GK

 圧倒的な強さを示したリバプールの優勝で幕を閉じた2019/20シーズンのプレミアリーグ。今季も最後まで熱い戦いが繰り広げられたが、その中で思ったような活躍を見せることができず、期待を裏切ってしまったのは誰なのか。今回はフットボールチャンネル編集部が選んだ2019/20シーズンのプレミアリーグワーストイレブンを紹介する。(市場価格は『transfermarkt』を参照)

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ケパ・アリサバラガ(スペイン代表/チェルシー)
生年月日:1994年10月3日(25歳)
市場価格:3200万ユーロ(約38億4000万円)
今季リーグ戦成績:33試合出場/47失点

 ケパ・アリサバラガは、2018年夏にティボー・クルトワの後釜としてチェルシーに加入。その時の移籍金は8000万ユーロ(約96億円)で、これはGK史上最高額となった。その後、スペイン代表守護神はレギュラーとして奮闘。プレミアリーグ参戦1年目で36試合に出場し39失点という成績を収め、ヨーロッパリーグ(EL)優勝にも貢献していた。

 しかし、今季は開幕から失点が重なるなどフランク・ランパード監督からの信頼はどんどん薄れていき、シーズン途中、そして重要な最終節ではウィリー・カバジェロに正守護神の座を奪われていた。最終的にチームが喫した失点数は54、ケパのセーブ率はプレミアリーグで20試合以上に出場したGKの中で最低の数字となる54.5%だった。もちろん、すべての責任がケパにあるわけではないが、やはり物足りない成績と言えるだろう。ケパの不調はチームの悩みの種となってしまった。

DF

ソクラティス・パパスタソプーロス(ギリシャ代表/アーセナル)
生年月日:1988年6月9日(32歳)
市場価格:1450万ユーロ(約17億4000万円)
今季リーグ戦成績:19試合出場/2得点0アシスト

 ボルシア・ドルトムントでレギュラーとして活躍していたギリシャ代表DFは、昨季にアーセナルへ加入。ベルント・レノと同じく、守備の立て直しを期待されての補強だった。そして、プレミアリーグ参戦1年目は怪我の影響もあったものの、CBのファーストチョイスとして25試合に出場。チームをヨーロッパリーグ(EL)出場へと導いていた。

 今季も守備陣の中心として開幕からフル出場を継続。スタートは悪くなかった。しかし、ミケル・アルテタ監督就任後は出場機会が大幅に減少。リーグ再開後に関してはピッチに立つことが一度もなかった。選手本人はシーズン途中に「自分が幸せでないと感じれば、出ていくつもり」と発言。アーセナルで迎えた2年目は非常に苦いものとなった。

ヤン・フェルトンゲン(ベルギー代表/トッテナム)
生年月日:1987年4月24日(33歳)
市場価格:1450万ユーロ(約17億4000万円)
今季リーグ戦成績:23試合出場/1得点1アシスト

 ベルギー代表のベテランDFは昨季、チームをチャンピオンズリーグ(CL)決勝に導くなど、守備の中心的存在として大きく奮闘していた。しかし、今季は開幕戦でベンチ外となるなどスタートダッシュに失敗。その後も怪我などがあってコンスタントに出場機会を得ることができず、やや不完全燃焼に終わってしまった。

 今季のプレミアリーグでフル出場を果たせたのはわずかに16試合。近年は負傷離脱の多さも目立ってきているなど肉体面の衰えを隠しきれていない印象も強く、ジョゼ・モウリーニョ監督からの信頼をガッチリ掴むには至らなかった。そんな同選手は先日、8年間を過ごしたトッテナムを退団することを発表。イングランドで彼のプレーを見るのは今季が最後となるかもしれない。

ジョアン・カンセロ(ポルトガル代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1994年5月27日(26歳)
市場価格:3600万ユーロ(約43億2000万円)
今季リーグ戦成績:17試合出場/0得点0アシスト

 ダニーロ+2800万ユーロ(約33億円)のトレードという形でユベントスからマンチェスター・シティに加わったポルトガル代表DF。プレミアリーグ参戦1年目はますます存在感を増すカイル・ウォーカーを脅かす選手になるのでは? と期待されたが、結果は残念なものに。レギュラーの座を掴むことはおろか、ウォーカーの地位を揺るがすことすらもできなかった。

