5位:世界最高峰のサイドバック

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。※成績は6月19日時点

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DF:ダニエウ・アウベス(ブラジル代表/サンパウロ)
生年月日:1983年5月6日(37歳)
市場価格:160万ユーロ(約1.9億円)
昨季リーグ戦成績:23試合出場/1得点7アシスト(パリ・サンジェルマン)
昨季リーグ戦成績:20試合出場/2得点3アシスト(サンパウロ)

 ブラジル代表として118試合の出場を誇る世界最高峰の右サイドバック。8年間を過ごしたバルセロナではリオネル・メッシらと共にクラブの黄金期を築き上げ、その後移籍したユベントスやパリ・サンジェルマン(PSG)でも多くのタイトルをその手に収めてきた選手だ。昨年にはサンパウロへ加入。母国クラブでは背番号10を身に付け、トップ下としてプレーするなど、37歳になってもなお成長を続けている。

 ダニエウ・アウベスは攻撃的なSBとして名を馳せてきた選手だ。DFながらブラジル人らしい「テクニック」を持ち合わせており、敵陣を切り裂く「ドリブル」の鋭さも申し分ない。さらには、味方の得点を演出するクロスの質も十分と、非常に穴の少ない存在であると言える。「スピード」は全盛期に比べれば落ちたもしれないが、それでも数値は「74」。身体能力の高さも今なお錆びついていない。

 また、D・アウベスの忘れてはならない能力の一つとして「IQ」の高さが挙げられるだろう。この男はとにかく戦術眼に優れており、状況に応じて常に的確なプレーを選択することを可能としている。コンビネーションプレーも巧みで、SBながら攻撃をオーガナイズできるのも同選手の強み。このように組み立ての主軸にもなれるD・アウベスは、SBとして非常に異質な存在であると言えるのではないか。

 昨年行われたコパ・アメリカ2019ではブラジル代表の優勝に貢献し、大会MVPに選出されるなど改めてその力を世に示したD・アウベス。今年で37歳となった同選手だが、まだまだ逞しい姿を我々に見せてくれるだろう。

4位:スウェーデンの王様

FW:ズラタン・イブラヒモビッチ(元スウェーデン代表/ミラン)
生年月日:1981年10月3日(38歳)
市場価格:280万ユーロ(約3.4億円)
今季リーグ戦成績:8試合出場/3得点1アシスト

 スウェーデンが生んだ世界最高のストライカー。母国のマルメでプロデビュー後、アヤックスやバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッドなど数々のビッグクラブで頂点に立ってきた存在である。そんなスウェーデンの「王様」は今冬よりミランへ復帰。近年低迷が続くクラブにおいてさっそくレギュラーの座を掴んだ男は、最前線で絶大なる存在感を発揮しており、ここまでリーグ戦8試合で3得点1アシストを記録と奮闘している。

 ズラタン・イブラヒモビッチはご存知の通り身長195cm・体重95kgと大柄な選手だ。その恵まれた体格を活かした「フィジカル」の強さはまさに圧巻であり、ボックス内などで次々と相手を無力化することを可能としている。シュートはゴールネットを突き破るかのような勢いで放たれ、「空中戦」の強さも当然ながらピカイチ。テコンドー経験者ということで股関節が柔らかく、アクロバティックなゴールを生み出すことも少なくない。

 さらに「テクニック」にも優れており、強靭な「フィジカル」と融合させたボールキープ力の上手さは世界トップレベル。今冬に加入したミランでも幾度となくボールを収め、攻撃の勢いを加速させている。そして、あまりイメージはないかもしれないが、意外性のある「パス」を繰り出すことができるのも同選手の強みで、視野の広さに関してもワールドクラス。まさに、欠点の少ない完璧なストライカーであると言えるだろう。

「スピード」はさすがに落ちたが、立っているだけで相手の脅威となるこの男の存在感は別格である。そして何より、ワンチャンスを確実にモノにする彼の「メンタル」の強さは、やはり異次元だ。

3位:ブラジル代表の守備リーダー

DF:チアゴ・シウバ(ブラジル代表/パリ・サンジェルマン)
生年月日:1984年9月22日(35歳)
市場価格:480万ユーロ(約5.8億円)
今季リーグ戦成績:21試合出場/0得点0アシスト

 ワールドカップ3大会出場を誇るブラジル屈指の守備職人。セリエA最優秀DFに贈られる「アルマンド・ピッキ賞」の第1回受賞者となるなど、ミランでその名を世界に広めた存在だ。そんな同選手は2012年にパリ・サンジェルマン(PSG)へ移籍。同クラブでは加入直後から最終ラインの要として活躍しており、これまでにも多くのタイトル獲得に貢献。現在は主将も務めるなど、ピッチ内外でチームを牽引している。

