GK

 2006年から現職にある名将オスカル・タバレス監督は、11月13日のコロンビア代表戦でウルグアイ代表監督として通算100勝という偉業を達成した。73歳になった“マエストロ”が築き上げてきたチームは高齢化も心配されているが、2年後のカタールワールドカップに向けて徐々に世代交代も進んでいる。そこで今回は「ウルグアイ人の持つ不屈の闘志」を意味する“ガーラ・チャルーア”を胸に宿すウルグアイ代表の現在の主力メンバーをポジションごとに紹介していく(成績は2020年11月15日時点)。

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マルティン・カンパーニャ(アル・バティン/サウジアラビア1部)
生年月日:1989年5月29日(31歳)
ウルグアイ代表成績:8試合出場/10失点

 長年ウルグアイ代表を支えてきたフェルナンド・ムスレラの影に甘んじ、ベンチを温める時期が長かったため代表でのキャップ数が伸びていない。しかし、その絶対的な守護神は6月に所属するガラタサライの試合で右足の腓骨と脛骨を同時に骨折する大怪我を負い長期離脱となってしまった。

 そして回ってきたチャンスを生かし、カンパーニャは10月から3試合連続で先発起用されている。コパ・アメリカ2大会と2018年ロシアワールドカップでもメンバーに入り、主に南米で実績を積んできたベテランGKが、控えから脱してついに主役となるか。

DF

マルティン・カセレス(フィオレンティーナ/)
生年月日:1987年4月7日(33歳)
ウルグアイ代表成績:101試合出場/4得点6アシスト

 2007年に20歳でウルグアイ代表デビューを飾り、先月のエクアドル戦で通算100キャップを達成した重鎮だ。両サイドバックだけでなくセンターバックも高いレベルでこなす守備職人。対人の粘り強さや、南米人らしい狡猾さを併せ持つ。

 バルセロナ、セビージャ、ユベントスなど履歴書には錚々たるビッグクラブの名前が並ぶが、いかんせん負傷が多く、年間を通して活躍したシーズンはキャリアを通じてほとんどない。それでも昨季は健康体を維持してフィオレンティーナでリーグ戦27試合に出場し、今季も全試合フルタイム出場中。タバレス・チルドレンの象徴とも言えるベテランは、ウルグアイ代表でも右サイドバックとして健在ぶりを示している。

ホセ・マリア・ヒメネス(アトレティコ・マドリード/スペイン1部)
生年月日:1995年1月20日(25歳)
ウルグアイ代表成績:59試合出場/8得点1アシスト

 2014年に19歳で初めてワールドカップの舞台を経験し、代表でのキャリアは今年で8年目。にも関わらずキャップ数が伸び悩んでいるのは、故障の多さ故だ。だが、万全であれば実力は間違いなくワールドクラスで、そろそろディエゴ・ゴディンに衰えが見えるディフェンスラインの柱にならなければならない。

 身長はそこまで高くないものの、驚異的なジャンプ力を誇る空中戦の強さは抜群で、広範囲のカバーや1対1を苦にしないスピードやアジリティも備える。そして、アトレティコでディエゴ・シメオネ監督から仕込まれた闘争心とリーダーシップも特筆すべき点だ。故障が多いのも、厳しい場面でなまじ無理が利いてしまう身体能力の高さや、ゴールを守るうえでの責任感の強さが関係しているのかもしれない。

ディエゴ・ゴディン(カリアリ/イタリア1部)
生年月日:1986年2月16日(34歳)
ウルグアイ代表成績:138試合出場/8得点6アシスト

 もはや衰えは隠せない。アトレティコを退団してインテルに移籍した頃からパフォーマンスの低下が顕著で、以前のような威圧的な存在感はなくなってしまった。今夏からカリアリと3年契約を結んだものの、そこでも絶対的な地位を築けているとは言い難い。

 だが、ウルグアイ代表ではいまだに欠かせない存在であり続けている。同国代表の歴代通算キャップ数記録を塗り替え続ける不動のディフェンスリーダーで、ディエゴ・ルガーノから受け継いだ腕章を巻くことの意味を誰よりも深く理解した男だ。

マティアス・ヴィーニャ(パルメイラス/ブラジル1部)
生年月日:1997年11月9日(23歳)
ウルグアイ代表成績:9試合出場/0得点2アシスト

 母国の名門ナシオナルで台頭し、昨年9月にA代表デビュー。そして今年1月にはブラジルの強豪パルメイラスに移籍し、レギュラー格として活躍している。ロドリゴ・ベンタンクールやフェデリコ・バルベルデらとともに、2017年のU-20ワールドカップでベスト4に進出したメンバーの1人でもあった。

 パルメイラスでもウルグアイ代表でも本職の左サイドバックとして起用されているが、世代別代表などではセンターバックを務めた経験も持つ。すでに完全にレギュラー定着を果たした感があるものの、有事には複数ポジションで頼りになるマルチロールだ。

MF

ルーカス・トレイラ(アトレティコ・マドリード/スペイン1部)
生年月日:1996年2月11日(24歳)
ウルグアイ代表成績:25試合出場/0得点2アシスト

 この夏、アーセナルへ移籍したトーマス・パーティとのトレードの形でアトレティコ・マドリードに加入した小柄な守備的MF。ウルグアイ代表では10月までフェデリコ・バルベルデがベンタンクールの相方を務めることが多かったが、そのバルベルデが11月上旬に右足脛骨の亀裂骨折を負ってチャンスが回ってきた。

