GK

 3季ぶりとなるレアル・マドリードの優勝で幕を閉じた2019/20シーズンのラ・リーガ。今季も最後まで熱い戦いが繰り広げられたが、その中でどのような選手たちの輝きが目立っていたのか。今回はフットボールチャンネル編集部が選んだ2019/20シーズンのラ・リーガベストイレブンを紹介する。(市場価格は『transfermarkt』を参照)

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ティボー・クルトワ(ベルギー代表/レアル・マドリード)
生年月日:1992年5月11日(28歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
今季リーグ戦成績:34試合出場/20失点

 レアル・マドリード加入1年目であった昨季は可もなく不可もなくといったパフォーマンスだったが、今季は「世界屈指」の実力を世に改めて証明。長い手足を活かしたセービングで幾度となくピンチを防ぎ、チームのラ・リーガ制覇&最少失点達成に大きく貢献している。

 今シーズンのセーブ数は74回となっており、クリーンシート数18回はリーグトップの成績。さらにデータサイト『FBref.com』によるとセーブ率は78.9%という数字が出ており、これも同リーグ最高の成績となっている。そのパフォーマンスが認められ、ベルギー代表GKはヤン・オブラクらを抑えサモラ賞を受賞。選手本人にとっても満足いくシーズンとなったのではないか。

DF

セルヒオ・ラモス(スペイン代表/レアル・マドリード)
生年月日:1986年3月30日(34歳)
市場価格:1450万ユーロ(約17億4000万円)
今季リーグ戦成績:35試合出場/11得点1アシスト

 レアル・マドリードがラ・リーガ制覇を果たせた理由の一つに、強固な守備が挙げられる。そんな同チームの最終ラインを束ねたのが、このセルヒオ・ラモスだ。マドリーの象徴的選手は強烈なキャプテンシーと百戦錬磨の経験値を駆使して数々のストライカーを無力化。CBとしての確かな能力を示した。

 さらに、S・ラモスは守備面だけでなく攻撃面でも存在感を発揮。とくにPKの安定感は抜群で、今季はDFながら11得点を叩き出す圧巻のパフォーマンスを見せた。リーガ通算72得点はロナルド・クーマン氏の67得点を大きく上回るDF史上最高の成績。今季のリーグ内MVPと言っても不思議ではないだろう。

ジエゴ・カルロス(ブラジル/セビージャ)
生年月日:1993年3月15日(27歳)
市場価格:5000万ユーロ(約60億円)
今季リーグ戦成績:35試合出場/2得点0アシスト

 昨年夏、ナントからやって来たブラジル人センターバックは瞬く間にセビージャの壁となった。身長186cm・体重79kgの体躯を活かした対人戦の強さは抜群で、現代のCBには欠かせない足元の安定感も余すことなく発揮。ラ・リーガ1年目ながら見事な適応力を発揮し、チャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得の立役者となった。

 今季35試合に出場したジエゴ・カルロスは、リーグトップとなる174回のクリア数を記録。最終ラインでコンビを組んだジュル・クンデとともにセビージャの堅守を最後まで支え続けた。今思えば、移籍金1500万ユーロ(約18億円)もかなりのバーゲン価格だったと言えるだろう。リバプールやバルセロナといったクラブからも注目されるなど、まさに飛躍のシーズンとなった。

ヘスス・ナバス(スペイン代表/セビージャ)
生年月日:1985年11月21日(34歳)
市場価格:320万ユーロ(約3億8400万円)
今季リーグ戦成績:38試合出場/0得点7アシスト

 チャンピオンズリーグ(CL)出場圏内となる4位につけたセビージャだが、その中でもこの男の存在は大きかったと言えるだろう。34歳のヘスス・ナバスは今季、ラ・リーガ全試合でピッチに立ち、そのうち35試合でフル出場を果たしているなど鉄人ぶりを見事に発揮。右サイドで大きく躍動し、キャプテンとしてもチームを束ねた。

