GK

 日本代表は今月9日にカメルーン代表と、同13日にコートジボワール代表とオランダで国際親善試合を行う。1日には森保一監督が史上初めて欧州組のみで構成された招集メンバー25人を発表した。そこで今回は、約1年ぶりの日本代表合宿に招集されたGKとDFの所属クラブでの現状やパフォーマンスをチェックしていく。

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川島永嗣(ストラスブール/フランス1部)
生年月日:1983年3月20日(37歳)
19/20リーグ戦成績:0試合出場/0失点
20/21リーグ戦成績:2試合出場/5失点
日本代表通算成績:91試合出場/97失点

 第3GKとして過ごした昨季は公式戦のピッチに一度も立てなかったが、今季は開幕戦で約1年3ヶ月ぶりに先発出場のチャンスがめぐってきた。シーズン開幕前に正守護神のマッツ・セルスがアキレス腱断裂の大怪我を負い、本来は第2GKのビングル・カマラも新型コロナウイルス感染からの復帰途上にあったためだった。

 開幕から2試合連続でゴールマウスを守った川島は計5失点を喫したものの、チームが連敗した中でもGKとして安定感あるパフォーマンスを披露。現地でも高い評価を得た。経験値も実力も、いまだ日本トップクラスにあることを実戦の場で証明して約1年ぶりの日本代表活動に臨む。

権田修一(ポルティモネンセ/ポルトガル1部)
生年月日:1989年3月3日(31歳)
19/20リーグ戦成績:14試合出場/18失点
20/21リーグ戦成績:0試合出場/0失点
日本代表通算成績:16試合出場/9失点

 昨季は後半戦に正守護神の座を勝ち取り、リーグ戦14試合に出場した。19節終了時点でわずか2勝だったチームは権田の主力定着とともに徐々に調子を上げ、6月の中断明けからは5勝を挙げた。

 それでも勝ち点でわずかに及ばず17位で2部降格となる予定だったが、残留圏内にいたヴィトーリア・セトゥーバルが財政問題でライセンス不交付となって3部降格処分に。それにともなってポルティモネンセの1部残留が決まった。新シーズンはすでに開幕しているが、権田はいまだに1試合もベンチ入りできておらず、昨季の第3GKがゴールを守る状況が続いている。コンディションにやや不安があるかもしれない。

シュミット・ダニエル(シント=トロイデンVV/ベルギー1部)
生年月日:1992年2月3日(28歳)
19/20リーグ戦成績:20試合出場/37失点
20/21リーグ戦成績:0試合出場/0失点
日本代表通算成績:5試合出場/2失点

 昨季は欧州移籍1年目ながら、ケニー・ステッペの負傷離脱にともなって正守護神としてリーグ戦20試合に出場した。しかし、冬の合宿中に右足を負傷してしまい、離脱中に新型コロナウイルスの感染が広がってリーグ戦は途中終了。シーズン中の復帰は叶わなかった。

 8月に開幕した新シーズンの公式戦出場はまだないが、長引いた負傷もようやく癒えてチーム練習には復帰しており、練習試合などもこなしている。昨季はお粗末な失点を重ねる不安定なディフェンス陣の崩壊を止めようと奮闘しながらも悔しい結果に終わってしまっただけに、日本代表合宿をステッペから再びポジションを奪うための良いきっかけにしたいところだ。

センターバック(1)

冨安健洋(ボローニャ/イタリア1部)
生年月日:1998年11月5日(21歳)
19/20リーグ戦成績:29試合出場/1得点3アシスト
20/21リーグ戦成績:2試合出場/0得点0アシスト
日本代表通算成績:18試合出場/1得点

 セリエA移籍から2年目を迎えて評価はうなぎ上りだ。今夏はローマ行きが噂され、移籍市場閉幕間近になった現在はミランへの移籍が取りざたされる。イタリア国内でも注目されるDFへと成長を遂げた。

