GK

 ユベントスの9連覇で幕を閉じた2019/20シーズンのセリエA。今季も最後まで熱い戦いが繰り広げられたが、その中でどのような選手たちの輝きが目立っていたのか。今回はフットボールチャンネル編集部が選んだ2019/20シーズンのセリエAベストイレブンを紹介する。(市場価格は『transfermarkt』を参照)

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ジャンルイジ・ドンナルンマ(イタリア代表/ミラン)
生年月日:1999年2月25日(21歳)
市場価格:4950万ユーロ(約59億4000万円)
今季リーグ戦成績:36試合出場/42失点

 イタリア代表のこれからを担うであろう若き守護神がミランにもたらした勝ち点は決して少なくなかった。長い手足を活かしたミラクルセーブが抜群に冴えており、他の19クラブにとって常に悩みの種に。後半戦はパフォーマンスレベルがさらに上がり、第36節、第37節とPKを連続ストップすることもあった。

 今季はセーブ数101回を記録しており、ペナルティエリア内からのシュートを67回(上位10チーム所属のGKとしては最多)も防いだ。また、クリーンシート数12回はリーグ3位の成績となっており、PKセーブ数4回に関してはリーグ単独トップとなっている。まさに、ミランの壁になり続けたと言えるだろう。

 そして、今季の第35節サッスオーロ戦に出場したことで、21歳ながらセリエA通算200試合出場に到達。これは、ジャンルイジ・ブッフォンやパオロ・マルディーニ氏を上回る早さとなっている。「ミランのユニフォームとともに、200試合出場を達成したことを誇りに思う」とは選手本人の言葉。素晴らしいシーズンになったと言えるはずだ。

DF

ステファン・デ・フライ(オランダ代表/インテル)
生年月日:1992年2月5日(28歳)
市場価格:4800万ユーロ(約57億6000万円)
今季リーグ戦成績:34試合出場/4得点3アシスト

 今季でインテル在籍2年目を迎えたオランダ代表戦士は開幕2試合を欠場したものの、その後はフル出場を継続。リーグ再開後はさすがに疲れの色が出た印象は否めなかったが、クリア数はチーム内トップとなる115回を記録するなど最後まで3バックの中央でディフェンスリーダーとしての仕事を全うし、リーグ最少失点に大きく貢献した。

 また、攻撃面での存在感も確かなものがあり、リーグ中盤戦には6試合で4得点に絡む活躍を見せることもあった。とくにエアバトルの強さはセリエAでも屈指のものがあり、セットプレー時には常に相手の脅威に。平均パス成功率も91.8%とビルドアップ面での貢献度も高かった。アントニオ・コンテ監督が全幅の信頼を寄せるのも納得がいく結果と言えるのではないか。

フランチェスコ・アチェルビ(イタリア代表/ラツィオ)
生年月日:1988年2月10日(32歳)
市場価格:1200万ユーロ(約14億4000万円)
今季リーグ戦成績:36試合出場/2得点2アシスト

 今季のラツィオは前半戦に圧巻の強さを誇示し、見事12シーズンぶりとなるチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得。リーグ再開後にペースが落ちてしまったのは非常に残念だったが、2019/20シーズンのセリエAにおいて印象に残るチームの一つだった。

 そんなイタリアの首都クラブにとって欠かせない存在だったのが、32歳のベテランDFだ。開幕戦から常にピッチに立ち続けた同選手は自慢の強さと高さを駆使して数々のストライカーを無力化。冬場には怪我で離脱することもあったが、すぐに復帰すると再び最終ラインで奮闘し、過密日程の中でもフル出場を続けるなど鉄人ぶりを発揮した。

 最古参のシュテファン・ラドゥが耳を傾けるほどのリーダシップは抜群で、常にディフェンスラインからチームを鼓舞する姿は非常に印象的だった。また、失点に直結するミスは0回と安定感に関してもピカイチのものが。今季、ベテランレフティーは「CL出場が目標」と口にし続けてきたが、見事にサポーターとの約束を守り抜いた。

マヌエル・ラッザリ(イタリア代表/ラツィオ)
生年月日:1993年11月29日(26歳)
市場価格:1450万ユーロ(約17億4000万円)
今季リーグ戦成績:32試合出場/0得点4アシスト

 数年前まで4部リーグでプレーしていたが、そこから見事に這い上がって国内屈指のウイングバックに。そして昨年夏、名門ラツィオ移籍を掴み取った。

 新天地1年目ながら右ウイングのファーストチョイスとなった。例えるならばリバプールのアンドリュー・ロバートソンのようなアグレッシブなプレーを前面に押し出してサイドを活性化。クロスの質に関してはまだまだ向上させていく必要がありそうだが、隙があれば果敢にシュートを狙うなど、ダイナミックさという意味では確かなものがあった。