 ジョアン・カンセロはリーグ戦わずか17試合出場でシーズンフィニッシュ。そのうちフル出場を果たせたのはわずか11試合のみとなった。超攻撃的な姿勢は目立ったものの、やはりフィジカル面や守備面での強度はまだまだプレミアリーグのレベルに到達していなかったと言える。このパフォーマンスの影響なのか、わずか1年でのシティ退団も噂されている。

バンジャマン・メンディ(フランス代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1994年7月17日(26歳)
市場価格:2800万ユーロ(約33億6000万円)
今季リーグ戦成績:19試合出場/0得点2アシスト

 モナコで頭角を現したバンジャマン・メンディだが、マンチェスター・シティ加入後は苦戦続き。1年目は怪我の影響でリーグ戦はわずか7試合の出場。2年目も同じく怪我の影響でリーグ戦10試合の出場に留まっている。そして、勝負のシティ3年目となった2019/20シーズンも、メンディのパフォーマンスレベルはほとんど上がりきらなかった。

 負傷のため開幕5試合を欠場すると、その後もスタメンとベンチを繰り返すなどコンスタントに出場機会を得られず。ピッチ内での貢献度もあまり高いとは言えず、今季は失点に直結するミスを2度も犯してしまった。怪我による離脱期間はシティ加入以降最も短かったが、このままのパフォーマンスレベルでは同クラブでの未来はないだろう。

MF

ポール・ポグバ(フランス代表/マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1993年3月15日(27歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
今季リーグ戦成績:16試合出場/1得点4アシスト

 現在のマンチェスター・ユナイテッドにおける最大のスター選手であるポール・ポグバは、第1節のチェルシー戦で2アシストと大活躍。しかし、その後は怪我の影響で長期離脱を強いられるなど、前半戦をほぼ棒に振る結果に。また、離脱期間中には兄弟の結婚式に参加してダンスを踊る姿も見られるなど、大きな批判の的となった。

 チームはブルーノ・フェルナンデスの加入もあって後半戦で勝ち点を次々と奪取。そんな中で復帰を果たしたポグバもリーグ再開後はパフォーマンスレベルを上げていた。しかし、最終的にはわずか16試合の出場に留まっているなど、シーズン全体を見れば期待を裏切ってしまったのは明らか。ワーストイレブンに選ばざるを得ない。

タンギ・エンドンベレ(フランス代表/トッテナム)
生年月日:1996年12月28日(23歳)
市場価格:5200万ユーロ(約62億4000万円)
今季リーグ戦成績:21試合出場/2得点2アシスト

 リヨンでその名を世界に轟かせ、大きな注目を浴びたタンギ・エンドンベレは今季にトッテナムへ加入。移籍金総額7000万ユーロ(約85億円)はクラブ史上最高額であり、当然ながら期待値も高かった。そのエンドンベレは、リーグ開幕2試合で1得点1アシストをマーク。サポーターの期待に応えるかのようなスタートダッシュを切った。

 しかし、その後は一気に失速。守備面での貢献度がそこまで高いとは言えず、とくにジョゼ・モウリーニョ監督就任以降は出場機会が減少してしまった。最終的な成績は21試合で2得点2アシスト。やはり全然物足りない数字と言わざるを得ない。すでに移籍の噂も出ているなど、補強は失敗に終わった。

メスト・エジル(元ドイツ代表/アーセナル)
生年月日:1988年10月15日(31歳)
市場価格:1750万ユーロ(約21億円)
今季リーグ戦成績:18試合出場/1得点2アシスト

 アーセナルで背番号10を身に着ける男のパフォーマンスレベルは、今季も上がらなかった。コンディションの問題を理由に開幕3試合でベンチ外となっており、ようやくチャンスを掴んだのは第5節のワトフォード戦。しかし、その後は4試合連続ベンチ外を味わうなど、大きな戦力にはなりきれず。不安定な時期を過ごしていた。

