マンチェスター・シティ

 リオネル・メッシを獲得するには7億ユーロ(約875億円)という契約解除金が必要になるが、この額を支払えるクラブは事実上皆無。バルセロナ側は妥協案としてネイマールがパリ・サンジェルマンに去った際の移籍金2億2200万ユーロ(約227億円)を最低でも確保したいという考えも持っているようだが、それでも他のクラブにとって高額であることに変わりはない。そこで、マンチェスター・シティは現金支払いを減らすべく、3人の選手をトレードに出すことを画策しているという報道も出ている。では、メッシの獲得を狙う各クラブはシティと同じく3選手とのトレードを実行する場合、誰を送り出すべきなのか。バルセロナの補強ポイント(CF、WG、その他)で考えてみる。

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FW:ガブリエウ・ジェズス(ブラジル代表)
生年月日:1997年4月3日(23歳)
市場価格:5600万ユーロ(約67億2000万円)
昨季リーグ戦成績:34試合出場/14得点8アシスト

 セルヒオ・アグエロという存在がいるため、マンチェスター・シティでは“絶対的な主力”というわけではない。しかし、23歳ながら特別な才能を持ったストライカーであることは誰もが認めており、ジョゼップ・グアルディオラ監督も貴重な戦力として確かな信頼を寄せている。

 バルセロナにとっては非常に魅力的な選手と言えるだろう。戦力外通告を受けたルイス・スアレスの後釜に収まるし、ウイングでも高いレベルのパフォーマンスを披露できるからだ。そして何より、現在23歳と将来性も十分である。リオネル・メッシとのトレード要員としては申し分ない。

FW:ベルナルド・シウバ(ポルトガル代表)
生年月日:1994年8月10日(26歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
昨季リーグ戦成績:34試合出場/6得点7アシスト

 モナコでブレイクし、2017/18シーズンよりマンチェスター・シティでプレー。ジョゼップ・グアルディオラ監督の下で様々なものを習得し、ワールドクラスのアタッカーへと成長を遂げた。彼もまた、現在のシティには欠かせない重要な人物だ。

 このレフティーがトレードに含まれるならば、バルセロナの心は少し揺らぐかもしれない。ドリブルの切れ味、創造性豊かなパス、それに加え幅広いポジションをこなす万能性も兼備。さらに、今年で26歳と今後数年は主力として考えられる。チームに加える上でのデメリットはなかなかみつからない。

DF:エリック・ガルシア(スペイン代表)
生年月日:2001年1月9日(19歳)
市場価格:1600万ユーロ(約19億2000万円)
昨季リーグ戦成績:13試合出場/0得点0アシスト

 サミュエル・ウンティティが戦力になりきれず、ジェラール・ピケは今年で33歳とベテランの域に。バルセロナにとっては、センターバックも補強ポイントの一つになっている。

 そんなバルセロナにとって、先月スペイン代表に初招集されたエリック・ガルシアはうってつけの存在だろう。CBとしては小柄だが、足元の技術に優れており「ミスが少ない」。もともとラ・マシア育ちで、現在19歳という若さも非常に魅力的だ。選手本人にとってもバルセロナ復帰は決して悪いことではないだろう。

マンチェスター・ユナイテッド

FW:マーカス・ラッシュフォード(イングランド代表)
生年月日:1997年10月31日(23歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
昨季リーグ戦成績:31試合出場/17得点8アシスト

 マンチェスター・ユナイテッドの生え抜き選手で、現在は10番を身に着けるなどエースとして活躍している。もちろんクラブからすると長く在籍してほしいところだろうが、リオネル・メッシ獲得のためにトレードを用いるならば、この男を含める必要があるかもしれない。

 バルセロナ側からすると魅力的な存在だろう。もともと同クラブはルイス・スアレスの後釜候補としてイングランド代表FWをピックアップしていた。現在23歳と若く、CFだけでなくウイングも高いレベルでこなすことができる点も大きい。チームの攻撃にまた違った色を加えることができるだろう。

FW:メイソン・グリーンウッド(イングランド代表)
生年月日:2001年10月1日(18歳)
市場価格:4500万ユーロ(約54億円)
昨季リーグ戦成績:31試合出場/10得点1アシスト

