エル・ドリームチームの中心

1993年の開幕から28年目を迎えたJリーグでは、数多くの外国籍選手がプレーしてきた。活躍した選手もいる中で、期待を大きく裏切って帰っていった選手も少なくない。今回フットボールチャンネル編集部では、ヴィッセル神戸で活躍できなかった外国籍選手を5人紹介する。※年齢は加入時、成績は神戸在籍時のもの。
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ラウドルップ(デンマーク代表)
生年月日:1964年6月15日(32歳)
在籍期間:1997年
Jリーグ成績:3試合出場0得点

 デンマーク出身のミカエル・ラウドルップはイタリアのラツィオとユベントス、スペインのバルセロナとレアル・マドリードで主力としてプレー。エル・ドリームチームと称されたヨハン・クライフ率いるバルセロナの中心選手だった。104試合37得点という数字を残したデンマーク代表では、EURO(欧州選手権)に3度、ワールドカップにも1度出場。現在はヴィッセル神戸でプレーするアンドレス・イニエスタの少年時代のあこがれの存在だったという。

 スチュワート・バクスター監督率いる1996年の神戸は、JFL(2部相当)に所属していた。シーズン途中に加入したラウドルップはチームを2位に導く活躍を見せ、チームは悲願のJリーグ昇格を果たした。しかし、Jリーグ参戦1年目はチームが苦戦。序盤から負けが込み、17クラブ中16位という結果に終わっている。

 97年の開幕から先発に名を連ねたラウドルップだったが、第3節の横浜フリューゲルス戦で負傷して16分にピッチを後にした。その後は出場がないまま、シーズン途中で退団。その後はアヤックスで1シーズンプレーし、98年に現役を退いている。

●1997年4月12日、鹿島アントラーズ戦の先発メンバー

▽GK
石末龍治

▽DF
吉村寿洋
渡辺一平
森直樹
幸田将和

▽MF
ラウドルップ
ビッケル
吉村光示
神野卓哉

▽FW
永島昭浩
ジアード


<h2>トルコの貴公子

イルハン・マンスズ(トルコ代表)
生年月日:1975年8月10日(28歳)
在籍期間:2004年〜同年6月
Jリーグ成績:3試合出場0得点

 ドイツで生まれ育ったイルハン・マンスズはトルコのベシクタシュで結果を残し、トルコ代表に定着した。2002年の日韓ワールドカップでは3ゴールを挙げてトルコ代表の3位躍進に貢献。端正な顔立ちから日本で写真集などが発売されるほどのブームとなった。

 楽天の代表取締役である三木谷浩史が代表を務める株式会社クリムゾンフットボールクラブにヴィッセル神戸の営業権が譲渡された04年、2年総額推定12億円とも報じられた多額な移籍金と年俸で、イルハンは神戸に加入している。

 イルハンは開幕戦で先発起用されて三浦知良と2トップを組んだが、第2節のアルビレックス新潟戦での出場を最後に右足の負傷の治療のために帰国している。一時は復帰したものの、1試合に出場しただけで再び帰国。3試合に出場し、ゴールを決められないまま退団となった。

●2004年開幕戦、ジェフユナイテッド市原戦の先発メンバー

▽GK
掛川誠

▽DF
坪内秀介
土屋征夫
北本久仁衛
ホージェル

▽MF
朴康造
小島宏美
薮田光教
藤本主税

▽FW
三浦知良
イルハン


<h2>浪速の黒豹

パトリック・エムボマ(カメルーン代表)
生年月日:1970年11月15日(33歳)
在籍期間:2004年8月〜05年5月
Jリーグ成績:10試合出場2得点

 2004年のヴィッセル神戸は、2ゴールのレアンドロンとわずか3試合の出場に終わったイルハンを1stステージで退団させた。さらに、上位進出への起爆剤としてカメルーン代表のパトリック・エムボマを獲得している。

 ガンバ大阪で1997年に得点王に輝き、セリエAやプレミアリーグなどでプレーしたエムボマは、03年から東京ヴェルディでプレーしていた。04年にはアフリカ選手権で得点王に輝いたが、東京Vで5月以降は途中出場が続き、8月に神戸に移籍した。

 神戸では2ndステージ初戦から5試合連続で先発したが、その後は欠場が続いた。翌年もプレーを続けたが、コンディションは戻らず。5月1日のガンバ大阪戦を最後に現役引退している。

●2004年8月14日、浦和レッズ戦の先発メンバー

▽GK
岩丸史也

▽DF
土屋征夫
河本裕之
北本久仁衛
ホージェル

▽MF
平瀬智行
小島宏美
佐伯直哉
ホルヴィ

▽FW
エムボマ
播戸竜二


<h2>J通算233試合出場

バロン(ブラジル出身)
生年月日:1974年1月19日(32歳)
在籍期間:2006年3月〜同年7月
Jリーグ成績:10試合出場0得点

 ブラジルのインテルナシオナルなどでプレーしたバロンは1996年、当時JFLだったヴァンフォーレ甲府に加入して13得点をマークした。一旦はブラジルに戻ったが98年に甲府に復帰して31ゴールを挙げ、クラブの悲願となるJリーグ昇格に貢献している。

 その後はジェフユナイテッド市原、清水エスパルスなどで活躍した。05年はベガルタ仙台で14ゴールをマークしたが契約満了となり、06年3月にヴィッセル神戸と契約を結んだ。

 J2に降格した神戸はスチュワート・バクスター監督が9年ぶりに復帰。バロンは後半から起用される試合が多かったが、5月20日の徳島ヴォルティス戦を最後に欠場が続き、7月にアビスパ福岡に移籍した。Jリーグ通算233試合に出場したが、晩年にプレーした神戸では10試合無得点と、存在感を放つことはできなかった。

●2006年の基本先発メンバー

▽GK
荻晃太

▽DF
北本久仁衛
トーメ
柳川雅樹
坪内秀介

▽MF
田中英雄
丹羽竜平
朴康造
栗原圭介
三浦淳宏

▽FW
近藤祐介


<h2>U-23ブラジル代表

マルセウ(ブラジル出身)
生年月日:1981年11月12日(27歳)
在籍期間:2009年
Jリーグ成績:10試合出場3得点

 韓国の水原三星やポルトガルのベンフィカで活躍し、ブラジル全国選手権では2年間で28ゴールを挙げたマルセウは、2009年にヴィッセル神戸に移籍した。2004年にはU-23ブラジル代表としてアテネ五輪予選で4得点をマーク。ヴィッセル神戸が2009年に招聘したカイオ・ジュニオール監督はかつてコリチーバでGMを務めており、マルセウは同時期に選手として在籍していた。

 京都サンガとの開幕戦にフル出場したが、直後に肉離れで戦線を離脱した。その後は復帰したが、6月にカイオ監督がカタールのクラブに引き抜かれる形で神戸の監督を辞任。そこまで3得点に留まっていたマルセウは出場機会を失った。負傷と指揮官の解任という不運な要素が重なり、本来の力を見せることはできずに1年でチームを去っている。

●2009年3月8日、京都サンガ戦の先発メンバー

▽GK
榎本達也

▽DF
石櫃洋祐
宮本恒靖
北本久仁衛
大屋翼

▽MF
松岡亮輔
金南一
アラン・バイーア
馬場賢治

▽FW
吉田孝行
マルセウ