 昨季は主に右サイドバックとして起用されてイタリアの守備文化や緻密な戦術を体得しつつ、攻撃面でも違いを生み出せることを証明した。今季は経験豊富なベテランDFダニーロの隣でセンターバックとして重用されており、プレーには昨季以上の力強さや安心感が見られる。ミラン戦ではズラタン・イブラヒモヴィッチに空中戦で競り勝つなど成長著しい冨安は、サムライブルーの頼もしい柱の1人だ。

植田直通(セルクル・ブルージュ/ベルギー1部)
生年月日:1994年10月24日(25歳)
19/20リーグ戦成績:19試合出場/0得点0アシスト
20/21リーグ戦成績:6試合出場/0得点0アシスト
日本代表通算成績:11試合出場/0得点

 昨季は前半戦こそレギュラーとして試合に出場し続けていたが、全くと言っていいほどチームが勝てず、後半戦は出番が激減した。植田からポジションを奪ったのは期限付き移籍で他国のクラブから借り受けた選手たちだった。

 しかし、今季はそのレンタル組の選手たちがセルクル・ブルージュを退団し、監督交代もあって評価が再上昇。リーグ戦では7節終了時点で1試合を除いた全ての試合に先発フル出場している。そしてチームとしても3勝4敗と昨季以上の好スタートを切れており、心身共に充実した状態で日本代表に合流できるだろう。

<h2 id="anker3">センターバック(2)

吉田麻也(サンプドリア/イタリア1部)
生年月日:1988年8月24日(32歳)
19/20リーグ戦成績:8試合出場/0得点0アシスト(サウサンプトン)
19/20リーグ戦成績:14試合出場/0得点0アシスト(サンプドリア)
20/21リーグ戦成績:1試合出場/0得点0アシスト
日本代表通算成績:100試合出場/11得点

 昨季はシーズン途中で出番の限られていたサウサンプトンからイタリアに新天地を求め、サンプドリアへ移籍。初挑戦のセリエAでも難なく順応し、チームの残留に大きく貢献した。まだ移籍から半年ほどしか経っていないにも関わらず、イタリア語でインタビューをこなすなど驚異的な語学力の向上ぶりを披露して、改めてプロフェッショナルとしてのあるべき姿も示した。

 半年の“試用期間”を経て完全移籍に切り替わった今季は、まだ先発起用がなく開幕戦のユベントス戦に後半から出場したのみとなっている。それでもプレシーズンでは中盤での可能性も試されるなどクラウディオ・ラニエリ監督からの信頼は厚く、不安材料は少ない。約1年ぶりの日本代表戦でも健在ぶりをアピールしたいところだ。

板倉滉(フローニンゲン/オランダ1部)
生年月日:1997年1月27日(23歳)
19/20リーグ戦成績:22試合出場/0得点0アシスト
20/21リーグ戦成績:3試合出場/0得点0アシスト
日本代表通算成績:2試合出場/0得点

 マンチェスター・シティからフローニンゲンへの期限付き移籍は今季で3シーズン目を迎えている。昨季は開幕からセンターバックの主力に定着し、年末から2月にかけてやや出番を減らした時期もありながら、中止が決まるまでのリーグ戦26試合中22試合でピッチに立った。

 今季は背番号を「17」から「5」に変更し、開幕から3試合連続で先発フル出場。アリエン・ロッベンが現役復帰してきたチームで主軸を担い、センターバックとして心身ともに逞しさが増している。

<h2 id="anker4">右サイドバック

酒井宏樹(マルセイユ/フランス1部)
生年月日:1990年4月12日(30歳)
19/20リーグ戦成績:21試合出場/0得点0アシスト
20/21リーグ戦成績:5試合出場/0得点0アシスト
日本代表通算成績:61試合出場/1得点

 抜群の安定感で名門マルセイユの右サイドバックとして絶対的な地位を築いている。昨季は左サイドでの起用にも応えた。3月に新型コロナウイルスの影響でリーグ戦の中止が決まると、痛みを抱えながらプレーしていた左足首の手術に踏み切り、リハビリを経て新シーズン開幕に無事間に合った。

 今季も右サイドバックのファーストチョイスとしての立場は揺らがず、逆サイドには長友佑都も加入したことでモチベーションもさらに高まっているはず。日本代表でも酒井宏樹と同等のレベルで争えるライバルは実質的に不在のため、前線の選手以上に替えの効かない選手とも言える。

