GK

 深刻な財政難に陥ったバレンシアは今夏、ロドリゴ・モレノやダニエル・パレホ、フェラン・トーレス、フランシス・コクランら主力を大量放出。即戦力の補強も行わなかった。そんな中、クラブはハビ・グラシアを新監督に招聘。残った選手とともに新しいスタートを切った。今回は、そんなバレンシアの現在の主力メンバーをポジションごとに紹介していく(成績は2020年11月24日現在)。

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ハウメ・ドメネク(スペイン/背番号1)
生年月日:1990年11月5日(30歳)
20/21リーグ戦成績:10試合出場/16失点

 地元バレンシア州出身で練習熱心というナイスガイ。30歳のベテランはこれまでのキャリアほとんどを第2GKとして過ごしてきたが、今季は安定感を欠き夏には放出候補にも挙がったヤスパー・シレッセンに代わり正守護神を務めている。自身にとって勝負の一年を迎えていると言えるだろう。

 身長185cmと特別大柄な選手ではないが、抜群の瞬発力を生かしたセービングセンスはピカイチ。緊張感漂う大一番での勝負強さも見逃せないポイントだ。なお、今季リーグ戦におけるここまでのセーブ数は35回。これは、ラ・リーガ全体でトップの成績となっている。

DF

ダニエル・ヴァス(デンマーク代表/背番号18)
生年月日:1989年5月31日(31歳)
20/21リーグ戦成績:10試合出場/1得点1アシスト

 見た目は若々しいが実は今年で31歳というベテランだ。本職はセントラルやサイドのMFながら、ここ最近は右サイドバックとしての姿がすっかり定着。タッチライン際を駆け上がって繰り出す高精度クロスや堅実なディフェンスを武器に、攻守両面で存在感を放つことを可能としている。

 ハビ・グラシア新監督の下でも右SBのファーストチョイスとして奮闘。ジョフレー・コンドグビアの退団直後には中盤底のポジションでも起用されたが、高いレベルでしっかりと務め上げた。今後もチームには貴重なマルチロールプレーヤーとして、重要な役割を担っていくことだろう。

ガブリエウ・パウリスタ(ブラジル代表/背番号5)
生年月日:1990年11月26日(29歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/1得点1アシスト

 2015年に加入したアーセナルではほとんど輝きを放つことができなかったが、2017年に入団したバレンシアでは瞬く間に守備の要となった。34歳のベテランDFであるエセキエル・ガライがチームから去った今季は、新たなディフェンスリーダーとしての重責も担っている。

 フィジカル能力の高さを生かした激しく泥臭いマークで相手を制御することを可能とし、カードを恐れない鋭いタックルでピンチの芽を摘み取ることもお手の物。味方選手をカバーする守備範囲の広さも抜群だ。なお、ピッチ外ではムードメーカーとしての一面も持っている。

ウーゴ・ギジャモン(スペイン/背番号15)
生年月日:2000年1月31日(20歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/1得点0アシスト

 バレンシアの下部組織出身で今年2月にトップチームデビューを果たしたばかりの逸材だ。今季は開幕2試合をベンチで過ごしたものの、9月下旬にガブリエウ・パウリスタが負傷、そしてここ最近はムクタール・ディアカビが離脱したことで出番を確保。着実に評価を高めている。

 身長180cmとセンターバックとしては小柄な選手で、やはり力強さという部分には物足りなさが残るが、判断力に優れており配給力も非凡なものを持っている。安定感という意味ではエリアキム・マンガラやディアカビに勝っていると言えるだろう。今後の更なる成長が楽しみだ。

ホセ・ルイス・ガヤ(スペイン代表/背番号14)
生年月日:1995年5月25日(25歳)
20/21リーグ戦成績:10試合出場/0得点1アシスト

 ロドリゴ・モレノやダニエル・パレホ、フェラン・トーレスら主力を大量に放出した今季のバレンシア。そんなチームを“新たな主将”として支えているのが、この小柄なレフティーだ。まだ25歳と若いが、クラブへの忠誠心、パフォーマンスレベル、そしてリーダーシップのすべてが申し分ない。

 バレンシアの先輩であるジョルディ・アルバと同じようにオフ・ザ・ボールの動きが秀逸で、スペイン人らしい足下の高度な技術を駆使した仕掛けや崩しのクオリティーもピカイチ。また、近年は対人戦など守備の質もメキメキ向上中と、より隙の少ない選手へとなりつつある。

MF

ウロシュ・ラシッチ(セルビア/背番号19)
生年月日:1998年3月17日(22歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/0得点0アシスト

 テネリフェ、ファマリカンへのレンタル移籍を経て2年半ぶりにチームへ復帰。今季開幕当初はなかなか出番がなかったが、ジョフレー・コンドグビアがアトレティコ・マドリードへ去ったことも影響してか、徐々に出番を得るようになってきた。いよいよ覚醒の時が来たのだろうか。

