヴィー・クルピは2年目の香川を抜擢。07年に35試合に出場すると、その翌年は16得点をマークしてエースの1人となった。

 09年には前年限りで現役を引退したミスターセレッソ・森島寛晃の背番号8を引き継いだ。序盤戦からゴールを重ね、5月17日には自身初のハットトリックを達成。その後も得点を量産した香川は27ゴールで得点王に輝き、4年ぶりのJ1昇格にチームを導いている。

 プロ4年目でJ1初出場を飾った香川は、2010年も11試合7得点と結果を出した。6月の南アフリカワールドカップのメンバーからは落選したが、サポートメンバーとしてチームに帯同。大会終了後にボルシア・ドルトムントへ移籍した。

●09年の基本フォーメーション

▽GK
キム・ジンヒョン

▽DF
江添建次郎
チアゴ
前田和哉

▽MF
酒井憲幸
羽田憲司
マルチネス
石神直哉

▽FW
乾貴士
香川真司
カイオ

ドルトムント(10年夏〜12年夏)

【リーグ戦成績】
10/11シーズン:18試合8得点
11/12シーズン:31試合12得点

 8月14日にDFBポカール(ドイツカップ)でデビューを飾ると、5日後のUEFAヨーロッパリーグ(EL)予選で2得点を挙げて注目を浴びた。ブンデスリーガでは開幕からトップ下の定位置を掴むと、9月19日に行われたシャルケとのレヴィアダービーでは2得点をマークして勝利に貢献。前半戦だけで8ゴールを挙げてブンデスリーガの前半戦MVPに輝いている。

 しかし、好事魔多しで、日本代表としてプレーした1月のアジアカップで負傷。右足第5中足骨を骨折した香川は後半戦のほとんどを欠場し、最終節のフランクフルト戦の終盤に出場して復帰した。ドルトムントは前半戦の勢いそのままに9シーズンぶりのリーグ優勝を達成している。

 加入2年目の11/12シーズン、チームは低調な滑り出しとなった。香川もそれに呼応するようにゴールから遠ざかり、10月の代表ウィーク前後のリーグ戦2試合をベンチで過ごしている。それでも22日のケルン戦で先発に復帰してゴールを決めると、そこから4試合で2得点4アシストと躍動した。

 チームも調子を取り戻し、リーグ戦28試合無敗を記録した。バイエルン・ミュンヘンを振り切ってリーグ連覇を達成。31試合に出場した香川は13得点12アシストをマークしてチームをけん引する存在となった。

 ユルゲン・クロップ率いるドルトムントで躍動する若手選手は、ビッグクラブのターゲットになる。2年間在籍した香川も、1600万ユーロ(約20億円)という移籍金でマンチェスター・ユナイテッドへと移籍することになった。

●11/12シーズンの基本フォーメーション

▽GK
ロマン・ヴァイデンフェラー

▽DF
ウカシュ・ピシュチェク
ネヴェン・スボティッチ
マッツ・フンメルス
マルセル・シュメルツァー

▽MF
イルカイ・ギュンドアン
スヴェン・ベンダー
ヤクブ・ブワシュチュコフスキ
香川真司
ケビン・グロスクロイツ

▽FW
ロベルト・レバンドフスキ

マンチェスター・ユナイテッド(12年夏〜14年夏)

【リーグ戦成績】
12/13シーズン:20試合8得点
13/14シーズン:18試合0得点

 マンチェスター・ユナイテッドに移籍した香川は、開幕戦からいきなりトップ下のポジションを掴んだ。2節のフルアム戦では初ゴールをマークし、トッテナム相手にもゴールを決めている。トップ下にはウェイン・ルーニーがいたため、左サイドで起用されることも多かった。

 最高のデビューを飾ったが、ここでも怪我に苦しめられた。10月23日のUEFAチャンピオンズリーグ・ブラガ戦の27分に左足を負傷。前半終了までプレーを続行したが、軽傷ではなかった。3〜4週間で復帰できるという当初の見込みから大きく外れ、復帰までは2か月を要した。