 タッチライン際を疾走するその姿やスペイン人らしい足元の技術は今なお衰えを感じさせていない。右足から放つボールの精度も抜群で、ラ・リーガ所属のDFとしてはトップとなる7アシスト、キーパス62本という申し分ない成績も収めた。34歳と年齢的には決して若くないが、今後もまだまだ力を示していくことだろう。

ユーリ・ベルチチェ(スペイン/アスレティック・ビルバオ)
生年月日:1990年2月10日(30歳)
市場価格:1600万ユーロ(約19億2000万円)
今季リーグ戦成績:33試合出場/2得点2アシスト

 今季のアスレティック・ビルバオは11位でシーズンをフィニッシュ。やや安定感を欠いた。しかし、総失点数「38」はラ・リーガ5番目タイに少ない数字であり、過去5シーズンで見ても最も良い数字となっている。そんなビルバオの最終ラインを支えた一人がユーリ・ベルチチェ。かつてパリ・サンジェルマン(PSG)でもプレーしたレフティーである。

 ベルチチェはコンスタントにピッチに立ち、攻守両面でアグレッシブな姿勢を貫くなど左サイドで躍動。サイドバックのみならずウイングバックも高いレベルでこなし、最終的には33試合の出場で2得点2アシストという成績を収めた。今年で30歳とベテランの域に差し掛かってきたが、今後にも期待感を抱かせるようなパフォーマンスであったと言える。

MF

カゼミーロ(ブラジル代表/レアル・マドリード)
生年月日:1992年2月23日(28歳)
市場価格:6400万ユーロ(約76億8000万円)
今季リーグ戦成績:35試合出場/4得点3アシスト

 レアル・マドリードで不動の地位を築き上げるブラジル人MFの働きぶりは今季も絶大だった。フィジカルの強さに危機察知能力の高さ、ボール奪取の上手さすべてをピッチ上で示し、中盤においてチーム全体の守備のグレードをアップ。マドリーに3シーズンぶりのラ・リーガ制覇という財産をもたらした。

 カゼミーロの貢献度はデータにもしっかりと表れており、タックル数96回、インターセプト数68回、タックル成功数60回はいずれもラ・リーガトップの成績となっていた。また、今季は重要な試合で得点やアシストをマークするなど攻撃面でもその存在感を誇示。この男をベストイレブンに選出しない理由は見当たらないだろう。

サンティ・カソルラ(スペイン代表/ビジャレアル)
生年月日:1984年12月13日(35歳)
市場価格:250万ユーロ(約3億円)
今季リーグ戦成績:35試合出場/11得点9アシスト

 これまでのキャリアは常に怪我と隣り合わせで、一時は足切断の危機にも瀕したスペイン人MFだったが、そこから見事な復活を遂げたと言えるだろう。今季35試合に出場したベテランは、アーセナルに所属していた2012/13シーズン以来となるリーグ戦二桁得点を達成。昨季14位と低迷したチームを、5位にまで引き上げた。

 アシスト数「9」はリーグ3位となる成績で、キーパス71本は同4位、ビッグチャンス創出回数11回は同6位タイの成績となっているなど、攻撃面で発揮したクオリティは確かなものがあった。カソルラは今季限りでビジャレアルを退団することが確定しているが、最後にチームに残したものは果てしなく大きかったと言えるのではないか。

トニ・クロース(ドイツ代表/レアル・マドリード)
生年月日:1990年1月4日(30歳)
市場価格:4800万ユーロ(約57億6000万円)
今季リーグ戦成績:35試合出場/4得点5アシスト

 昨季はパフォーマンスが決して満足いくものではなく批判の的にもなったドイツ代表MFだが、今季はその雑音を見事にかき消した。左右両足から放つパスの繊細さは相変わらずワールドクラスで、ビルドアップ面における貢献度の高さはまさに絶大。レアル・マドリードがラ・リーガ制覇を果たすのに、なくてはならない存在だった。