 試合終盤でもスプリントを繰り返す姿勢は見事の一言で、なかでも驚きだったのは過密日程の中でも運動量がほとんど落ちなかったこと。今季のラツィオは主力メンバーを固定化していたため、終盤戦は疲労の影響で離脱者も増えていたが、この男だけは常に元気だった。ラツィオにとってはまさに大成功の補強だったと言える。

ロビン・ゴゼンス(ドイツ/アタランタ)
生年月日:1994年7月5日(26歳)
市場価格:2000万ユーロ(約24億円)
今季リーグ戦成績:34試合出場/9得点8アシスト

 2季連続でチャンピオンズリーグ(CL)出場権を手にするなど、セリエAで旋風を巻き起こし続けているアタランタ。そんな同クラブにおける左ウイングバックのファーストチョイスとして躍動したのが、26歳のドイツ人DFだ。

 左足の確かなキック精度を武器に持ち、大学で心理学も学んだ知性派はリーグ開幕から先発出場を継続。チームとしての持ち味でもある攻撃力を存分に発揮して前線に厚みをもたらすだけでなく、ユベントス戦、インテル戦、そしてラツィオ戦で得点を奪うなど、重要なゲームで目に見える結果も残していた。

 昨季はリーグ戦3得点2アシストという成績だったが、今季はそれを大きく上回る9得点8アシストを記録。DF登録の選手の中で計15得点以上に絡んだのは、もちろんこの男一人のみだ。また、その活躍もありチェルシーやインテルといった補強リストにも浮上。「彼(ガスペリーニ)を信頼すれば、より良い選手にしてくれる」とは選手本人の言葉だが、まさに見事な成長ぶりを披露したと言えるだろう。

MF

ロドリゴ・ベンタンクール(ウルグアイ代表/ユベントス)
生年月日:1997年6月25日(23歳)
市場価格:4000万ユーロ(約48億円)
今季リーグ戦成績:30試合出場/0得点8アシスト

 開幕2試合続けて出番がなく、その後もあまりプレータイムが伸びないなどスタートダッシュに成功したとは言い難かった。しかし、シーズンが進むにつれ徐々にピッチ上で力を示していくと、マウリツィオ・サッリ監督からの信頼を確固たるものに。リーグ後半戦はほとんどの試合でフル出場を果たしているなど、今やイタリア王者の「心臓」とも言える存在になった。

 攻撃面では確かなパスセンスを駆使してリズムを生み、守備面では豊富な運動量を活かして広範囲をカバーするなど、常にボールに絡み続けた。セリエA公式による1試合あたりの平均走行距離は10.694kmであり、これはチーム内3位の成績となっている。また、タックル数もチーム内2位の58回と申し分ない数字。貢献度の高さがうかがえる。

 来季はミラレム・ピャニッチがバルセロナに去る。その中で、ユベントスの新たなキーマンとなるのは間違いなくこの男だ。引き続き、その一挙手一投足に注目していきたい。

アレハンドロ・ゴメス(アルゼンチン/アタランタ)
生年月日:1988年2月15日(32歳)
市場価格:1300万ユーロ(約15億6000万円)
今季リーグ戦成績:36試合出場/7得点16アシスト

 アタランタの主将であり攻撃の要でもある小兵は、開幕2試合で2アシストをマークするなど、最高のスタートを切った。その後も持ち前のテクニックと発想力豊かなパスを武器に攻撃のグレードを高め続け、チームに多くの勝ち点をもたらしている。

 今年で32歳となったが、肉体面での不安はほとんど感じられず。リーグ戦で欠場したのはわずか2試合のみだ。日程的に厳しかったリーグ再開後もコンスタントにピッチに立ち続けるなど、タフさをアピールしていた。

 最終的にアタランタの頼れる主将は7得点16アシストをマーク。アシスト数に関しては自己最多を記録し、リーグトップタイにも君臨した。これで、アタランタ在籍6年間で4度目のリーグ戦二桁アシスト到達ということになっている。また、キーパス106本はリーグ2位で、ビッグチャンス創出数16回も同2位の成績。前線で発揮したクオリティの高さは、誰の目にも明らかだった。

ルイス・アルベルト(スペイン代表/ラツィオ)
生年月日:1992年9月28日(27歳)
市場価格:4400万ユーロ(約52億8000万円)
今季リーグ戦成績:36試合出場/6得点16アシスト

 昨季はやや不完全燃焼に終わったラツィオの背番号10だが、今季は自己最高に近いパフォーマンスを披露。開幕7試合で1得点5アシストとスタートダッシュに成功しており、その後も得点に絡み続けるなど、チームに多くの勝ち点をもたらしていた。

 リーグ終盤戦は疲労の影響を隠しきれず、チームとともに調子を落としてしまったが、それでも最終的には36試合の出場で6得点16アシストという申し分ない成績を収めている。16アシストは、2017/18シーズンに記録した14アシストを上回る数字であり、アタランタのアレハンドロ・ゴメスに並んでリーグトップに輝いた。