 年末に復帰した後も、アレックス・ファーガソン監督からは出番を与えられた。3月2日のノーリッジ戦ではプレミアリーグで日本人初となるハットトリックを達成し、20試合に出場して6得点4アシストをマーク。27年間指揮を執った名将のラストシーズンに、優勝という形で花を添えた。

 しかし、セレッソ時代とは対照的に監督交代が香川の立場を悪化させた。ファーガソンの後任としてデイビッド・モイーズが監督に就任。新監督の下で香川は出番を失い、ベンチを外れることも少なくなかった。

 チームも低迷し、14/15シーズンは7位に終わっている。香川は終盤戦に出番を増やして4試合で3アシストをマークしたが、シーズンを通して公式戦でゴールを挙げることはできなかった。

 ルイス・ファンハール監督が就任した15/16シーズンのユナイテッドにも香川の居場所はなかった。後半途中から出場したリーグカップから5日後の8月31日、古巣ドルトムントへの完全移籍が決まった。

●12/13シーズンの基本フォーメーション

▽GK
ダビド・デヘア

▽DF
ラファエル
リオ・ファーディナンド
ジョニー・エバンス
パトリス・エブラ

▽MF
マイケル・キャリック
トム・クレバリー
アントニオ・バレンシア
ウェイン・ルーニー
ライアン・ギグス

▽FW
ロビン・ファンペルシー

ドルトムント(14年夏〜19年冬)

【リーグ戦成績】
14/15シーズン:28試合5得点
15/16シーズン:29試合9得点
16/17シーズン:21試合1得点
17/18シーズン:19試合5得点
18/19シーズン:2試合0得点

 移籍時の半額以下、800万ユーロ(約10億円)でドルトムントに復帰。連覇に貢献したマリオ・ゴメスやロベルト・レバンドフスキはバイエルンへ移籍したが、マッツ・フンメルス、マルセル・シュメルツァーといった主力選手は多く在籍していた。

 移籍からわずか2週間、ブンデスリーガ開幕戦で香川はいきなりゴールを決めた。しかし、このあとチームは勝利から遠ざかり、前半戦を最下位で折り返した。香川も開幕戦以降はゴールを決められず、12月には3試合連続で先発を外れている。

 チームはウインターブレイク明けから勢いを取り戻し、降格圏を脱出することに成功した。香川も後半戦は13試合に先発して4得点6アシストをマーク。チームは7位でシーズンを終え、ELプレーオフ出場権を獲得した。ただ、欧州での実績が全くなかった香川を抜擢したクロップは、このシーズン限りで監督を退いている。

 復帰2年目の15/16シーズン、新監督に就任したトーマス・トゥヘルは、基本システムの変更に手を付けた。クロップ時代の4-2-3-1から4-1-4-1へ変更し、香川の得意とするトップ下のポジションはなくなった。

 ドルトムントは開幕5戦で18得点と攻撃陣が爆発した。香川には8番(インサイドハーフ)のポジションが与えられ、最前線にはピエール=エメリク・オーバメヤン、ウイングにはマルコ・ロイスとヘンリク・ムヒタリアンが定着。4人はファンタスティック4と呼ばれ、スタートダッシュの原動力となっている。

 最終的にはバイエルンに優勝を許したが、前年に47得点と低迷した得点数は82まで伸ばした。インサイドハーフに定着した香川も9得点9アシストと結果を残し、復活を印象付けるシーズンとなった。

 16年夏にムヒタリアンがユナイテッドに移籍し、ファンタスティック4は1年で解散。香川も足首の負傷で出場機会を減らし、16/17シーズンのリーグ戦は21試合の出場、13試合の先発に留まった。

