10位:無尽蔵のスタミナ

世界各国から選手が集うイングランド・プレミアリーグで最高のサイドバックは誰か? フットボールチャンネル編集部では、各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたプレミアリーグ所属選手のランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。
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DF:マット・ドハーティ(アイルランド代表/ウォルバーハンプトン→トッテナム)
生年月日:1992年1月16日(28歳)
市場価格:1600万ユーロ(約19.2億円)
今季リーグ戦成績:36試合出場/4得点4アシスト

 アイルランド生まれのマット・ドハーティはウォルバーハンプトンのリーグ1(3部)時代を知る数少ないプレーヤーだった。10年間籍を置いたクラブを離れ、20/21シーズンからトッテナムに活躍の場を移す。

 ヌーノ・エスピリト・サント監督からの信頼は不動で、右サイドのポジションを守り続けてきた。右ウイングバックを主戦場に、無尽蔵のスタミナで右サイドを上下動する。サイドの選手としての弱点が少なく、あらゆるプレーを高水準でこなすことができる。

 トッテナムではセルジュ・オーリエとポジションを争うことになるだろう。怪我の多いオーリエとは対照的に、ドハーティは身体の強さが特徴だ。直近2シーズンのリーグ戦で欠場したのは2試合のみ。過密日程を戦う上で、ジョゼ・モウリーニョ監督にとっても心強い存在になるだろう。

9位:チェルシーが獲得した左SB

DF:ベン・チルウェル(イングランド代表/レスター→チェルシー)
生年月日:1996年12月21日(23歳)
市場価格:4000万ユーロ(約48億円)
今季リーグ戦成績:27試合出場/3得点3アシスト

 レスターの下部組織からトップチームに昇格したベン・チルウェルは、イングランド代表の左サイドバックに成長した。5000万ポンド(約70億円)とも言われる移籍金で20/21シーズンからはチェルシーでプレーすることが決まっている。

 15年10月にトップチームでデビューしたチルウェルは、期限付き移籍を経て翌シーズンにプレミアリーグでも初出場を果たしている。17/18シーズンの途中からレギュラーの座を掴み、翌シーズンは36試合に出場して5アシストをマーク。このシーズンの序盤にはイングランド代表でも初めてプレーしている。

 足下の技術の高さがチルウェルの特徴で、攻撃の起点となる。スプリント力があり、鋭いドリブルで駆け上がって、精度の高いクロスを供給する。課題とされていた守備も徐々に改善されており、プレミアリーグでも指折りの左サイドバックに成長している。

8位:怪我に泣かされたプロスペクト

DF:ルーク・ショー(イングランド代表/マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1995年7月12日(25歳)
市場価格:2200万ユーロ(約26.4億円)
今季リーグ戦成績:24試合出場/0得点0アシスト

 ルーク・ショーはかつて、イングランド代表の将来を担う存在と言われていた。しかし、25歳となったショーの代表キャップ数はわずか8。度重なる怪我がキャリアの前に立ちはだかっている。

 17歳でサウサンプトンのレギュラーとなったショーは18歳でPFA(イングランドプロサッカー選手協会)が選ぶ年間ベストイレブンに選出された。このシーズン終了後に推定3000万ポンド(約42億円)の移籍金でマンチェスター・ユナイテッドに加入。しかし、15年9月には試合中にタックルを受けて右足を複合骨折してしまう。その後も鼠径部やハムストリングの負傷がショーを苦しめている。

 怪我に泣かされてきたが、持っている能力の高さに疑いの余地はない。オーレ・グンナー・スールシャール監督の下では左サイドバックだけでなく、3バックの左という新たな居場所を見つけた。攻撃の起点となるパスやオーバーラップはユナイテッドの攻撃に厚みをもたらしている。

7位:4ヶ国を渡り歩いたSB

DF:ジョアン・カンセロ(ポルトガル代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1994年5月27日(26歳)
市場価格:3600万ユーロ(約43.2億円)
今季リーグ戦成績:17試合出場/0得点0アシスト

 ベンフィカの下部組織出身のジョアン・カンセロは、トップチームデビューした翌シーズンにスペインに渡っている。バレンシアでは完全移籍に切り替わった15/16シーズンにレギュラーを掴み、17年夏にはイタリアへと活躍の場を移した。インテルとユベントスで1シーズンずつ過ごしたカンセロは、ダニーロとのトレードという形でマンチェスター・シティに加入している。

 さまざまな入り組んだ事情で4ヶ国を渡り歩いたカンセロは、右サイドバックを主戦場としながらも左でもプレーが可能だ。シティではカイル・ウォーカーの後塵を拝しているが、「スピード」を活かした「ドリブル」や「テクニック」などの攻撃性能の高さが魅力だ。守備面ではまだ課題を残しているが、シティの戦術への理解が深まれば、秘めたポテンシャルが花開くかもしれない。

6位:チェルシーの主将

DF:セサル・アスピリクエタ(スペイン代表/チェルシー)
生年月日:1989年8月28日(31歳)
市場価格:2400万ユーロ(約28.8億円)
今季リーグ戦成績:36試合出場/2得点6アシスト

 セサル・アスピリクエタはあらゆる面でチェルシーの模範的な存在だ。在籍した7年間ではベンチに置かれる時期もあったが、右サイドバックだけでなく左サイドバックや3バックの一角でもプレーし、現在では主将を務めている。

 ハードワークを怠らない姿勢は、歴代の指揮官やチームメイトの信頼を掴んで離さない。プレミアリーグでは直近5シーズンで欠場したのがわずか4試合という、頑丈な身体もアスピリクエタの魅力だ。

 プレー面の特徴はディフェンス面にある。優れたポジショニングから導き出される対人守備の巧さはリーグでも屈指。アスピリクエタの姿勢とパフォーマンスは、チェルシーのサッカーに安定感をもたらしている。

【了】