「日本代表は少し余裕を持ちすぎ」

日本代表は現地時間13日、国際親善試合でパナマ代表と対戦し、1-0で日本代表が勝利を収めた。この試合中、日本サッカーに精通するイングランド人ライターのショーン・キャロル氏に随時話を聞いた。(語り手:ショーン・キャロル)
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――本日もよろしくお願いします。10月の2試合で出場機会がなかった三好康児や、不参加となった長友佑都が先発メンバーに名を連ねています。

「いつものメンバーとちょっと違うので、いろんな選手にアピールのチャンスがあります。メンバーを見ると3バックのようですね。記事にも書いたけど、3バックの1人として植田(直通)に期待したい」

――植田のようなタイプの選手は日本には少ないですよね。

「フィジカルはもちろんですが、メンタルも強いと思う。ディフェンスではプラスになれると思う」

――開始早々に獲得したFKから、橋本拳人がヘディングシュートを放ちました。橋本はロシアで得点を重ねています。

「すぐに慣れたようですね。Jリーグからヨーロッパに移籍して成長する選手がどんどん出てきてほしい。違う位置でプレーすればスタイルも変わるし、新しい武器も加わると思う」

――パナマ代表はボールをつないできますね。

「日本代表は少し余裕を持ちすぎだね。あの位置(自陣)ではスペースを与えない方がいい。逆に日本代表はセットプレーから危険な場面を作れそう」

「チャンスを作るためのスペースがあまりない」

――パナマ代表とは対照的に、前半の日本代表はボールを持ってもなかなか前に進めません。

「狭すぎますね。ウイングバックが上がれば久保(建英)と三好が活かせるスペースが生まれるのに」

――南野拓実、久保、三好のFW陣のプレーはどうでしょうか。

「だんだん良くなっているけど、まだ狭い。日本代表もパナマ代表も真ん中に選手が多いので、チャンスを作るためのスペースがあまりない。使うか使わないかに関わらず、ピッチをもっとワイドに広げてほしいですね」

――前半をスコアレスで終えました。

「0-0でハーフタイムまでいけたのは良かったです」

――前半はなかなかチャンスを作ることができませんでした。

「パナマ代表の守備は激しくて、常に2対1の状況になる。1対1の形が作れるようになればチャンスになると思います」

――一方で、ディフェンス面に目を向けると、前回の2試合から無失点を継続しています。

「パナマ代表の方がシュートを打っていたけど、ほぼミドルレンジや遠目からだったね。(日本代表が)エリアに入る余裕を与えてないのはいいことだと思います」

「『勝ちたい』というメッセージが伝わる」

――ハーフタイム時点で、この試合のポイントはどこになりそうですか?

「守備は前半と同様に激しく、コンパクトなままプレーしてほしい。そして攻撃はもっと早く、ワイドから人数をかけたほうがいい」

――後半から遠藤航が入りました。パナマ代表に攻められるシーンが続きましたが、長友のシュートブロックが光ります。

「本当にすごいね、長友は。エージレス」

――中盤で奪ってショートカウンターにつなげる場面は前半から何回かあったと思いますが、フィニッシュにはつなげられませんね。

「やっぱりウイングバックが攻撃参加すればチャンスになる」

――決定機を外した長友は、原口元気と交代で下がります。

「原口の方がより攻撃的でいいね。『このゲームに勝ちたい』というメッセージが伝わる」

――両ウイングバックが高い位置でフィニッシュにかかわる場面が増えています。

「さっき言った通りですね。森保監督はこのやりとりを見ているのかな?」

――遠藤の縦パスを起点に、久保からパスを受けた南野がGKに倒されてPKを獲得。南野が自らPKを成功させて日本代表は61分に先制しました。

「相手の激しい守備に対して苦労したときもあったけど、いいシーンもあったね。2人のようなトップクラスの選手はベストゲームじゃないときも貢献している」

「遠藤航が入ってからチームが良くなった」

――2人に代わって入ったのは浅野拓磨と鎌田大地です。

「森保監督は試合の終盤で浅野のスピードを活かしたいのかな」

――その浅野が裏に抜けるプレーで、相手GKのファウルを誘いました。

「レッドカードで間違いないね。すごく危険なプレーだった。パナマの選手はどんな文句を言っているんだろう…」

――遠藤の活躍が目立ちます。PKを獲得したシーンもそうでしたが、遠藤のパスから決定機が生まれています。

「遠藤は頭がいいですね。ゲームの流れをよく読んでいる」

「あれも良いパスだった。遠藤は守備も攻撃もできる。柴崎岳とはいいコンビになりそう」

――試合は南野のゴールを守り抜いた日本代表が1-0で勝利しました。

「前半は遅くて攻撃が機能しなかったけど、後半はいくつかチャンスを作っていた。人数をかけた攻撃の形は良くなったと思います」

――この試合で見えた課題はありますか?

「今日はあまり出なかったけど、1つ挙げるとしたら前半はプレッシャーが足りなかった。もっと強い相手にあのようにスペースを与えてしまうと、いつ失点してもおかしくなかった」

――この試合のマン・オブ・ザ・マッチを挙げるとすれば誰でしょうか。

「今日は遠藤かな。彼が入ってからチームが良くなった。守備は固くなったし、攻撃の起点になった。本当に成長しているから、未来は明るいですね」

――今日はありがとうございました!

▽語り手:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。「デイリーヨミウリ」「Jリーグ公式ウェブサイト」などにも寄稿。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーのJリーグ番組出演も。

【了】