5位:フランスに現れた超逸材

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。※成績は6月19日時点

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MF:エドゥアルド・カマビンガ(フランス/レンヌ)
生年月日:2002年11月10日(17歳)
市場価格:3750万ユーロ(約45億円)
今季リーグ戦成績:25試合出場/1得点2アシスト

 今季のリーグ戦を3位で終えるなど躍進を果たしたスタッド・レンヌ。そんな同クラブで今最も注目を集めているのが、このエドゥアルド・カマビンガだ。同選手は昨年、わずか16歳でリーグ・アンデビューを果たした正真正銘の怪物。フランス代表のこれからを担う存在になること間違いなしとも称されており、レアル・マドリーやマンチェスター・ユナイテッド、パリ・サンジェルマン(PSG)といったクラブが熱視線を注いでいる。

 そんなカマビンガは、まさに中盤の何でも屋と言えるだろう。「テクニック」と「フィジカル」に長けており、ボールキープ力が抜群で、攻撃の起点となることも少なくない。爆発的な「スピード」を持っているわけではないが、前方にスペースがあればダイナミックな「ドリブル」で果敢に侵入していくことも可能としている。また、利き足である左足から放たれるボールの質も極めて高いと言えるだろう。

 そして、守備面での貢献度も絶大なのが、カマビンガが評価される理由の一つ。身体の使い方が抜群に上手く、長い足を活かした絡みつくようなタックルでボールを確実に刈り取ることを可能としている。ボール奪取の上手さに関しては、すでにトップレベルにあると見ていいだろう。タイプ的にはエンゴロ・カンテやクロード・マケレレに近いと言え、よりカウンター志向の強いチームでこそ輝ける存在である。

 一方で得点力は高くなく、利き足ではない右足の精度も高めていく必要がありそうだ。だが、やはりポテンシャルは十分。近い将来に化ける可能性を大いに秘めていると言える。

4位:ブラジルの新星

FW:ロドリゴ・ゴエス(ブラジル代表/レアル・マドリー)
生年月日:2001年1月9日(19歳)
市場価格:4500万ユーロ(約54億円)
今季リーグ戦成績:13試合出場/2得点0アシスト

 ブラジルの名門サントスで頭角を現し、2018年にレアル・マドリー移籍(入団は2019年)を勝ち取った19歳の新星。入団1年目からトップチームでの出場機会を得た同選手は、昨年11月のチャンピオンズリーグ(CL)・ガラタサライ戦で驚異のハットトリックを達成するなど、スペインの地でもすぐにその才能の高さを示した。ジネディーヌ・ジダン監督からの信頼も確かであり、マドリーの次なるエース候補として大きな注目を浴びている。

 ロドリゴ・ゴエスは身長174cm・体重64kgと小柄な選手であるが、その体格によるハンデを感じさせない“派手さ”を持っている。「スピード」あふれる「ドリブル」は随所で相手の脅威となっており、前方にスペースがある場合はもちろん、狭いスペースにもスルスルと侵入していく「テクニック」の高さも兼備。サントス在籍時はネイマールのプレーを参考にしていたというが、まさにその先輩を想起させるものがあると言えるだろう。

 もちろん、ロドリゴの強みはこれだけに留まらない。19歳にして高い決定力を兼ね備えており、左右両足の精度もピカイチなため、ありとあらゆる場所からシュートを狙ってくることが可能。GKとの1対1でも常に冷静な姿は、もはやベテランそのものだ。また、「パス」も積極的に出す選手であり、味方を活かし、活かされるプレーも得意。エゴを出し過ぎないあたりも、大きく評価できるポイントだ。

「空中戦」と「フィジカル」はさすがに数値が落ちるが、やはり19歳にして特別な能力を持つ選手であることに疑いの余地はない。彼もまた恐るべき逸材である。

3位:アイドルはネイマール&ロナウジーニョ

FW:ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル代表/レアル・マドリー)
生年月日:2000年7月12日(19歳)
市場価格:4500万ユーロ(約54億円)
今季リーグ戦成績:21試合出場/2得点1アシスト

「今世紀最高の宝石」「NEWネイマール」と称されるなど、フラメンゴで世界にその名を轟かせたブラジル期待のアタッカー。2017年には4500万ユーロ(約58億円)という巨額の移籍金でレアル・マドリー加入(正式入団は2018年)を掴んだ大器である。今季はエデン・アザールの加入もあり出場機会こそ多く確保できていないものの、短い時間でも流れを変えられる貴重な存在として、奮闘している。ちなみに自身のアイドルはネイマールとロナウジーニョだ。

