GK

 ブンデスリーガは7節を消化した。新加入選手の適応や負傷者の発生などによって、開幕前に描いていたメンバー構成から変更を余儀なくされたチームもある。今回は、昨季UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を制したバイエルン・ミュンヘンの最新のスターティングメンバー11人をフォーメーションとともに紹介する(直近数試合のメンバーとフォーメーションを元に作成)。

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マヌエル・ノイアー(ドイツ代表/背番号1)
生年月日:1986年3月27日(34歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/11失点

 シャルケから若手GKアレクサンダー・ニューベルが加入しても、このチーム最年長の立場は揺るがない。チーム最年長でありキャプテンマークを巻くリーダーは、今季も欧州王者バイエルンのゴールマウスに君臨し続けている。

 ただ、リーグ戦でやや失点が増えているのは気がかりだ(それ以上に圧倒的な得点源がいるので勝てていれば問題ないのかもしれないが)。リーグ戦ではアルミニア・ビーレフェルトの堂安律、CLではレッドブル・ザルツブルクの奥川雅也と今季はすでに2人の日本人選手にゴールを決められた。

DF

バンジャマン・パヴァール(フランス代表/背番号5)
生年月日:1996年3月28日(24歳)
20/21リーグ戦成績:5試合出場/0得点0アシスト

 この屈強な右サイドバックが戦列に復帰したことで、ヨシュア・キミッヒは最も得意とするポジションに戻ることができた。ただ、復帰しても立場が安泰なわけではない。CLのレッドブル・ザルツブルク戦で不安定なプレーに終始し、批判を浴びた。ビーレフェルトの堂安にもまたを抜かれてシュートをブロックしきれず、ゴールを許してもいる。

 一方では今夏マルセイユから加入したブナ・サールが猛烈な追い上げを見せており、両サイドバックに対応する柔軟性も示して徐々に出場機会を増やしているところだ。現在は負傷を抱えており、リーグ戦で最も困難な相手であるボルシア・ドルトムントとの一戦にはサールが先発出場して勝利に貢献した。パヴァールにとっては今が正念場だろう。

ジェローム・ボアテング(元ドイツ代表/背番号17)
生年月日:1988年9月3日(32歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/0得点0アシスト

 今季終了とともに契約満了を迎えるが、クラブはハンジ・フリック監督のもとで復活を遂げたベテランDFとの契約を延長しないことに決めたと報じられている。とはいえ来夏のバイエルン退団が既定路線となりつつある中でも、ハイレベルなパフォーマンスを披露し続けている。

 この決断にボアテングは失望したとも言われおり、モチベーションも含めて今後のプレーに影響は出る可能性も否定はできない。またドイツ代表では相変わらず構想外状態が続いている。多くの選手が各国代表での活動に影響を受けがちなバイエルンにおいて、コンディション調整に時間を割ける貴重な戦力の1人でもあり、まだまだ頼られそうだが。

ダビド・アラバ(オーストリア代表/背番号27)
生年月日:1992年6月24日(28歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/1得点0アシスト

 プロキャリア10年以上をバイエルンに捧げてきた功労者であるアラバも、今季限りで退団となりそうだ。こちらはクラブが契約延長を望んでいたものの、本人が納得せず。ヘルベルト・ハイナー会長が「今後オファーを提示するつもりはない」と交渉打ち切りを明言しており、来夏の争奪戦が予想される。

 昨季途中から担うようになったセンターバックに固定されている今季も、フリック監督からの信頼は厚い。パフォーマンスも非常に高いレベルで安定し、GK以外のほとんどのポジションをこなせる究極のマルチロールということもあって、欧州各国のビッグクラブから引く手数多だろう。

リュカ・エルナンデス(フランス代表/背番号21)
生年月日:1996年2月14日(24歳)
20/21リーグ戦成績:5試合出場/0得点1アシスト

 昨季は19歳のアルフォンソ・デイビスが爆発的なスピードを武器にブレイクを果たしたが、開幕からなかなかコンディションが整わず、10月末のフランクフルト戦で足首のじん帯を損傷。年内の復帰は絶望的な状態となってしまった。

 センターバックも務められる高い身体能力の持ち主であるリュカにとっては大きなチャンス。特攻のようにガンガン前に出ていく攻撃的なスタイルで左サイドを制圧できれば、デイビス復帰後も主力の座を確保できるだろう。左右両サイドバックに対応するブナ・サールの台頭も著しいが、追いすがるライバルをかわせるか。

MF

ヨシュア・キミッヒ(ドイツ代表/背番号6)
生年月日:1995年2月8日(25歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/1得点4アシスト

 バイエルンの中盤を支配する将軍は、代表ウィーク直前のボルシア・ドルトムント戦で右ひざの半月板を痛めて手術を受けることになってしまった。攻守に抜群の存在感を放っていただけに、来年1月末までの長期離脱はチームにとって大きな痛手だ。

