GK

 昨季のエバートンは一度崩壊した。2年目を迎えたマルコ・シウバ体制で結果が出ず、一時は降格圏に沈むほど。年末に監督交代に踏み切り、後任のカルロ・アンチェロッティ監督のもとで再起を図った。すると後半戦はパフォーマンスが著しく向上したが、遅れを取り戻すには至らず12位に終わった。今季はハメス・ロドリゲスらをピンポイントで補強し、捲土重来を期す。そこで今回は、20/21シーズンのレギュラー定着が予想される11人を基本フォーメーションとともに紹介する。

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ジョーダン・ピックフォード(イングランド代表/背番号1)
生年月日:1994年3月7日(26歳)
19/20リーグ戦成績:38試合出場/56失点

 イングランド代表の正守護神ではあるが、安定感を著しく欠き、年々評価を落としている。恵まれた体格を生かした超絶セーブでチームを救うこともあるが、その反面、考えられないような凡ミスを犯すこともしばしば。昨季は低迷するエバートンで、不安定さがより目立ってしまった。

 ただ、現状でレギュラーの地位を脅かすGKはいない。カルロ・アンチェロッティ監督もピックフォードをあまり高く評価しておらず、代役の確保に動いているとも。一時はマンチェスター・ユナイテッドで3番手に甘んじるアルゼンチン代表GKセルヒオ・ロメロ獲得の噂も浮上したが果たして…。

DF

シェイマス・コールマン(アイルランド代表/背番号23)
生年月日:1988月10月11日(歳)
19/20リーグ戦成績:27試合出場/0得点1アシスト

 10年以上エバートンに在籍する頼れるキャプテン。絶え間ないアップダウンで攻守に奔走し、ハードな当たりも苦にしない。そして、何よりも安定感と戦術理解力に長け、不動の右サイドバックとしてどんな監督からも重宝されてきた。

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を3度制した経験を持つアンチェロッティ監督が、昨季限りで現役を引退したレイトン・ベインズとともに「優れた監督になれる資質を全て備えている」と絶賛するのもうなずける。豊富な経験とリーダーシップで今季もエバートンを力強くささえる。

ジェリー・ミナ(コロンビア代表/背番号13)
生年月日:1994年9月23日(25歳)
19/20リーグ戦成績:29試合出場/2得点1アシスト

 2m近い天を衝く長身で空中戦無敵を誇るコロンビア産のセンターバックだ。小回りは利かないが、地上でも空中でも圧倒的な対人能力を誇り、元バルセロナだけあって足もとの技術にも長ける。

 すでにプレミアリーグでは2シーズンにわたってプレーしており、今季で3シーズン目を迎える。イングランド初上陸の同胞ハメス・ロドリゲスにとっても重要なメンター役となるに違いない。守備が崩壊した昨季の失敗を繰り返さないためにも再建のカギを握る存在と言える。

マイケル・キーン(イングランド代表/背番号5)
生年月日:1993年1月11日(27歳)
19/20リーグ戦成績:31試合出場/2得点0アシスト

 先日、エバートンとの契約を2025年夏まで延長したディフェンスリーダーで、イングランド代表の常連でもある。双子の弟ウィルとともにマンチェスター・ユナイテッドの下部組織出身だが、トップチームではなかなかチャンスをつかめず、新天地を求めて才能が花開いた。

 大柄で対人に無類の強さを発揮し、ジェリー・ミナとともにゴール前に巨大な壁を築く。今年3月に新型コロナウイルスに感染していたことを告白し、「家でシャワーを浴びていて突然意識を失うような感じがあった」「本当に気分が悪かった。せきはなかったけれど、気力が湧いてこなかった」など壮絶な経験を明かして話題になった。

リュカ・ディーニュ(フランス代表/背番号12)
生年月日:1993年7月20日(27歳)
19/20リーグ戦成績:35試合出場/0得点7アシスト

 課題だった守備対応の安定感が向上すると、自慢の左足クロスがより強力な武器となった。昨季はチームが低迷する中でも、7アシストと気を吐いて存在感をアピール。バックアップに回っていたクロスの名手ベインズは昨季限りで現役引退を表明するに至った。

 攻撃力に関しては昨季プレミアリーグを制したリバプールの両サイドバックにも匹敵するほど。トッテナムと激突した今季開幕戦では、いきなりフリーキックからドミニク・キャルバート=ルーウィンのヘディング弾を演出し、勝利に大きく貢献している。

MF

アラン(ブラジル代表/背番号6)
生年月日:1991年1月8日(29歳)
19/20リーグ戦成績:23試合出場/2得点1アシスト(ナポリ)

