GK

 バイエルン・ミュンヘンは昨季、リーグ戦と国内カップ戦、そしてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)を制して三冠を達成した。そのチームは新シーズンに向けてさらにパワーアップを遂げている。クラブに数々の栄光をもたらしてきたレジェンドの背番号を継承する者も決まった。そこで今回は、20/21シーズンのレギュラー定着が予想される11人を基本フォーメーションとともに紹介する。

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マヌエル・ノイアー(ドイツ代表/背番号1)
生年月日:1986年3月27日(34歳)
19/20リーグ戦成績:33試合出場/31失点

 30代中盤になっても圧倒的な存在感は衰えず、むしろパフォーマンスのレベルは上がっている。昨季はキャプテンとしても抜群のリーダーシップでチームを引っ張り、CL制覇、ブンデスリーガ優勝、DFBポカール優勝の三冠達成に寄与した。特に欧州最高峰のプレーが要求されるCLで決勝まで11試合に出場し、わずか8失点は驚異的な成績だ。

 新型コロナウイルス感染拡大にともなうロックダウン期間にも、自宅の庭とおぼしき場所にゴールを設置してコーチとともに激しいトレーニングに取り組んでいる様子がバイエルンの公式YouTubeチャンネルに配信されていた。そういった小さな努力の積み重ねが、中断明けの力強さにつながっていたのか。シャルケからアレクサンダー・ニューベルも加わったが、まだまだ正守護神の座を譲るつもりはない。

DF

バンジャマン・パヴァール(フランス代表/背番号5)
生年月日:1996年3月28日(24歳)
19/20リーグ戦成績:32試合出場/4得点5アシスト

 バイエルン加入1年目で右サイドバックのレギュラーに定着し、チーム状況によってセンターバックや左サイドバックにも対応するなど汎用性も際立った。アスリートとしての能力が高く、無理が利くフィジカルも年間を通じた好パフォーマンスの一因だろう。

 7月末の練習中に左足首のじん帯を損傷してしまい、翌月再開されたCLでは決勝の舞台に立てなかった。ただ、それまで故障者続出の最終ラインを支えてきたた1人なのは間違いない。体調を万全にして臨める新シーズンも、継続性の高さを示したいところだ。

ニクラス・ジューレ(ドイツ代表/背番号4)
生年月日:1995年9月3日(25歳)
19/20リーグ戦成績:8試合出場/0得点1アシスト

 昨年10月に左ひざの前十字じん帯断裂という大怪我を負い、リーグ戦の出場は8試合のみにとどまった。今年8月のCLで実戦復帰を果たしたものの、出場した4試合は全てベンチから。本格的な復帰は2020/21シーズンからになる。

 ジューレの不在は最終ラインに混乱をもたらした。故障者の続出によってダビド・アラバやバンジャマン・パヴァールのセンターバック起用にめどが立ったのはプラス要素だが、ずっとそれに頼るわけにはいかない。無敵の対人戦やセットプレー時の得点力など世界屈指のパワフルさを誇るディフェンスリーダーの完全復活が待たれる。

ダビド・アラバ(オーストリア代表/背番号27)
生年月日:1992年6月24日(28歳)
19/20リーグ戦成績:28試合出場/1得点1アシスト

 GK以外あらゆるポジションでプレーできる究極のマルチロールだ。頑強な肉体と抜群のスピードはセンターバックでも大いに発揮された。アラバが最終ラインの中央にいることで、相手も簡単に裏を狙うことはできない。

 さらにサイドバックらしいボールの持ち上がりでビルドアップを助け、攻撃的MF的気質でパスワークを円滑に進めることもできる。精神的にも充実しており、若いアルフォンソ・デイビスらの模範にもなるだろう。

アルフォンソ・デイビス(カナダ代表/背番号19)
生年月日:2000年11月2日(19歳)
19/20リーグ戦成績:29試合出場/3得点4アシスト

 2019/20シーズンのバイエルンにおける最大の発見であり、ブンデスリーガ全体で見ても最高のタレントであることをプレーで証明した。驚異的なスピードで相手の突破を阻止し、豪快なオーバーラップでゴール前に進出してクロスやシュートを放つなど、文字通り「躍動」した。

 パリ・サンジェルマンとのCL決勝にも先発出場してチームの優勝に貢献。本来の左ウィングから左サイドバックに下がっても成長はとどまるところを知らず、19歳にしてワールドクラスの仲間入りを果たしつつある。