 バルセロナのリオネル・メッシという「宝」を獲得するならば、マンチェスター・ユナイテッドは同じく「宝」を手放す必要があるかもしれない。その「宝」とは、昨季ブレイクを果たした18歳の俊英メイソン・グリーンウッドだ。

 利き足がどちらかわからないほど左右両足の精度が高く、シュート技術がとにかく秀逸。18歳という年齢もバルセロナを惹きつけるには十分と言えるだろう。アンス・ファティとグリーンウッドの両翼は、新時代の幕開けを象徴する意味でも有りかもしれない。

MF:ポール・ポグバ(フランス代表)
生年月日:1993年3月15日(27歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
昨季リーグ戦成績:16試合出場/1得点4アシスト

 リオネル・メッシ獲得に向け現金支払いを抑えるならば、ポール・ポグバの売却は避けられないだろう。フランス代表MFはマンチェスター・ユナイテッドが抱える最大のスター選手だが、その分お金を多く生み出せる選手でもある。

 身長191cmという長身を誇りながら足元の技術に優れており、攻撃のグレードを一人で高めてしまうことができる。万全な状態ならバルセロナにとって大きな戦力になることは間違いない。ただ、ポグバもなかなかに「個」が強い選手。ここがチームにどう影響を及ぼすかは未知数だ。

ユベントス

FW:パウロ・ディバラ(アルゼンチン代表)
生年月日:1993年11月15日(26歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
昨季リーグ戦成績:33試合出場/11得点11アシスト

 リオネル・メッシがユベントスに加われば、クリスティアーノ・ロナウドとの共演が実現する。そうなれば、サッカー界は大いに盛り上がるだろう。しかし、同時にユベントスは「至宝」を放出しなければならなくなるだろう。メッシと同じ左利きのアルゼンチン代表FW、パウロ・ディバラである。

 バルセロナにとってディバラの加入はピッチ上の効果だけをみれば悪くない。プレースタイル的にはメッシに似ており、ウイングだけでなくいわゆる0トップも担えるなど、また違った形でルイス・スアレスの後釜に収まることもできる。26歳という若さも、バルセロナにとっては大きな魅力だ。

FW:ドウグラス・コスタ(ブラジル代表)
生年月日:1990年9月14日(29歳)
市場価格:2000万ユーロ(約24億円)
昨季リーグ戦成績:23試合出場/1得点5アシスト

 ウイングのポジションはバルセロナの補強ポイントの一つ。ユベントスに在籍する同ポジションの選手はフェデリコ・ベルナルデスキ、ファン・クアドラードらがいるが、リオネル・メッシとのトレードの中に含めるならばドウグラス・コスタになるだろうか。

 ブラジル人らしいテクニックの高さが売りで、調子がよい時は止めるのが困難なほどキレキレなドリブルを繰り出す。なんでもないところから違いを作り出す能力に関してはワールドクラスと言えるだろう。しかし、怪我の多さは難点であり、今年で30歳になる。メッシとのトレードに含めるにはやや物足りないか。

DF:マタイス・デリフト(オランダ代表)
生年月日:1999年8月12日(21歳)
市場価格:7000万ユーロ(約84億円)
昨季リーグ戦成績:29試合出場/4得点1アシスト

 若く将来性があり、なおかつ即戦力級。バルセロナにとってマタイス・デリフトは魅力的な存在だ。実際、同クラブは昨年夏にもオランダ人CBの獲得に動いており、「移籍濃厚」という報道も出ていた。

 対人守備にめっぽう強く、ビルドアップ能力にも長けるなど21歳ながらCBとしてハイレベルなデリフトは、市場価格が7000万ユーロ(約84億円)と高額。さらに、バルセロナ新監督のロナルド・クーマンとはオランダ代表でともに戦っており、指揮官からの評価も悪くないはず。リオネル・メッシをトレードで狙う場合、デリフトをリストに含めないわけにはいかないだろう。

パリ・サンジェルマン

FW:マウロ・イカルディ(アルゼンチン代表)
生年月日:1993年2月19日(27歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
昨季リーグ戦成績:20試合出場/12得点3アシスト

 パリ・サンジェルマンもリオネル・メッシ獲得に動いているとされているクラブの一つだ。では、フランス王者がレフティー獲得に向けトレードを用いる場合、放出されるのは誰か。ルイス・スアレスの後釜と考えれば、アルゼンチン人のマウロ・イカルディになるだろう。