 11月〜12月やミケル・アルテタ監督就任直後などはコンスタントに出場のチャンスを得たものの、リーグ再開後は背中に問題を抱えたため、再びピッチに立つことができず。結局、第28節から最終節まで一度も出場することなく、1得点2アシストという成績で今シーズンを終えた。クラブで最も高給取りな男は、いよいよ限界なのかもしれない。

FW

二コラ・ペペ(コートジボワール代表/アーセナル)
生年月日:1995年5月29日(25歳)
市場価格:5200万ユーロ(約62億4000万円)
今季リーグ戦成績:31試合出場/5得点6アシスト

 昨季、リールでリーグ戦22得点11アシストとセンセーショナルな活躍を見せたアタッカーは、数多くのビッグクラブに興味を示されながらもアーセナルに加入。8000万ユーロ(約94億円)という移籍金はクラブ史上最高額となっており、アレクサンドル・ラカゼットやピエール=エメリク・オーバメヤンらとどのような破壊力を示すのかには大きな注目が集まった。

 ところが、二コラ・ペペは出場機会こそあったものの、ほとんど結果を残せず苦戦。ノーインパクトなまま終わった試合も少なくなかった。最終的にペペはプレミアリーグ参戦1年目ながら31試合に出場したものの、ゴールネットを揺らせたのはわずかに5回。監督交代などもありフィットするのが難しかった点は否めないが、高額な移籍金に見合わぬ結果であることも事実だ。

モイーズ・キーン(イタリア代表/エバートン)
生年月日:2000年2月28日(20歳)
市場価格:2500万ユーロ(約30億円)
今季リーグ戦成績:29試合出場/2得点2アシスト

 イタリア代表の未来を担うであろうストライカーは、昨季セリエAわずか13試合の出場ながら6得点をマーク。評価を着実に伸ばしていた。そんな中、同選手はさらなる出場機会を求めてユベントスからエバートンへ加入。驚異の身体能力を誇る逸材FWが、プレミアリーグという舞台でどのような活躍を見せるのかは、大きな注目ポイントであった。

 しかし、この移籍は「失敗」。モイーズ・キーンはチームにまったくフィットできず、第17節のマンチェスター・ユナイテッド戦では途中出場で途中交代を命じられる屈辱も味わっている。結局、同選手は今季わずか2得点しか挙げることができず、合計出場時間もたったの834分となった。また、ロックダウン中には自宅でパーティーを開催し、クラブから激怒されるなど、散々なシーズンであった。

ジョエリントン(ブラジル/ニューカッスル)
生年月日:1996年8月14日(23歳)
市場価格:2000万ユーロ(約24億円)
今季リーグ戦成績:38試合出場/2得点2アシスト

 ホッフェンハイムからクラブ史上最高額となる4000万ポンド(約53億円)でニューカッスルに加わったブラジル人ストライカーも、サポーターの期待を裏切った。第3節のトッテナム戦でプレミア初得点をマークしたものの、それ以降はまったくゴールが奪えず。リーグ再開初戦でようやく2得点目を挙げたが、それ以降は再び沈黙し、得点力不足を露呈したままシーズンを終えた。

 ジョエリントンはプレミアリーグ初参戦ながら全試合に出場したものの、合計シュート数はわずか38本。単純計算でいくと1試合に1本のみという結果だ。サロモン・ロンドンの抜けた穴を埋めるには至らなかった。ニューカッスルは今季、最多得点者がMFのジョンジョ・シェルビー(6得点)と深刻なゴール不足に悩んだが、ジョエリントンはその一因になってしまったと言わざるを得ない。

フォーメーション

GK
ケパ・アリサバラガ(チェルシー)

DF
ソクラティス・パパスタソプーロス(アーセナル)
ヤン・フェルトンゲン(トッテナム)
ジョアン・カンセロ(マンチェスター・シティ)
バンジャマン・メンディ(マンチェスター・シティ)

MF
ポール・ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)
タンギ・エンドンベレ(トッテナム)
メスト・エジル(アーセナル)

FW
二コラ・ペペ(アーセナル)
モイーズ・キーン(エバートン)
ジョエリントン(ニューカッスル)