GK

 かつて世界の頂点にも立った名門ミランだが、近年は低迷を強いられている。しかし、昨季はズラタン・イブラヒモビッチの加入などもあり、復活を予感させるようなハイパフォーマンスを披露。ポジティブな雰囲気を維持したまま、「勝負の1年」を迎えることになる。今回は、20/21シーズンのレギュラーが予想される11人を基本フォーメーションとともに紹介する。

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ジャンルイジ・ドンナルンマ(イタリア代表/背番号99)
生年月日:1999年2月25日(21歳)
19/20リーグ戦成績:36試合出場/42失点

 シニシャ・ミハイロビッチ監督に才能を見出され、セリエAデビューを果たしたのは2015年のこと。以降ミランの正守護神に完全定着し、「ワールドクラスのGK」と称されるようになった。現在21歳ながらミランでの公式戦出場数200試合超えという成績は、見事の一言に尽きる。

 ビッグクラブへの移籍も噂されているが、「ロッソネリの色は僕にとって大きな意味を持つ」とミラン愛を強調してきた。軽率なミスも目立たなくなってきているなどプレー面も成熟しており、頼もしさもますます増している。今季もチームを救い続けてくれるだろう。

DF

アンドレア・コンティ(イタリア/背番号14)
生年月日:1994年3月2日(26歳)
19/20リーグ戦成績:23試合出場/0得点2アシスト

 アタランタからミランに加入して以降は負傷続きでなかなか出番を得ることができなかったが、昨季はリーグ戦23試合に出場。スピード豊かな突破力やまずまずの精度を誇るクロスを武器に、右サイドで大いに奮闘した。選手本人にとっても、自信を取り戻すシーズンとなっただろう。

 しかし、守備対応がそこまで優れているとは言えず、パフォーマンスの波も激しい。負傷癖もあるなど、右サイドバックの絶対的存在とは言えないのが現状だ。今季はダビデ・カラブリアや新加入のピエール・カルルらと激しいポジション争いを繰り広げることになるはずだ。

シモン・ケアー(デンマーク代表/背番号24)
生年月日:1989年3月26日(31歳)
19/20リーグ戦成績:5試合出場/0得点0アシスト(アタランタ)
19/20リーグ戦成績:15試合出場/0得点0アシスト

 昨季、セビージャより移籍したアタランタではリーグ戦5試合の出場に留まったが、冬に加入したミランでは瞬く間にセンターバックのファーストチョイスに君臨。これまで数多くの舞台で培ったスキルを活かし、心許なかったミランの最終ラインに安定感をもたらしていた。

 身長191cm・体重84kgという恵まれた体躯を活かしたパワフルな守備が持ち味であり、ボールの行き先を鋭く読んでピンチの芽を摘むなどクレバーなプレーも光る。そして、高質なロングフィードを駆使して攻撃の起点となることも可能。今季もハイパフォーマンスに期待したい。

アレッシオ・ロマニョーリ(イタリア代表/背番号13)
生年月日:1995年1月12日(25歳)
19/20リーグ戦成績:35試合出場/1得点0アシスト

 アレッサンドロ・ネスタがかつて身に着けていた背番号13、そしてパオロ・マルディーニらが巻いたキャプテンマークを引き継いだ25歳の守備職人。現在のミランにおいて替えの効かない選手の一人であり、ピッチ内外で復権を目指すチームをサポートしている。

 攻撃の起点となりそうなポストプレーヤーを確実に潰すなどとにかく対人戦に強く、カバーリングやビルドアップといった能力も高い。冷静な判断力も光り、軽率な飛び出しをあまり多くみせない点も魅力的だ。今季は怪我の影響で開幕数試合を欠場することが濃厚だが、復帰すれば主力として再び奮闘するだろう。

テオ・エルナンデス(フランス/背番号19)
生年月日:1997年10月6日(22歳)
19/20リーグ戦成績:33試合出場/6得点5アシスト

 昨季レアル・マドリードからやって来たレフティーは、イタリアの地で強烈なインパクトを残した。それまで左サイドバックを担っていたリカルド・ロドリゲス(現トリノ)から定位置を奪うと、圧巻の攻撃力を発揮。DFながら最終的にリーグ戦33試合の出場で6得点5アシストの成績を収めている。

 爆発的なスピードと敵を次々と無力化するフィジカルを活かした突破力、そしてボールを叩き潰さんとばかりの強烈な左足キックは、どのクラブにとっても大きな脅威となった。まさに、過去のガレス・ベイルを彷彿とさせるような存在と言えるだろう。今季もその破壊力から目が離せない。

MF

イスマエル・ベナセル(アルジェリア代表/背番号4)
生年月日:1997年12月1日(22歳)
19/20リーグ戦成績:31試合出場/1得点0アシスト

 アフリカネーションズカップMVPに輝き、大きな期待を背負って昨夏にミランの一員となった。そして、すぐにポジションを確保すると、非凡なパスセンスを武器に攻撃を組み立て、守備面ではカードを恐れないハードな対応でボールホルダーに自由を与えないなど、中盤で申し分ない働きを披露した。