 今後、代役を務めることになるのはフランス代表のコランタン・トリッソだろうか。あるいはベテランのハビ・マルティネスや、新加入のスペイン人MFマルク・ロカも控えている。新たな中盤のポジション争いにも注目したい。

レオン・ゴレツカ(ドイツ代表/背番号18)
生年月日:1995年2月6日(25歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/1得点2アシスト

 キミッヒの長期離脱が決まり、中盤の軸としてこれまで以上のハイパフォーマンスが期待される。主将のノイアーがバイエルンに欠かせない選手の1人として、トーマス・ミュラーやロベルト・レヴァンドフスキ、ダビド・アラバと同等の価値があると名前を挙げたのがゴレツカだった。

 CLのグループステージ第2節、ロコモティフ・モスクワ戦でゴールを決めた際にパヴァールと熱い抱擁を交わすと、腕の筋肉がゴツすぎてユニフォームの左袖が縫い目に沿って裂けるという珍事もあった。リーダーシップを備えた25歳のセントラルMFは、精神面やパフォーマンスのみならず、肉体的にも驚異的な進歩を遂げている。

トーマス・ミュラー(元ドイツ代表/背番号25)
生年月日:1989年9月13日(31歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/4得点5アシスト

 昨季はブンデスリーガ記録を塗り替える21アシストを記録したが、今季もそれを超えるペースでアシストを量産している。リーグ戦ではすでに5アシスト、CLでも3試合で3アシストと多くのゴールを生み出してきた。

 さらに自らゴールを陥れるのも朝飯前。神出鬼没の動きでマークをかわし、いつの間にか危険なスペースに現れてゴールネットを揺らしている。ドイツ代表ではボアンテングと同様に構想外の扱いを受けているが、いまだにドイツ随一のアタッカーであることに疑いはない。

FW

キングスレイ・コマン(フランス代表/背番号29)
生年月日:1996年6月13日(24歳)
20/21リーグ戦成績:4試合出場/0得点1アシスト

 昨季まではジョーカー的な起用がメインだったが、ようやく本格開花の時がやってきたか。CLのアトレティコ・マドリード戦で見せた2得点1アシストは、コマンの進化を印象づけるのに十分なものだった。細かな負傷に悩まされ続け、殻を突き破れていなかったスピードスターは激しい定位置争いの中で一歩前に出ようとしている。

 とはいえ、いまだに定まり切らない唯一と言ってもいいポジションがコマンの務めるウィングだ。新加入のレロイ・ザネもゴールやアシストといった目に見える結果を残しており、ユベントスから復帰したドグラス・コスタなども虎視眈々とチャンスをうかがう。リーグ戦でもプレーの継続性をアピールしてフリック監督からの信頼を確かなものにしたい。

セルジュ・ニャブリ(ドイツ代表/背番号7)
生年月日:1995年7月14日(25歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/4得点1アシスト

 昨季は得点の奪えるウィングとして覚醒し、CL優勝に大きく貢献した。今季もハイペースにゴールを積み重ねており、崩しにおけるキーマンになっている。ザネやコマン、ドグラス・コスタが定位置を争う一方で、ニャブリの立場は絶対的になりつつあると言っていいだろう。

 10月中旬にはPCR検査で新型コロナウイルス陽性と判定され、一時的に戦列を離れることとなってしまった。しかし、これは再検査によって「偽陽性」だったことが明らかとなり、幸いにも隔離は短期間で終了。無事に復帰し、コンディションを落とすことなくプレーを続けている。

ロベルト・レヴァンドフスキ(ポーランド代表/背番号9)
生年月日:1988年8月21日(32歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/11得点4アシスト

 この男を止める術は存在するのだろうか。すでにリーグ戦では2度のハットトリックを含む11得点を挙げており、1試合にほぼ2得点のペースでゴールネットを揺らし続けている。アシストも含めて直接ゴールに関与した数で言えば、1試合にほぼ3得点に絡んでいる計算になる。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響によって中止されてしまった今年の「バロンドール」が例年通りに与えられるなら、間違いなくレヴァンドフスキが受賞していただろう。それでも先日、ポーランド人ラッパーのQuebonafideから「LEGO」で作られたバロンドールのトロフィーが贈られ、SNSで喜びの笑顔を見せた。

フォーメーション

▽GK
マヌエル・ノイアー

▽DF
バンジャマン・パヴァール
ジェローム・ボアテング
ダビド・アラバ
リュカ・エルナンデス

▽MF
ヨシュア・キミッヒ
レオン・ゴレツカ
トーマス・ミュラー

▽FW
キングスレイ・コマン
セルジュ・ニャブリ
ロベルト・レヴァンドフスキ