5位:ドイツで覚醒した男

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。※成績は7月20日時点

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DF:アシュラフ・ハキミ(モロッコ代表/ボルシア・ドルトムント)
生年月日:1998年11月4日(21歳)
市場価格:5400万ユーロ(約64.8億円)
今季リーグ戦成績:33試合出場/5得点10アシスト

 レアル・マドリードの下部組織出身である若きモロッコ代表戦士は、2018年夏にレンタルという形でボルシア・ドルトムントに加入。新天地1年目ながらその才能を示したDFは瞬く間にチームにとって不可欠な存在となり、今季もリーグ戦33試合で5得点10アシストの結果を残すなど、ドイツの地で覚醒を遂げた。そんな21歳の若武者は来季よりインテルでプレーすることが確定。今度はイタリアの地でどのようなパフォーマンスを披露するのか。

 アシュラフ・ハキミの走力はドルトムントにとって欠かせないものとなっていた。攻撃参加時は相手を次々と置き去りにして決定的な仕事を果たし、守備時はその速さを活かしたプレスバックを武器に懸命にプレー。また、そこに力強さも加わるため、ダイナミックさに関しても世界トップクラスのものがあると見ていいだろう。本当に恐るべき21歳である。

「守備力」に関してはまだまだ向上していく必要がありそうだが、「スピード」と「フィジカル」、確かな攻撃センスを持ち合わせるハキミはサイドプレーヤーとして非常に優秀な存在と言えるだろう。以前までブンデスリーガトップとなる36.4km/hのスピードを記録していたハキミがトップ5入りを逃す理由は見当たらない。

4位:フランス期待のアタッカー

MF:ムサ・ディアビ(フランス/レバークーゼン)
生年月日:1999年7月7日(21歳)
市場価格:3200万ユーロ(約38.4億円)
今季リーグ戦成績:28試合出場/5得点5アシスト

 パリ・サンジェルマン(PSG)の下部組織出身である若きアタッカー。今季よりレバークーゼンに所属する21歳は、ドイツの地で評価をぐんぐん伸ばしているなど、今ノリに乗っている選手の一人と見ていいだろう。現在の市場価格は3200万ユーロ(約38.4億円)。近い将来のビッグクラブ入りはほぼ間違いないと言えるのではないか。

 ムサ・ディアビは身長170cmと小柄な選手だが、その圧倒的な「スピード」を活かして敵陣をズタズタに切り裂くことを可能としている。アジリティを兼ね備えており、緩急の使い方も非常に巧みなため、派手なフェイントを使わずとも対峙する選手を無力化する。このあたりは、同胞のキングスレー・コマンを彷彿とするものがあると言えるだろう。

 また、左右両足の精度が高いため、状況に応じて縦にも中にも突破していくことができのもディアビの特徴。相手DFに動きを読まれにくいという利点がある。そして、突破してから繰り出されるクロスの質も高いのがストロングポイントだ。得点力に関してはまだまだ向上していく必要がありそうだが、この点は今後の成長に期待したい。

3位:マンUの新たな武器

FW:ダニエル・ジェームズ(ウェールズ代表/マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1997年11月10日(22歳)
市場価格:2250万ユーロ(約27億円)
今季リーグ戦成績:33試合出場/3得点6アシスト

 今季、2部のスウォンジーからマンチェスター・ユナイテッドへとステップアップを果たした若きアタッカー。プレミアリーグ開幕4試合で3得点を奪うなど、赤い悪魔の新たな兵器として大きな注目を浴びた存在だ。しかし、ここ最近はメイソン・グリーンウッドの台頭もあってベンチスタートとなることも少なくない。まだ若いとはいえ、正念場を迎えていると言えるだろう。

 ダニエル・ジェームズはとにかく相手の背後を突く速さが尋常ではない。どんなに難しいボールでも爆発的なスプリント力を活かして収めることが可能で、そこから果敢に仕掛けて力強いシュートを放つことが可能。ややボールを持ちすぎてしまう印象は否めないものの、まだ22歳ながら積極性に溢れているのは大きな魅力と言えるのではないだろうか。

 ただ、D・ジェームズは「フィジカル」もまだまだ十分なレベルとは言えず、得点力に関してもグリーンウッドらには大きく劣る。同胞のガレス・ベイルを彷彿とさせるような「スピード」は確かにワールドクラスで非常に魅力的ではあるものの、より怖い存在となるためにはもう少し繊細さを磨きたいところだ。

2位:言わずと知れたストライカー

FW:キリアン・ムバッペ(フランス代表/パリ・サンジェルマン)
生年月日:1998年12月20日(21歳)
市場価格:1億8000万ユーロ(約216億円)
今季リーグ戦成績:20試合出場/18得点7アシスト

 言わずと知れた世界トップクラスのストライカー。19歳で挑んだロシアワールドカップではフランス代表の優勝に大きく貢献しており、自身も同大会の最優秀若手選手に選出されるなど、文字通り「世界最高」を証明した一人だ。その能力は誰もが認めるところで、近い将来のバロンドール獲得も確実と言われている。未来のサッカー界をトップとして牽引していく存在になるだろう。

 キリアン・ムバッペの「スピード」は常人離れしている。単純な競争ではほぼ負け知らずで、ボールを持った状態でも落ちるどころかどんどん加速していくのがなんとも恐ろしいところ。ロシアワールドカップ・ベスト16のアルゼンチン代表戦で魅せたように、速さと技術力を活かして単独でゴール前まで持ち込んでしまうことも少なくない。まさに唯一無二の存在である。

 それに加え狭いコースを抜けていく「ドリブル」の鋭さがあり、GKとの1対1を冷静に制する得点力も極めて高い。「スピード」に頼った典型的なアタッカーではなく、ストライカーとしてのスキルもワールドクラスのレベルにあるのは、ムバッペが怪物たる所以と言えるだろう。まだ21歳と若いフランス代表FWだが、今後も成長を果たすと考えるとただただ恐ろしい。

1位:その姿はまるでラガーマン

FW:アダマ・トラオレ(スペイン/ウォルバーハンプトン)
生年月日:1996年1月25日(24歳)
市場価格:2550万ユーロ(約30.6億円)
今季リーグ戦成績:35試合出場/4得点9アシスト

 スピードランキングの1位に輝いたのはウォルバーハンプトン所属のアダマ・トラオレである。バルセロナの下部組織出身である同選手は、当初プロとしてなかなか芽が出なかったものの、2016年より加入したミドルスブラでレギュラーの座を掴むと、その後ウォルバーハンプトンへステップアップ。現在は同チームにおいて欠かせないピースとなっており、リバプールなど複数クラブに興味を示されるほどの選手となった。

 アダマ・トラオレは爆発的な「スピード」と分厚い筋肉を武器にサイドで“無双”できる選手。その姿はまるでラガーマンそのものだ。弾丸のような鋭い「ドリブル」は相手にとって常に脅威となっており、その強靭な「フィジカル」を活かして大柄な選手を弾き飛ばすことも少なくない。ボールを持てば迷わず縦、という積極的なプレーも、その怖さを引き立てている要素の一つと言えるだろう。

 また、パンチ力のあるシュートも魅力的で、今季リーグ戦ここまで9アシストという成績が示す通り、クロスの質などもそこまで悪くない。とくに高速で低いクロスはDFの対応を難しくしている。得点力に関してはまだ際立ったものはないが、サイドを一瞬で切り裂くその迫力と「スピード」は間違いなく世界トップレベルにあると見ていいだろう。