 ナポリの躍進において立役者の1人だったボールの狩人だが、昨季はファビアン・ルイスやピオトル・ジエリンスキの後塵を拝して出場機会を減らしていた。そこにナポリ時代の恩師でもあるアンチェロッティ監督が目をつけ、プレミアリーグ初上陸を果たしている。

 エバートン加入まもないが、すでに中盤に欠かせない選手になっている。ディフェンスラインの前に構えて次々とボールを奪い、反撃につなげる姿は頼もしい。指揮官との師弟関係も活躍の後押しになりそうだ。

アブドゥライェ・ドゥクレ(フランス/背番号16)
生年月日:1993年1月1日(27歳)
19/20リーグ戦成績:37試合出場/4得点2アシスト (ワトフォード)

 昨季19位で2部降格となったワトフォードにおいて、ポジティブな存在感を放っていた数少ない選手の1人だった。ボール奪取力や球際で強さを発揮できるだけでなく、展開力にも優れ、前所属クラブではトップ下を担っていたこともあった。

 A代表経験はないが、マリにルーツを持ち、フランスの世代別代表に選ばれたこともある隠れた実力者。アランとドゥクレが中盤で守備的なタスクを引き受けることで、アンドレ・ゴメスやハメス・ロドリゲスが攻撃面でより持ち味を発揮しやすい環境を作り出せるだろう。

アンドレ・ゴメス(ポルトガル代表/背番号21)
生年月日:1993年7月30日(27歳)
19/20リーグ戦成績:19試合出場/0得点1アシスト

 昨季は受難の1年だった。昨年11月のトッテナム戦でソン・フンミンの激しいタックルを受け、右足首の脱臼骨折という重傷を負って長期離脱を強いられた。しかし、今年2月下旬に復帰すると本来の姿を取り戻し、特に6月の中断明けはチームに欠かせないキーマンの1人になっていた。

 長身でゆったりとした動きではあるが、優れたプレービジョンを持ち、パスやドリブルでゲームを組み立てながら鋭いラストパスを打ち込んでいく。本人曰く「地獄」だったバルセロナ時代の不振を払拭し、イングランドで躍動感を完全に取り戻した。

FW

ハメス・ロドリゲス(コロンビア代表/背番号19)
生年月日:1991年7月12日(29歳)
19/20リーグ戦成績:8試合出場/1得点1アシスト(レアル・マドリード)

 ジネディーヌ・ジダン監督のもとでは完全に居場所を失っていたが、レアル・マドリードやバイエルン・ミュンヘンでハメスを指導した経験を持つアンチェロッティ監督は諦めていなかった。クオリティに疑いはなく、コンディションさえ万全であればピッチ上に違いを作れる稀有な才能をフルに発揮できるはずだ。

 初上陸のプレミアリーグで、開幕戦からさっそく実力を遺憾なく発揮した。右サイドから正確なパスやカットインで崩しに関わり、左足のサイドチェンジも冴え渡った。クラシカルな10番気質があり、守備面での貢献はそれほど望めないが、しっかりと環境さえ与えればまばゆい輝きを放つ。

リシャルリソン(ブラジル代表/背番号7)
生年月日:1997年5月10日(23歳)
19/20リーグ戦成績:36試合出場/13得点3アシスト

 昨季はチームが12位と低迷する中、抜群のスピードとスキルで違いを作り、13得点を挙げた。プレミアリーグでの二桁得点は2シーズン連続で、エースの風格を醸し出す。ブラジル代表としてコパ・アメリカ制覇の一員となったことも自信を深めたか。

 1トップ、2トップの一角、3トップのウィングなど複数のポジションを柔軟にこなし、スコアラーにもアシスト役にもなれる汎用性は大きな魅力。トッテナムとの今季開幕戦では左サイドで巧みにフリーになり、ハメスからのサイドチェンジを何度も引き出した。ピッチを出れば物腰柔らかで理知的で、誰にでも壁を作らず接する人格者としても知られる。

ドミニク・キャルバート=ルーウィン(イングランド/背番号9)
生年月日:1997年3月16日(23歳)
19/20リーグ戦成績:36試合出場/13得点1アシスト

 在籍4シーズン目だった昨季、自身初のプレミアリーグ二桁得点を達成して、ようやくエースとしての立場を確立しつつある。リシャルリソンと同じく13得点を挙げ、2人で奪った26点はチーム総得点の約6割を占めた。

 長身で安定したポストワークやヘディングの強さを備え、こぼれ球に素早く反応するようなゴール前での嗅覚にも優れる。今季のプレミアリーグ開幕戦ではさっそくディーニュのフリーキックに頭で合わせて初得点を記録。このまま順調にゴールを重ねられれば、イングランド代表招集も近いかもしれない。