 相手の懐に入り込むような鋭いタックルやボール奪取能力が持ち味で、豊富な運動量を生かしピッチのいたるところに顔を出す。アーセナルでの挑戦は不完全燃焼に終わったものの、アトレティコでは徐々に存在感を増しつつあるところ。サンプドリア時代の躍動感を取り戻せれば、ウルグアイ代表でも十分に主力を張れる実力の持ち主だ。

ロドリゴ・ベンタンクール(ユベントス/イタリア1部)
生年月日:1997年6月25日(23歳)
ウルグアイ代表成績:32試合出場/0得点2アシスト

 ユベントスでは最近元気がなく、伸び悩みも指摘される。しかし、スカッド全体の高齢化が心配されるウルグアイ代表においては希望の星であり、押しも押されもせぬ絶対的な主軸へと成長を遂げてきた。

 的確なパスを左右にさばく配球力と、機を見た攻撃参加が光り、アンカーからトップ下まで中央の様々な役割に対応できる。長身でこれだけ器用なセントラルMFは相方を選ばず、行動範囲が広いバルベルデやトレイラとの相性もいい。得点力がさらに向上すれば隙のないワールドクラスのMFになれるはずだ。

ナイタン・ナンデス(カリアリ/イタリア1部)
生年月日:1995年12月28日(24歳)
ウルグアイ代表成績:34試合出場/0得点2アシスト

 若くしてA代表の一員になったものの、南米から欧州に進出してまだ2年目。カリアリでは右インサイドハーフ、ウルグアイ代表では主に右サイドMFを担うなど、複数ポジションで常にハードワークを約束する不屈の闘士だ。

 2018年のロシアワールドカップでは全5試合に出場し、大会後も負傷離脱時以外はほとんどの試合で起用されるなどタバレス監督からの信頼も厚い。球際の強さや推進力の高さはいかにもウルグアイ人らしい特徴で、今後も長く主力を担っていくことになるだろう。

ニコラス・デ・ラ・クルス(リーベル・プレート/アルゼンチン1部)
生年月日:1997年6月1日(23歳)
ウルグアイ代表成績:3試合出場/0得点0アシスト

 2017年のU-20ワールドカップでは当時のU-20代表の中心選手としてベンタンクールやバルベルデらとともに大きな注目を浴びた。そして、大会後にアルゼンチンの名門リーベル・プレートへと移籍して現在に至るまで欧州でのプレー経験は一度もない。A代表からもなかなか声がかからず、実は先月のチリ代表でデビューを飾ったばかりだ。

 しかし、現在のウルグアイ代表の2列目には絶対的といえるほどのタレントがおらず、主力定着のチャンスは十分にある。デビューから3試合連続で起用されていることから期待は明らかだ。目下のライバルは北米MLSのロサンゼルスFCでプレーするブライアン・ロドリゲスやディエゴ・ロッシか。同国代表として2018年のロシアワールドカップに出場し、リーベルのOBでもあるカルロス・サンチェスは異父兄。

FW

エディンソン・カバーニ(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド1部)
生年月日:1987年2月14日(33歳)
ウルグアイ代表成績:117試合出場/51得点14アシスト

 昨季限りでパリ・サンジェルマンを退団してフリーとなり、今夏はなかなか所属先が決まらなかった。ベンフィカを始め移籍先の候補は数多く挙がったが、最終的にはマンチェスター・ユナイテッド加入で落ち着くことに。新天地では11月の代表ウィーク直前に初ゴールを挙げた。

 ともにウルグアイ代表を引っ張ってきたルイス・スアレスとともに、まもなく34歳を迎える。バレンシアでプレーするマキシ・ゴメスや、ベンフィカで絶好調のダルウィン・ヌニェスなど若いストライカーたちも台頭してきており、所属クラブで結果を残し続けなければカバーニとて立場は絶対的ではなくなってしまうはずだ。

ルイス・スアレス(アトレティコ・マドリード/スペイン1部)
生年月日:1987年1月24日(33歳)
ウルグアイ代表成績:116試合出場/63得点31アシスト

 今夏はバルセロナでロナルド・クーマン監督から構想外を言い渡され、アトレティコ・マドリードへ移籍することになった。クラブ内のゴタゴタに巻き込まれる形での不本意な移籍ではあったが、結果的にプレースタイルとマッチした環境で輝きを取り戻している。

 アトレティコではすでにリーグ戦6試合で5得点とゴールを量産していて、ジョアン・フェリックスとの相性も良好。ディエゴ・シメオネ監督と波長が合うのか、バルセロナでの限界説を完全に払拭した。もちろんウルグアイ代表でも絶対的エースの座は揺るがず、まだまだ元気いっぱいだ。

フォーメーション

▽GK
マルティン・カンパーニャ

▽DF
マルティン・カセレス
ホセ・マリア・ヒメネス
ディエゴ・ゴディン
マティアス・ヴィーニャ

▽MF
ルーカス・トレイラ
ロドリゴ・ベンタンクール
ナイタン・ナンデス
ニコラス・デ・ラ・クルス

▽FW
エディンソン・カバーニ
ルイス・スアレス