 また、キーパス107本はリーグトップの成績となっており、ビッグチャンス創出回数に関しても21回で単独トップ。20回を超えたのはルイス・アルベルトただ一人であった。この男のパスセンスや創造性がなければ、チームが12シーズンぶりとなるチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得を果たすことはできなかったかもしれない。

FW

ロメル・ルカク(ベルギー代表/インテル)
生年月日:1993年5月13日(27歳)
市場価格:6800万ユーロ(約81億6000万円)
今季リーグ戦成績:36試合出場/23得点2アシスト

 ベルギー代表のエースストライカーはアントニオ・コンテ監督の希望もあり、昨夏にマンチェスター・ユナイテッドからインテルへ移籍。前主将から背番号9を継承するなど、大きな期待を受けての加入だった。

 その期待に応えるべく、ベルギーの大型FWは開幕から2試合連続ゴールとスタートダッシュに成功。その後もコンスタントにゴールネットを揺らし、チームを勝利に導き続けた。また、ミラノダービーでは2試合とも得点をマークし、年明け最初の試合となったナポリ戦で2ゴールを叩き出すなど、重要な試合での勝負強さも際立っていた。

 結果的にセリエA初挑戦ながら23ゴールと申し分ない成績を収め、チームに来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権をもたらしている。ラウタロ・マルティネスとの2トップは国内、いや、世界でも屈指の破壊力を誇っていたと言えるだろう。クリスティアーノ・ロナウドとチーロ・インモービレが飛び抜けてしまったため、少し存在感が薄れてしまった印象は否めないが、本来なら彼が得点王に輝いていてもおかしくはなかった。

クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表/ユベントス)
生年月日:1985年2月5日(35歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
今季リーグ戦成績:33試合出場/31得点6アシスト

 昨季イタリアにやって来たサッカー界のスーパースターは、セリエA初挑戦ながら21得点をマーク。さすがの実力を見せつけた。そして、今季もこの男の勢いは止まることを知らなかった。

 シーズン序盤から安定してゴールネットを揺らすと、中盤戦には11試合連続得点も記録。ユベントスのエースとしての仕事を果たし続け、最終的には33試合の出場で31得点6アシストを記録して前人未到の9連覇達成に大きく貢献した。残念ながら得点王には届かなかったものの、35歳とは思えぬ圧巻のパフォーマンスで他の19クラブを恐怖に陥れたと言えるだろう。

 ユベントスの選手が1シーズンでリーグ戦30得点以上を叩き出したのは68シーズンぶりで、わずか3度目のこと。さらに、今季でセリエA通算得点が「50」を超えたため、プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラ、セリエAの3大リーグで50ゴール到達を果たした史上初の選手にもなった。ベストイレブン選出は当然中の当然という結果だ。

チーロ・インモービレ(イタリア代表/ラツィオ)
生年月日:1990年2月20日(30歳)
市場価格:4000万ユーロ(約48億円)
今季リーグ戦成績:37試合出場/36得点8アシスト

 昨季は8位に終わったラツィオだが、今季は見事にトップ4入りを果たした。その原動力となったのが、不動のエースであるチーロ・インモービレだ。彼は、2019/20シーズンのセリエAを最も彩った選手と言えるのではないか。

 得点王として挑んだ昨季はゴール数が半減してしまったものの、今季は開幕から絶好調で常に得点ランキングをリードし、話題を提供し続けた。リーグ再開後は疲労の影響もあったのか、ややペースが落ちてクリスティアーノ・ロナウドに並ばれることもあったが、最後は力を振り絞って5試合連続得点を収めるなど、見事にユベントスの大エースを突き放した。

 最終的にインモービレは、37試合の出場でセリエAのシーズン最多記録に並ぶ36得点をマーク。自身3度目となるセリエA得点王、またヨーロッパ・ゴールデンシュー(欧州得点王)も獲得している。チームの今季の総得点数は「79」なので、エースはその半分近くを一人で叩き出したことになる。また、シュート決定率も30.25%と申し分ない数字が出ており、ロメル・ルカクに次ぐリーグ2位につけた。インモービレ自身にとっても、記憶に深く刻まれるシーズンになったと言えるだろう。

フォーメーション

GK
ジャンルイジ・ドンナルンマ(ミラン)

DF
ステファン・デ・フライ(インテル)
フランチェスコ・アチェルビ(ラツィオ)
マヌエル・ラッザリ(ラツィオ)
ロビン・ゴゼンス(アタランタ)

MF
ロドリゴ・ベンタンクール(ユベントス)
アレハンドロ・ゴメス(アタランタ)
ルイス・アルベルト(ラツィオ)

FW
ロメル・ルカク(インテル)
クリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)
チーロ・インモービレ(ラツィオ)