 トニ・クロースは今季、リーグ3位となる2184本ものパスを成功させ、パス成功率93%、キーパス65本という成績を収めている。4得点5アシストという数字は決して飛びぬけたものではないが、中盤での安定感などに関してはやはり目を見張るものがあった。ベストイレブン入りは誰もが納得する結果と言えるだろう。

リオネル・メッシ(アルゼンチン代表/バルセロナ)
生年月日:1987年6月24日(33歳)
市場価格:1億1200万ユーロ(約134億4000万円)
今季リーグ戦成績:33試合出場/25得点22アシスト

 監督交代に踏み切りながらも王座陥落…。今季のバルセロナはネガティブな雰囲気を最後まで払拭することができなかった。しかし、その中でもこの男が放った輝きはやはり別格だった。チームの絶対的エースであるリオネル・メッシは今季、33試合の出場で25得点22アシストを記録。1シーズンで20得点20アシスト以上を記録したのはリーガ史上初のことで、今世紀の欧州5大リーグでは2002/03シーズンのティエリ・アンリ氏以来、2人目の偉業達成となっている。

 さらにメッシはリーグトップとなる182回のドリブル成功数を記録。2位のナビル・フェキルが同98回なので、その圧巻ぶりは明らかだ。また、シュート数115本、キーパス90本、ビッグチャンス創出回数36回はいずれもリーグトップとなる成績。すでに世界中の人々が認知していることだが、この男、やはり異次元である。

FW

カリム・ベンゼマ(元フランス代表/レアル・マドリード)
生年月日:1987年12月19日(32歳)
市場価格:3200万ユーロ(約38億4000万円)
今季リーグ戦成績:37試合出場/21得点8アシスト

 クリスティアーノ・ロナウドの抜けた昨季はエースとしての自覚が再び芽生え、リーグ戦21得点を挙げたカリム・ベンゼマ。そんな同選手の勢いは今季も止まらなかった。第1節で1得点1アシストとスタートダッシュに成功すると、その後も継続的に得点を奪取。冬場にややペースダウンしたものの、リーグ再開後に勢いを取り戻して最終的には得点ランキング2位となる21得点をマークした。

 ガレス・ベイルはゴルフに愛情を注ぎ、エデン・アザールは離脱を繰り返し、マルコ・アセンシオは長期離脱…。今季のマドリーは攻撃陣が総じて不発に終わったが、その中でもラ・リーガ制覇を掴み取れたのはベンゼマという存在があったからに他ならない。マドリーのエースとしての役割を全うしたと言えるはずだ。

ジェラール・モレノ(スペイン代表/ビジャレアル)
生年月日:1992年4月7日(28歳)
市場価格:3000万ユーロ(約36億円)
今季リーグ戦成績:35試合出場/18得点6アシスト

 来季のヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得の立役者となったのはサンティ・カソルラだけではない。ジェラール・モレノもまた、ビジャレアルには欠かせない存在だった。28歳のレフティーは開幕から4試合連続得点を挙げるなどスタートダッシュに成功し、最終的に18ゴールをマーク。1シーズンで最も多く点を取ったスペイン人に送られるサラ賞を受賞している。

 ボールを引き出す動きがうまく、意外性のあるドリブルも冴えるモレノは、リーグ戦での活躍もあって昨年10月にスペイン代表初招集も果たしている。選手本人にとっても色々な意味で忘れられないシーズンになったことは明らかだ。この勢いを今後も継続させ、さらなるレベルアップを果たしてもらいたい。

フォーメーション

GK
ティボー・クルトワ(レアル・マドリード)

DF
セルヒオ・ラモス(レアル・マドリード)
ジエゴ・カルロス(セビージャ)
ヘスス・ナバス(セビージャ)
ユーリ・ベルチチェ(アスレティック・ビルバオ)

MF
カゼミーロ(レアル・マドリード)
サンティ・カソルラ(ビジャレアル)
トニ・クロース(レアル・マドリード)
リオネル・メッシ(バルセロナ)

FW
カリム・ベンゼマ(レアル・マドリード)
ジェラール・モレノ(ビジャレアル)