 昨季の活躍で大きく評価を伸ばしたレフティーが今季も重要な戦力として数えられているのは間違いないだろう。ただ、今夏ミランには「アンドレア・ピルロ二世」と呼び声高いサンドロ・トナーリが加わった。そのため、中盤のポジション争いは昨季よりも白熱することになるはずだ。

フランク・ケシエ(コートジボワール代表/背番号79)
生年月日:1996年12月19日(23歳)
19/20リーグ戦成績:35試合出場/4得点1アシスト

 近年は放出候補に挙がることもあったが、昨季のパフォーマンスは目を見張るものがあった。とくにステファノ・ピオーリ監督就任後の勢いは凄まじく、中盤でのびのびとプレー。ミランが後半戦に勝ち点を荒稼ぎできた理由の一つに、この男の活躍があったと言っても過言ではなかった。

 もともと豊富な運動量やパワーには定評があったが、ここ最近はポジショニングや判断力にも磨きがかかるなど、クレバーなプレーでも強みを出せるように。そして、イスマエル・ベナセルとのコンビネーションもピカイチだ。あとは、よりパスやシュートの精度を向上させていきたい。

ハカン・チャルハノール(トルコ代表/背番号10)
生年月日:1994年2月8日(26歳)
19/20リーグ戦成績:35試合出場/9得点9アシスト

 伝統あるミランの背番号10を身に着けるトルコ代表MFだ。2018/19シーズンは不完全燃焼に終わったが、昨季後半は最も得意とするトップ下を任されたこともあり、ハイレベルなプレーを継続。最終的にはリーグ戦35試合で9得点9アシストと、近年で最も良い成績を収めることになった。

 非凡なパスセンスを武器に攻撃のリズムを生み出すことが可能で、隙があればドリブルでスペースへ侵入していくことも。精度、威力ともに十分なミドルシュートも秀逸だ。また、とにかく運動量が豊富で広範囲でのハードワークを怠らないなど、守備面での貢献度もかなり高い。

FW

サム・カスティジェホ(スペイン/背番号7)
生年月日:1995年1月18日(25歳)
19/20リーグ戦成績:22試合出場/2得点3アシスト

 スソ(現セビージャ)からポジションを奪ったレフティーだ。単独でサイドを崩し切るほどの突破力は兼ね備えていないが、周りとうまく連係しながらアクションを起こすことができる選手で、ジェンナーロ・ガットゥーゾ監督の下で身に着けた献身性も魅力。派手さはないが、重要なピースとなっている。

 ちなみに、今夏ミランに新加入したブラヒム・ディアスとは過去にマラガの下部組織で共闘。ディアスも「彼とは特別な関係にあるんだ」とコメントしている。同じポジションのライバルとして、そして友として、二人はミランでも良い関係を築いていけるだろう。

ズラタン・イブラヒモビッチ(元スウェーデン代表/背番号11)
生年月日:1981年10月3日(38歳)
19/20リーグ戦成績:18試合出場/10得点5アシスト

 38歳となってもなお技術面は衰えておらず、とにかく立っているだけで相手の脅威となるような存在感は圧巻。昨季は途中加入だったにもかかわらずリーグ戦では二桁得点を記録するなど、改めて「世界最高」を世に証明した。この男がいなければ、ミランが変わることは絶対に不可能だったと言える。

 今夏にはミラン退団の噂が流れたが、8月下旬に新たに1年契約を締結することが発表された。また、背番号はそれまでの「21」から「11」へ変更。「俺の番号だからな」とイブラ節も炸裂した。期待値は当然ながら大きいが、スウェーデンの王様はミランを再び高みへと導くことができるか。

アンテ・レビッチ(クロアチア代表/背番号12)
生年月日:1993年9月21日(26歳)
19/20リーグ戦成績:1試合出場/0得点0アシスト(フランクフルト)
19/20リーグ戦成績:26試合出場/11得点3アシスト

 フランクフルトから期限付きで加入した昨季は序盤こそ出番がなかったが、年明け以降出場機会を掴むと大爆発。最終的には自身キャリアハイとなる公式戦12得点をマークした。クラブはその活躍を大きく評価し、今季より完全移籍という形でチームに残留させることを発表している。

 身長185cmと大柄なアタッカーは類稀なパワーとスピードの両方を兼ね備えており、ゴリゴリとした突破で相手守備陣を切り裂くことが可能。ゴール前での落ち着きぶりも際立っており、様々なパターンから得点を奪う恐ろしさも秘めている。ミランで迎える2年目もしっかりと爪痕を残したい。

フォーメーション

▽GK
ジャンルイジ・ドンナルンマ

▽DF
アンドレア・コンティ
シモン・ケアー
アレッシオ・ロマニョーリ
テオ・エルナンデス

▽MF
イスマエル・ベナセル
フランク・ケシエ
ハカン・チャルハノール

▽FW
サム・カスティジェホ
ズラタン・イブラヒモビッチ
アンテ・レビッチ

監督
ステファノ・ピオーリ