 得点力という部分に関してはスアレスにも劣っていない。イカルディも生粋のゴールハンターである。ただ、ピッチ外ではワンダ・ナラという厄介な存在にクラブをかき回される可能性があるため、彼女とうまく付き合っていく必要がある。さらにイカルディは、バルセロナのプレーは「合わない」として過去に下部組織を離れている。バルセロナ側にメリットがあるかは微妙なところだ。

FW:アンヘル・ディ・マリア(アルゼンチン代表)
生年月日:1988年2月14日(32歳)
市場価格:3200万ユーロ(約38億4000万円)
昨季リーグ戦成績:26試合出場/7得点14アシスト

 パリ・サンジェルマンとすると、ネイマール、キリアン・ムバッペ、リオネル・メッシという夢のような3トップを実現させたいという思いがあるかもしれない。そうなった場合、アンヘル・ディ・マリアはトレード要員としてバルセロナへ去ることになるか。

 ディ・マリアは32歳と年齢的には若くないが、攻撃面でのクオリティーは今なお絶大。主役にも脇役にもなれてチームのために汗をかくことも厭わない彼のような存在は、バルセロナにとってもプラスとなるはずだ。

MF:マルコ・ヴェラッティ(イタリア代表)
生年月日:1992年11月5日(27歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
昨季リーグ戦成績:20試合出場/0得点5アシスト

 キリアン・ムバッペ、ネイマールというスター選手を残しながらリオネル・メッシの獲得を狙う場合、その二人に次ぐ市場価格を誇る選手の売却は避けられないかもしれない。そうなると、マルコ・ヴェラッティはトレード要員の対象となるだろうか。

 負傷癖があるのは難点だが、ボールを運ぶ技術、卓越したパススキル、ボール奪取の上手さはバルセロナでも目立つスタイルと言えるだろう。実際、スペインの名門は過去にヴェラッティ獲得を画策していた。中盤は大きな補強ポイントでないとはいえ、バルセロナからすると悪くない人材だろう。

インテル

FW:ラウタロ・マルティネス(アルゼンチン代表)
生年月日:1997年8月22日(23歳)
市場価格:7000万ユーロ(約84億円)
昨季リーグ戦成績:35試合出場/14得点5アシスト

 アントニオ・コンテ監督率いるインテルもリオネル・メッシ獲得に興味を抱いているとされているクラブだ。では、スーパースター確保のためにトレード要員となりそうなのは誰か。一人目は、ラウタロ・マルティネスだ。

 ルイス・スアレスの後釜候補として、彼の名はずっとピックアップされている。シュートセンスが抜群でフィジカルがあり、何より現在23歳と将来性も十分。好不調の波がややあるとはいえ、ポテンシャルは十分であり、バルセロナからしても非常に魅力的な存在だと言えるだろう。

FW:ロメル・ルカク(ベルギー代表)
生年月日:1993年5月13日(27歳)
市場価格:8500万ユーロ(約102億円)
昨季リーグ戦成績:36試合出場/23得点2アシスト

 ベルギー代表のロメル・ルカクは昨夏にマンチェスター・ユナイテッドからインテルに加入。新天地1年目からリーグ戦36試合の出場で23得点2アシストを収めるなど覚醒した。

 インテルがトレードを駆使して本気でリオネル・メッシを獲得する場合、8500万ユーロ(約102億円)の推定市場価格を誇るルカクをルイス・スアレスの後釜として放出しなければならない可能性も否めない。ただ、実現する確率はかなり低いと言えるだろう。

DF:ミラン・シュクリニアル(スロバキア代表)
生年月日:1995年2月11日(25歳)
市場価格:5000万ユーロ(約60億円)
昨季リーグ戦成績:32試合出場/0得点2アシスト

 セリエAでも5本の指に入る実力屈指のセンターバック。スピード不足は否めないが、相手との駆け引きや読みの鋭さを活かして弱点を補い、先手を打って敵を無力化できるクレバーな選手だ。彼もまた、コンテ・インテルには欠かせない貴重な戦力である。

 CBの新戦力が欲しいバルセロナはミラン・シュクリニアルも獲得候補にピックアップしている。そのためインテルは、リオネル・メッシを獲得する場合、トレード要員に彼も含めなければならない可能性があると言えるだろう。