15位:イタリアの万能型SB

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。※成績は4月1日時点

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DF:アレッサンドロ・フロレンツィ(イタリア代表/バレンシア)
生年月日:1991年3月11日(29歳)
市場価格:1600万ユーロ(約19.2億円)
今季リーグ戦成績:14試合出場/0得点1アシスト(ローマ)
今季リーグ戦成績:3試合出場/0得点0アシスト(バレンシア)

 ローマの下部組織出身で、トップチームデビュー以降同クラブ一筋のキャリアを歩んできたイタリア代表DF。ローマ在籍9年目を迎えていた今季は、昨季限りで退団したダニエレ・デ・ロッシの後を継いで正式なキャプテンにも就任していた。しかし、決して出場機会に恵まれているわけではなく、29歳のDFは今冬にバレンシア加入を決断。期限付きとは言え、この移籍はロマニスタをはじめ多くの人に驚きを与えた。

 そんなアレッサンドロ・フロレンツィは、身長173cm・体重67kgと小柄な選手。しかし、そうした体格のハンデを感じさせないハードな守備が光る存在であり、身体を投げ出して鋭いタックルを仕掛けることも少なくない。また、運動量も抜群に豊富。90分間動きを止めないことはもちろん、終盤にも平気な顔してスプリントするのがこの男の恐ろしいところ。チームに対しての献身性は絶大と言えるだろう。

 また、もともとは攻撃的なポジションでプレーしていたフロレンツィは「ドリブル」の鋭さも兼備しており、サイドを切り裂いてから繰り出すクロスの質も極めて高い。さらには「スピード」も一定以上のものを装備しており、味方へのサポートも素早く行うことができる。守備時と同じ、あるいはそれ以上の存在感を攻撃面でも放つことが可能なのは、フロレンツィのストロングポイントと言えるだろう。

 飛び抜けた能力こそないものの、全体的な数値のバランスは非常に良いフロレンツィ。様々なポジションをこなす万能型だが、“便利屋”で終わってほしくない力の持ち主であることは確かだ。

14位:マンUのスパイダー

DF:アーロン・ワン=ビサカ(イングランド代表/マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1997年11月26日(22歳)
市場価格:3200万ユーロ(約38.4億円)
今季リーグ戦成績:26試合出場/0得点2アシスト

 昨季、クリスタル・パレスで頭角を現し名を轟かせたイングランド期待の若手DF。その活躍が認められ今季よりマンチェスター・ユナイテッドに所属する同選手は、ここまでリーグ戦26試合に出場するなど新天地でもレギュラーの座を確保しており、チャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得を目指すチームにおいて大きく奮闘している。評価はぐんぐん上昇中と、その勢いは目を見張るものがあると言えるだろう。

 アーロン・ワン=ビサカは非常に「守備力」の高い選手である。身長183cm・体重72kgという恵まれた体躯と身体能力の高さを活かした1対1の強さはピカイチで、簡単に相手に突破されることが少ない選手だ。中でも飛び抜けているのがタックルの上手さ。長い足を活かしてボールを奪い取る技術は世界でもトップレベルのものがあり、一度食らい付いたら放さない粘り強さも特徴的。まさに「スパイダー」である。

 また、「スピード」にも長けているのがワン=ビサカを語る上では欠かせないポイント。前線へ飛び出すダイナミックさはもちろんのこと、被カウンター時にも相手に簡単に振り切られることが少ない。数値も「88」と飛び抜けたものとなった。また、もともとウインガーだったワン=ビサカは「ドリブル」でも強みを発揮。足のリーチの長さを活かした大胆な突破を止めるのは容易ではないと言える。

 一方で「空中戦」は数値が低下。さらには「パス」やクロスの質に関してもまだまだ改善していく必要があると見ていいだろう。今季の活躍ぶりはもちろん印象的だが、こうした部分で評価を落とし、今回は14位フィニッシュとなった。

13位:ベルギーが生んだ大型SB

DF:トマ・ムニエ(ベルギー代表/パリ・サンジェルマン)
生年月日:1991年9月12日(28歳)
市場価格:2400万ユーロ(約28.8億円)
今季リーグ戦成績:16試合出場/0得点1アシスト

 若手時代にガラス工場に勤務していた経歴を持つトマ・ムニエは、2011年に加入したクラブ・ブルージュでサイドバックにコンバートされ、才能を開花させた存在だ。その後、ベルギー代表として出場したEURO2016でも印象的なパフォーマンスを見せた同選手は、その活躍が認められ、パリ・サンジェルマン(PSG)へ移籍。2018年にはロシアワールドカップ出場も果たすなど、目覚ましい成長を遂げた選手である。