 ヴィニシウス・ジュニオールは数値「93」を記録した「スピード」が最大の武器。それを活かした「ドリブル」もまた脅威で、突破力に関しては同胞のロドリゴ・ゴエスを上回っており、アザールにも見劣りしないものがあると見ていいだろう。また、ブラジル人らしい細かなタッチを繰り返した突破も得意としているなど、「テクニック」も高評価。アジリティが備わっているため、縦にも中にも勝負できる選手だ。

 一方で得点力には課題が。積極的にシュートを放つシーンは多く見受けられるものの、枠に飛ぶのはほんの数回。「ドリブル」は間違いなく脅威だが、ここの精度がさらに高まれば、より怖い存在になることができるのは明らかだ。また、ややボールを持ちすぎてしまうことも多く、味方との連係面にも改善の余地が。仕掛けるべき場面とそうでない場面を冷静に判断し、常に的確なプレーを選択したいところだ。

 と、まだまだ改善が必要な部分の多いV・ジュニオールであるが、やはり「スピード」や「ドリブル」、「テクニック」に関してはこの世代の中でも飛び抜けたものがある。堂々のトップ3入りと言ってもいいのではないか。

2位:カナダが生んだスピードスター

MF:アルフォンソ・デイビス(カナダ代表/バイエルン・ミュンヘン)
生年月日:2000年11月2日(19歳)
市場価格:4500万ユーロ(約54億円)
今季リーグ戦成績:28試合出場/3得点4アシスト

 カナダが誇る新星は、2019年1月にバイエルン・ミュンヘンへ移籍。本職をウイングとしていた19歳は当初は出番がなかったものの、今季は最終ラインに怪我人が相次いだことで左サイドバックにコンバートされると、秘めたる才能が完全に開花。攻守両面で絶大な存在感を発揮し、現在では左サイドのファーストチョイスとなっている。チームのリーグ8連覇に大きく貢献したと言え、評価もぐんぐん伸びている。

 そんなアルフォンソ・デイビス最大の武器は爆発的な「スピード」だ。ボールを持った状態でも勢いが全く落ちず、次々と相手を置き去りにすることが可能。オーバーラップの迫力も申し分なく、攻撃に厚みをもたらす意味ではピカイチな存在だ。また、もともとウインガーだったデイビスは「ドリブル」の威力も抜群。敵陣を切り裂くシーンも決して少なくないのが特徴だ。

 また、当然ながら左サイドバックへコンバートされたことで「守備力」も向上。まだまだポジショニングの質などは改善していく必要があるとはいえ、「スピード」と豊富な運動量を活かした背後のケアなどはさすが。タックルを果敢に行うなど、粘り強さのあるディフェンスも目を見張るものがあると言えるだろう。あとは「フィジカル」などをより高めていきたいところだ。

 課題を挙げるとすれば、「パス」の精度だろうか。まだまだ雑な場面、ミスなどが多く、攻撃の勢いを止めてしまうことがしばしば。まだ19歳と若いが、このあたりのスキルは早めに身に付けておきたいところである。

1位:ノルウェーの怪物

FW:アーリング・ハーランド(ノルウェー代表/ボルシア・ドルトムント)
生年月日:2000年7月21日(19歳)
市場価格:7200万ユーロ(約86.4億円)
今季リーグ戦成績:14試合出場/16得点6アシスト(ザルツブルク)
今季リーグ戦成績:13試合出場/11得点3アシスト(ボルシア・ドルトムント)

 若手選手能力値ランキングの1位に輝いたのは、ノルウェー代表の大器アーリング・ブラウト・ハーランドだ。ザルツブルクで爆発的な活躍を見せた同選手は、今冬ボルシア・ドルトムントに移籍。ドイツの地でもゴールを量産するなどその「怪物ぶり」を発揮している19歳は、今やドルトムントでもエースの座に君臨していると言ってもいいだろう。現在最も勢いに乗る若手ストライカーであることは、誰の目にも明らかだ。

 ハーランドは身長194cm・体重87kgという魅力的な体格を誇っている選手であり、その強靭な「フィジカル」を活かしてゴールを量産できる。ボックス内での強さは抜群で、相手に寄せられても簡単にボールを失うことがない。また、ポジショニングの良さに19歳とは思えない落ち着きぶりと「メンタル」の強さも、この男がストライカーとしての存在感を発揮できる理由と言えるだろう。

 それに加え「スピード」もあるのが、この男の恐ろしいところである。相手の背後を突く速さと上手さ共に抜群で、一度突破を許したらなかなか止めるのが難しい。また、利き足は左足であるが、右足のシュート精度が高いのもハーランドの自慢と言えるのではないか。ポストプレーの質などはまだまだ向上させていく必要があるとは言え、19歳にしてこのスキルはもはや恐るべきとしか言いようがない。

 強さ、速さ、高さ、巧さが揃う19歳は、まさに新世代を代表するFWの一人。この男をトップに選出しない理由は見当たらないのではないだろうか。