 チアゴ・シウバは身長183cm・体重79kgと、他の並み居るセンターバックと比べると小柄な部類に入る。しかし、そうした体格によるハンデを感じさせない身体能力の高さを武器としている選手であり、「フィジカル」や「空中戦」で相手に大きく劣ることがない。最後までボールホルダーに絡みつく粘り強い守備も持ち味と、アグレッシブな姿勢が光る選手である。

 もちろん、クレバーさも兼備。とくに危機察知能力が抜群に優れており、パスコースを消したりシュートコースに入ってブロックしたりと、危険な場面に常に顔を出すことができる選手だ。先述した通りアグレッシブさはあるものの、下手に飛び込み過ぎないのもチアゴ・シウバの特徴。状況に応じてチャレンジとカバーを的確に行うなど、軽率なプレーを見せないのが、彼が「世界最高峰のCB」と称される理由と言える。

 ここ最近は負傷離脱を繰り返すことが多いなど、肉体面に不安が出てきているのは紛れもない事実。しかし、ピッチに立った際のパフォーマンスレベルは35歳となった現在でも高く、若手選手のお手本となり続けている。欧州王者を目指すPSGだが、経験豊富なこの男の存在はまだまだ必要不可欠となるだろう。

2位:ペップ・シティの重要なピース

DF:フェルナンジーニョ(ブラジル代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1985年5月4日(35歳)
市場価格:800万ユーロ(約9.6億円)
今季リーグ戦成績:25試合出場/0得点1アシスト

 今年で35歳となったブラジル代表のベテランMF。在籍7年目を迎えたマンチェスター・シティでジョゼップ・グアルディオラ監督から確かな信頼を寄せられている選手だ。本職を中盤とするベテランだが、今季はチームの最終ラインに怪我人が相次いだことでセンターバック起用が増加。不慣れなポジションながらしっかりとタスクをこなすなど、見事な奮闘ぶりを発揮してチームをサポートしている。

 フェルナンジーニョは非常に「守備力」の高い選手だ。とくにカバーリングの上手さは抜群で、常に目を動かして危険なスペースを確実に消すことができる。さらに、読みの鋭さもあり、相手より先に動いてボールを素早く奪取することも可能としている。身長は179cmと特別大柄なタイプではないものの、身体の使い方が上手く簡単に「フィジカル」で劣ることがない。非常にクレバーな選手であると言えそうだ。

 また、「パス」の安定感も抜群で、ビルドアップでも大きく貢献できるのがフェルナンジーニョの強み。アンカーで起用された際には、最終ラインと前線を繋ぐリンクマンとしても非常に効果的なプレーを発揮する。ボールポゼッションを基本とするシティのスタイルにマッチする選手と言えるだろう。経験値も豊富で、グアルディオラ監督が確かな信頼を寄せるのも納得がいく。

「スピード」は凡庸で「空中戦」に弱いなどの欠点はあるものの、「IQ」の高さやピッチ内における貢献度は年齢を重ねるとともに着実に増していると言える。まだまだ活躍が求められる選手である。

1位:トップは文句なしで…

FW:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表/ユベントス)
生年月日:1985年2月5日(35歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
今季リーグ戦成績:23試合出場/22得点3アシスト

 ベテランサッカー選手能力値ランキングの1位に輝いたのは、ポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドだ。マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリーで「世界最高」を証明し続けてきた男は、昨季より所属するユベントスでもその力を誇示。セリエA 1年目でいきなり21得点を叩き出すと、今季もすでにリーグ戦20ゴール越えを達成。とても35歳とは思えないそのモンスターぶりを、遺憾なく発揮している。

 サッカー好きでC・ロナウドの存在を知らぬ者はいないと思うが、やはりこの男のオフェンスセンスは異次元だ。とにかくどんな場所、どんな体勢でもゴールを奪える力があり、特に大舞台で果たす仕事ぶりはまさに圧巻。鍛え上げられた肉体はありとあらゆるDFを無力化し、人間離れした跳躍力を活かした「空中戦」の強さは世界でも1位、2位を争うほどの域に。勢いに乗るともはや手が付けられないような存在だ。

 また、全盛期に比べるとやや落ちた印象はあるものの、「スピード」も35歳とは思えぬものがある。20代の頃のような派手なフェイントを使うことが少なくなったとはいえ、シュートモーションに持ち込むまでの早さがあるなど「テクニック」、強靭な「フィジカル」と「スピード」を融合させた「ドリブル」も脅威と、攻撃的な選手としての欠点はまるで見つからない。やはり異次元のレベルにある選手だ。

 今回は35歳以上の選手を対象としたランキングであるが、やはりC・ロナウドの能力における平均値は一人だけ飛び抜けている。この男の1位に異論の余地はないと言えるだろう。