 身長193cmとセルビアの先輩であるネマニャ・マティッチのような逞しい体躯を誇る選手で、空中戦の強さはもちろんのこと、長い足を生かしたボール奪取や広範囲をカバーする走力にも定評がある。ただ、より完成度の高い選手となるにはビルドアップ能力を伸ばしていくことが必要となるだろう。

カルロス・ソレール(スペイン/背番号8)
生年月日:1997年1月2日(23歳)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/4得点2アシスト

 バレンシア生まれバレンシア育ちという若きスペイン人。当初はストライカーだった同選手だが、カンテラ(下部組織)入団後に中盤へとコンバートされ、見事に才能を開花させた。今季の第9節レアル・マドリード戦ではPK3本でキャリア初のハットトリックを記録したことで話題を集めている。

 常にボールへ絡み続けられるポジショニングセンスを兼ね備えており、中盤底から繰り出すパスは精度が抜群。攻守におけるダイナミズムも見逃せない長所だ。また、実は非常にスピードのある選手でもあり、サイドアタッカーとしても優秀。その万能性はチームにとって貴重なものに。

ユヌス・ムサ(アメリカ代表/背番号30)
生年月日:2002年11月29日(17歳)
20/21リーグ戦成績:9試合出場/1得点0アシスト

 日韓ワールドカップの年に誕生したアーセナル下部組織出身の超逸材である。ガーナ人の両親を持つ男は身体能力が抜群に高く、とくにスピードとフィジカルに関しては17歳にして規格外と言えるだけのものを兼ね備えている。なお、今月に出身国であるアメリカ代表デビューを果たしている。

 今季トップチーム昇格を決めたばかりだが、ハビ・グラシア監督はさっそく大きな期待を寄せているようで、開幕からスタメン出場を継続して確保。第8節ヘタフェ戦では自陣からの快速を生かした独走ドリブルでラ・リーガ初得点をマークしている。この調子を維持し、ブレイクなるか。

ゴンサロ・グエデス(ポルトガル代表/背番号7)
生年月日:1996年11月29日(23歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/1得点0アシスト

 ポルトガルの強豪ベンフィカの下部組織出身で、幼き頃からその才能にスポットライトを当てられていたアタッカーだ。非凡なスピードを維持したまま発揮するドリブルはもはや止めるのが困難で、カットインから繰り出すシュートは一瞬で戦況を覆すことが可能と、非常に殺傷能力の高い選手である。

 2017年より所属しているバレンシアでは中心的存在としてプレーしており、2018/19シーズンにはコパ・デル・レイ制覇にも貢献した。しかし、如何せん怪我が多く、好不調の波がかなり激しい点も否めない。1年通してトップコンディションを維持するのが、まずは目先の課題と言えそうだ。

FW

イ・ガンイン(韓国代表/背番号20)
生年月日:2001年2月19日(19歳)
20/21リーグ戦成績:9試合出場/0得点3アシスト

 韓国が誇る19歳の至宝だ。昨季は途中出場が多かったものの、ロドリゴ・モレノやフェラン・トーレスなど複数の主力選手が去った今季は最前線のファーストチョイスとして奮闘中。緊張感漂う第1節レバンテ戦ではいきなり2アシストを記録と、世に自身の存在価値を大きく証明していた。

 攻撃的なポジション全般をこなすアタッカーであり、点を次々決めるというよりはテクニカルなプレーで相手を翻弄し、高精度のスルーパスを突き刺して味方のチャンスを演出するタイプだ。そのセンスは19歳とは思えぬものがある。ただ、試合中に感情的になってしまうこともしばしば。ここは要改善。

マキシ・ゴメス(ウルグアイ代表/背番号22)
生年月日:1996年8月14日(24歳)
20/21リーグ戦成績:8試合出場/3得点1アシスト

 現在のバレンシアが誇るエースストライカーだ。身長186cmと大柄でボックス内での強さやボールキープが光ることはもちろん、ポジショニングセンスや決定力も非凡。さらには守備への切り替えも非常に素早いなど、パワーに頼り切らない多彩な働きでチームに貢献できる万能なFWである。

 昨季リーグ戦9得点をマークした男はハビ・グラシア新監督の下でも2トップの一角としての地位を確立。コンビを組むことの多いイ・ガンインとの相性も抜群である。ちなみにFWとしての最高のお手本は、やはりウルグアイ代表のチームメイトであるルイス・スアレスとエディンソン・カバーニのようだ。

フォーメーション

▽GK
ハウメ・ドメネク

▽DF
ダニエル・ヴァス
ガブリエウ・パウリスタ
ウーゴ・ギジャモン
ホセ・ルイス・ガヤ

▽MF
ウロシュ・ラシッチ
カルロス・ソレール
ユヌス・ムサ
ゴンサロ・グエデス

▽FW
イ・ガンイン
マキシ・ゴメス

監督
ハビ・グラシア