 17/18シーズンにペーター・ボシュが監督に就任すると、香川の先発起用は減った。チームは開幕こそ勝利を重ねたが、8戦未勝利と不調に陥ると、12月10日にボシュは解任された。

 ペーター・シュテーガーが後任に就くと、香川に出番が回ってきた。7試合連続で先発し、3得点3アシストをマーク。しかし、2月10日のハンブルガー戦でまたしても足首を負傷。約3か月間の離脱を経て、復帰したのは最終節だった。出場は前年を下回る19試合に終わっている。

 18年夏に監督に就任したルシアン・ファブレは、香川を事実上の構想外とした。9月に公式戦3試合に出場したが、10月31日のカップ戦を最後に出場機会が与えられることはなかった。冬の移籍市場閉幕が迫る1月31日、トルコのベシクタシュへの期限付き移籍が発表された。

●15/16シーズンの基本フォーメーション

▽GK
ロマン・ビュルキ

▽DF
ウカシュ・ピシュチェク
ソクラティス・パパスタソプーロス
マッツ・フンメルス
マルセル・シュメルツァー

▽MF
イルカイ・ギュンドアン
ユリアン・ヴァイグル
香川真司

▽FW
ヘンリク・ムヒタリアン
ピエール=エメリク・オーバメヤン
マルコ・ロイス

ベシクタシュ(19年冬〜19年夏)

【リーグ戦成績】
18/19シーズン:14試合4得点

 初出場となったアンタルヤスポル戦に、香川は81分から出場した。ファーストプレーでゴールを決め、84分にはFKから2点目を挙げる鮮烈なデビューとなった。一時は7位まで順位を落としていたベシクタシュだったが、香川加入後は6連勝もあり、3位でシーズンを終えた。

 わずか4か月の在籍期間でチームの浮上に貢献する活躍を見せた。先発に名を連ねたのは4試合だが、トップ下でプレーした香川は14試合に出場して4得点2アシストと結果を残している。クラブ側は香川の完全移籍を望んだが、実現には至らなかった。

●18/19シーズンの基本フォーメーション

▽GK
ロリス・カリウス

▽DF
ギョクハン・ギョニル
ドマゴイ・ヴィーダ
ペペ
ジャネル・エルキン

▽MF
アティバ・ハッチンソン
ガリー・メデル
リカルド・カレスマ
アデム・リャイッチ
イェレマイン・レンス

▽FW
ブラク・ユルマズ

サラゴサ(19年夏〜)

【リーグ戦成績】
19/20シーズン:23試合2得点

 ベシクタシュへの期限付き移籍が満了となり、契約が残るドルトムントに復帰。そして開幕を間近に控えた8月9日、スペイン2部のレアル・サラゴサへの完全移籍が発表された。

 香川は開幕戦から7戦連続で先発に名を連ね、トップ下として2得点と結果を残した。前年に15位に終わったサラゴサはその間、無敗を記録して上位争いに加わっている。しかし、その後は発熱や腰痛といったコンデションの問題もあり、先発の機会は減っていった。

 4試合ぶりの先発となった12月14日のラシン・サンタンデール戦では移籍後初アシストをマーク。1回戦から勝ち進んだコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)では、3回戦で久保建英が所属するマジョルカと対戦し、先制点をアシストして勝利に導いた。4回戦で敗れたものの、ここではレアル・マドリードとの対戦も実現している。

 3月に入り、新型コロナウイルスの感染拡大により、すべての公式戦が中断となった。リーグ戦31試合を消化したサラゴサで香川は23試合に出場。うち18試合に先発して2得点1アシストという数字を残している。

●19/20シーズンの基本フォーメーション

▽GK
クリスティアン・アルバレス

▽DF
カルロス・ビラガイ
エンリケ・クレメンテ
ピチュ・アティエンサ
カルロス・ニエト

▽MF
ラウル・グティ
イニゴ・エグアラス
アルベルト・ソロ
香川真司
ハビ・プアド

▽FW
ルイス・スアレス

【了】