ちょうど24年前の1996年6月30日、ドイツ代表がEURO96を制して欧州王者に輝いた。その立役者となったのは、交代出場からの2得点で“シンデレラボーイ”となったFWオリバー・ビアホフだった。

 現在と比べて国外へ出てプレーする主要選手が少なかったドイツ代表において、ビアホフは異色の存在だった。若手時代にはブンデスリーガでプレーしたが目立った活躍を残せず、オーストリアを経てイタリアへと移った。

 そのイタリアでもセリエB(2部)でのプレーが長かったが、1995年にアルベルト・ザッケローニ監督の就任したウディネーゼに加入したことで大きな転機を迎える。ザッケローニ監督の3-4-3システムのCFとしての活躍が、ドイツ代表デビューとEURO本大会のメンバー入りに繋がった。

 キャプテンのユルゲン・クリンスマンや、フレディ・ボビッチ、シュテファン・クンツらを擁したドイツFW陣の中で、ビアホフの先発出場はグループリーグの1試合のみ。この大会で大躍進したチェコ代表との決勝でもベンチスタートだった。

 だが後半に入ってチェコに先制点を奪われたあと交代で投入されたビアホフは、その4分後に同点ゴールを記録。さらに延長戦でも、当時採用されていた「ゴールデンゴール」方式による決勝点を挙げ、ドイツ代表に東西統一後初となるタイトルをもたらした。