室屋成(ハノーファー/ドイツ2部)
生年月日:1994年4月5日(26歳)
2020リーグ戦成績:10試合出場/1得点1アシスト(FC東京)
20/21リーグ戦成績:2試合出場/0得点0アシスト(ハノーファー)
日本代表通算成績:10試合出場/0得点

 新型コロナウイルスの感染が全世界的に広がり、欧州のマーケットの動きも鈍い夏だったが、室屋成はFC東京からハノーファーへの移籍を決断した。自身初の海外挑戦になるが、すでに右サイドバックとしてリーグ戦開幕から2試合連続で先発出場、DFBポカールでもフル出場を果たしている。

 チームメイトには原口元気もおり、ドイツを知り尽くした日本人の先輩の存在は心強いはず。酒井の壁は高いが、欧州で武器に磨きをかけてさらに成長し、日本代表でもレギュラーの座を脅かす存在になっていきたいところだ。

菅原由勢(AZアルクマール/オランダ1部)※初招集
生年月日:2000年6月28日(20歳)
19/20リーグ戦成績:16試合出場/2得点1アシスト
20/21リーグ戦成績:1試合出場/0得点0アシスト
日本代表通算成績:0試合出場/0得点

 史上初めて欧州組のみでの活動になった日本代表において、唯一の初招集は菅原だった。昨季はAZで主に右サイドバックとしてプレーしたが、ノルウェー代表のヨナス・スヴェンソンの牙城を崩すには至らず。それでもELでマンチェスター・ユナイテッドと対戦するなど貴重な経験を数多く積んだ。

 森保監督はオランダ遠征に向けた招集メンバー発表会見で「将来A代表に十分絡んでくるだろうという期待も込めて」選考したと明かした。「とにかく貪欲に、活動の中で成長につながる吸収を」という東京五輪代表監督も兼任する指揮官の期待に応えられるか。

<h2 id="anker5">左サイドバック

長友佑都(マルセイユ/フランス1部)
生年月日:1986年9月12日(34歳)
19/20リーグ戦成績:15試合出場/1得点0アシスト(ガラタサライ)
20/21リーグ戦成績:2試合出場/0得点0アシスト(マルセイユ)
日本代表通算成績:122試合出場/4得点

 ガラタサライでの最後の半年は、外国籍選手枠の関係でトップチームの登録から外れ、練習はできても公式戦に出場できないという苦しい時間が続いた。YouTubeチャンネルの開設など新しいチャレンジにも取り組んでいたが、やはりサッカー選手として試合でプレーできないことで失ったものもあるだろう。

 今夏は一時的な無所属期間を経て、左サイドバックの不足に悩まされていたマルセイユのオファーを快諾。欧州3ヶ国目となる新天地で酒井とチームメイトになった。半年以上にわたって実戦から遠ざかっていた影響もあってか、デビュー戦も含め、まだ期待通りのパフォーマンスを見せられているとは言い難い。日本代表活動も生かしてトップフォームを取り戻すきっかけをつかめるか。34歳、正念場だ。

安西幸輝(ポルティモネンセ/ポルトガル1部)
生年月日:1995年5月31日(25歳)
19/20リーグ戦成績:23試合出場/1得点1アシスト
20/21リーグ戦成績:1試合出場/0得点0アシスト
日本代表通算成績:4試合出場/0得点

 欧州挑戦1年目だった昨季はシーズン開幕から主力に定着するも、監督交代にともなって出番が激減した。今年2月に就任したパウロ・セルジオ監督のもとではベンチ入りもままならない状況が続き、今季も1試合の途中出場にとどまっている。

 やはり課題になっているのは守備面の軽さだろう。攻撃では積極的なオーバーラップなどで存在感を見せていたが、ポルティモネンセではシーズン途中から起用ポジションが1列前になるなど、サイドバックとして信頼を掴みきれなかった。現状の日本代表では左サイドバックのバックアップとして考えられているだろうが、定着とポジション奪取のためにはより一層の成長が求められる。