MF

ヨシュア・キミッヒ(ドイツ代表/背番号32)
生年月日:1995年2月8日(25歳)
19/20リーグ戦成績:33試合出場/4得点9アシスト

 セントラルMFとして試合の流れをコントロールし、正確無比のキックで決定機にも数多く関与した。8月に再開したCLでは負傷離脱したパヴァールの穴を埋めて右サイドバックもこなし、優勝の立役者の1人となった。

 知的でリーダーシップに優れ、大舞台にも強く、いよいよ支配的な影響力を発揮するようにもなってきている。まだ25歳だが、貫禄や風格はもはやベテランのようだ。

レオン・ゴレツカ(ドイツ代表/背番号18)
生年月日:1995年2月6日(25歳)
19/20リーグ戦成績:24試合出場/6得点9アシスト

 もともとはアタッカー気質の強い選手で、ドリブルで中央突破を仕掛けられる技術やスピード、地を這うような強烈なシュートによる高い得点力が武器だった。昨季はより一層力強さが増し、攻守に奔走するパワフルかつテクニカルな総合力の高いセントラルMFへと進化しつつある。

 特に新型コロナウイルス感染拡大にともなうロックダウン期間中に大幅な肉体改造に成功し、まるで別人のような身体になったことで世界を驚かせた。プレーの継続性も高まり、キミッヒとのコンビは世界屈指だ。

トーマス・ミュラー(元ドイツ代表/背番号25)
生年月日:1989年9月13日(31歳)
19/20リーグ戦成績:33試合出場/8得点21アシスト

 ニコ・コヴァチ監督のもとでは不遇だったが、ハンジ・フリック体制で見事に復活を遂げた。自身が持っていたブンデスリーガのアシスト記録を塗り替え、限界説を払拭するどころか、キャリアの絶頂期を謳歌している。

 神出鬼没のポジショニングでディフェンスの視界の外から現れ、ゴール前でいつの間にかフリーになっている様はもはや職人芸の域。決定的なチャンスには、ことごとくミュラーが絡んでいる。チームリーダーの1人としての存在感も大きいが、ギャグセンスに向上の余地ありか。記者会見で同僚を褒め称えた「レヴァン“ゴール”スキ」というジョークは盛大にスベった。

FW

セルジュ・ニャブリ(ドイツ代表/背番号7)
生年月日:1995年7月14日(25歳)
19/20リーグ戦成績:31試合出場/12得点11アシスト

 新シーズンから背番号を変更し、かつてフランク・リベリが着けていた「7」を託された。昨季はリーグ戦での二桁得点&二桁アシストのみならず、優勝したCLでも10試合の出場で9得点と自身最高の1年を過ごした。

 切れ味抜群のドリブルに磨きがかかり、カットインしてからのフィニッシュもお手の物。背番号変更はクラブからの期待の表れでもあるはず。レジェンドから受け継いだ「7」に、さらなる飛躍で応えたい。

レロイ・ザネ(ドイツ代表/背番号10)
生年月日:1996年1月11日(24歳)
19/20リーグ戦成績:1試合出場/0得点0アシスト(マンチェスター・シティ)

 昨季はFAコミュニティシールドで右ひざの十字じん帯を断裂し、ほぼ1年棒に振ってしまった。リーグ戦の出場は6月の再開後の1試合だけで、ピッチに立ったのは11分間。念願だったバイエルン移籍が叶い、2020/21シーズンは完全復活の期待がかかる。

 クラブから託された「10」は、フローニンゲンで現役復帰を果たしたアリエン・ロッベンがバイエルンで長年着用していた背番号。失った時間は取り戻せないが、新天地で再起し、絶好調時の輝きを取り戻せるだろうか。

ロベルト・レヴァンドフスキ(ポーランド代表/背番号9)
生年月日:1988年8月21日(32歳)
19/20リーグ戦成績:31試合出場/34得点1アシスト

 リーグ戦での34得点は自己最多記録だ。1試合1得点以上のペースでゴールネットを揺らし続け、CLでも10試合出場で15得点と圧倒的な数字を残して得点王に輝いた。また、ドイツ年間最優秀選手の称号も手にしている。

 32歳になっても肉体的な衰えは全くなく、むしろ洗練されていっている印象だ。タフさはまるでサイボーグのようで、どんな形からもゴールを奪えるパーフェクトな能力を備える。また、前線のプレッシングもサボらず守備の起点にもなれるなど攻守両面で絶大な存在感を発揮している。