 現在28歳のムニエは「超」がつくほどの攻撃的サイドバックである。前線へ飛び出すその迫力は満点で、クロスの質も極めて高く、場合によっては自らフィニッシャーの役割を担うなど、攻撃面で決定的な仕事を果たすことを可能としている。「スピード」も十分なものがあるため、オーバーラップの鋭さも抜群。カウンター時などにもその威力を発揮することが可能だ。

 また、もともとFWだったムニエは「ドリブル」での突破も苦にしていない。やや強引な面はあるが、ダイナミックさは申し分ないと言える。そして、「ドリブル」の威力をさらに加速させるのが身長190cm・体重82kgという恵まれた体躯を活かした「フィジカル」の強さ。簡単に当たり負けすることが少ないため、やや強引な「ドリブル」でも突破することが可能となっているのだ。

 一方で課題は緩慢になりがちな守備対応。簡単に足を出して突破を許してしまうシーンも少なくないなど、このあたりがウィークポイントとなっているのは明らかだ。サイドバックよりウイングバックに適性か。

12位:成長中のドイツ代表戦士

DF:ルーカス・クロスターマン(ドイツ代表/RBライプツィヒ)
生年月日:1996年6月3日(24歳)
市場価格:2800万ユーロ(約33.6億円)
今季リーグ戦成績:23試合出場/2得点1アシスト

 父親と母親が元陸上選手というアスリート一家で育った24歳のサイドバック。2016年のリオデジャネイロオリンピックではドイツ代表の銀メダル獲得に貢献し、昨年にはフル代表デビューも果たした実力屈指の選手である。クラブは2014年からRBライプツィヒ一筋。同クラブでは加入当初から主力として活躍しており、今季も不動の存在としてチームの史上初となるチャンピオンズリーグ(CL)・ベスト8進出などに大きく貢献している。

 先月にはクラブと2024年まで契約を延長したクロスターマン。そんな同選手は「守備力」が優れている選手である。身長187cm・体重88kgという恵まれた体躯を活かした「フィジカル」と「空中戦」の強さがあり、迫力満点なプレッシャーで相手を無力化することも可能。本職のサイドバックのみならずセンターバックでのプレーも高いレベルでこなすなど、最終ラインに落ち着きをもたらすことができる選手だ。

 さらに、数値「87」を記録するなど「スピード」も申し分なく、相手に簡単に振り切られることがないのもストロングポイント。スルーパスなどを通されても素早い反応で決定機を阻止し、アジリティも兼ね備えているため左右へ揺さぶられても問題なく対処することが可能。大柄ながら「スピード」も装備する24歳のクロスターマンは、非常に魅力的な存在であることは間違いないだろう。

 一方で、攻撃面でもアグレッシブな姿勢は目立つが、「ドリブル」や「パス」の質に関しては改善の余地ありといったところか。このあたりが今後に伸びてくれば、より強力な存在となるだろう。

11位:バルサのスピードスター

DF:ネウソン・セメド(ポルトガル代表/バルセロナ)
生年月日:1993年11月16日(26歳)
市場価格:3200万ユーロ(約38.4億円)
今季リーグ戦成績:21試合出場/0得点3アシスト

 ポルトガルの名門・ベンフィカで頭角を現し、2017年にバルセロナ移籍を勝ち取った26歳のDF。新天地1年目はリーグ戦24試合出場、2年目はリーグ戦26試合出場、そして今季はここまでリーグ戦21試合に出場中と、着実に成長を果たしている存在である。ただ、直近は移籍の噂が絶えず、バルセロナで絶対的な地位を得ているわけでもないため、評価の分かれる選手であることも確かだ。

 そんなネウソン・セメド最大の武器は「スピード」だ。バルセロナは基本的に最終ラインが高く、その分裏に広大なスペースができるのだが、セメドはそこへボールを通されても素早い反応と圧巻の加速力を活かして追いついてしまうことが可能。もちろん、攻撃時のオーバーラップの鋭さも抜群だ。この点に関しては同ポジションのライバルであるセルジ・ロベルトを上回っていると見てもおかしくなく、数値も「92」と高評価になった。

 また、身長177cm・体重67kgを誇るなどサイドバックの選手としては小柄ではなく、「フィジカル」でも簡単に負けることが少ない。まだ緩い部分もいくつか見られるとはいえ、守備の安定感も徐々に増してきている。さらに、ここ最近はオフ・ザ・ボールの動きも向上してきており、周囲との連係にも磨きがかかった。戦術への適応も進んできており、「バルセロナ型の選手」へ一歩ずつ着実に前進していると言える。

 一方で、攻撃参加時の仕事ぶりには改善の余地が。クロスの精度もそこまで高いとは言えず、決定的な「パス」も数は決して多くない。上がるだけ上がって終わってしまう、という課題が、スタメン定着を果たせぬ原因とも言えるのではないか。