GK

 パウロ・フォンセカ体制2年目を迎えたローマは、リーグ戦開幕から8試合でわずか1敗と好調だ。ユベントスやミランとも引き分けるなど昨季以上にポジティブな結果を残している。そのチームを引っ張るのは、30代の“おっさん”たち。さらに若手も台頭しつつある。今回は3バックで安定した戦いぶりを見せるローマの最新スターティングメンバー11人を、フォーメーションとともに紹介する(直近数試合のメンバーとフォーメーションを元に作成)。

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アントニオ・ミランテ(元イタリア代表/背番号83)
生年月日:1983年7月8日(37歳)
20/21リーグ戦成績:7試合出場/10失点

 30代半ばまでセリエAの中堅クラブで息の長い活躍を披露してきた大ベテランは、当初控えGKとしてローマにやってきた。しかし、昨夏クラブ史上最高額で獲得したスペイン人GKパウ・ロペスが期待を裏切ると、レギュラーの座を奪って正守護神となった。

 近年、ローマはGKの補強で失敗し続けてきた。そんな時にセリエAとBで合計400試合以上に出場しているベテランが控えていてくれたのは何よりも心強い。40歳目前だが、安定感あるプレーを見せ続けている。

DF

ジャンルカ・マンチーニ(イタリア代表/背番号23)
生年月日:1996年4月17日(24歳)
20/21リーグ戦成績:8試合出場/0得点0アシスト

 アタランタでジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督に鍛えられ、昨季からローマの一員に。すぐさまレギュラーの座をつかむと、チームに欠かせない存在となってイタリア代表にも定着しつつある。

 自らのアイドルでもあるマルコ・マテラッツィに似て、ビルドアップはやや粗いが、高さを生かした空中戦の強さは圧倒的。昨季は中盤アンカーに対応する柔軟性も見せた。背番号の「23」は憧れのマテラッツィと同じだ。

ロジェール・イバニェス(U-23ブラジル代表/背番号3)
生年月日:1998年11月23日(22歳)
20/21リーグ戦成績:8試合出場/0得点0アシスト

 ブラジルの東京五輪世代でディフェンスラインの柱を担う逸材だ。マンチーニと同様にアタランタでプレーしていたが、ガスペリーニ監督の信頼はつかみきれなかった。しかし、今年1月にローマへ期限付き移籍するとパウロ・フォンセカ監督のもとで3バックの中央に定着した。

 最大の持ち味は高いビルドアップ能力で、ディフェンスラインの中央から的確にパスを配って攻撃を組み立てる。18歳でフルミネンセに入団するまでブラジルの小クラブに埋もれていたとは思えない実力者で、アタランタからの買い取り義務が発生した場合の最大1000万ユーロ(約12億円)という移籍金は破格と言える。

クリス・スモーリング(イングランド代表/背番号6)
生年月日:1989年11月22日(31歳)
20/21リーグ戦成績:2試合出場/0得点0アシスト

 マンチェスター・ユナイテッドからの加入1年目だった昨季、初挑戦のセリエAで即座に適応し、ローマのディフェンスラインに欠かせない選手となった。今夏は一度ユナイテッドに戻ったものの、必死に完全買い取りを目指したローマは移籍市場閉幕ギリギリに取引をまとめることに成功。10月にイタリアへ戻ってきた。

 イングランド時代は大きなポカが多く、度々批判の対象になるなど、不安定さが目立った。だが、イタリアでは力強いパフォーマンスで見違えるほどに。加入してすぐロマニスタの心をつかんだ。エラス・ヴェローナから加入した20歳の有望株、マラシュ・クンブッラにも定位置を譲るつもりはない。

MF

リック・カルスドルプ(オランダ代表/背番号2)
生年月日:1995年2月11日(25歳)
20/21リーグ戦成績:5試合出場/0得点1アシスト

 ローマの泣きどころは、ここ数年ずっと右サイドだった。4バックでも3バックでも絶対的な存在がおらず、生え抜きのアレッサンドロ・フロレンツィは2シーズン連続で期限付き移籍、ブルーノ・ペレスも決め手に欠ける。

 昨季はオランダの古巣フェイエノールトへ期限付き移籍していたカルスドルプの立場も厳しいと思われていたが、一転して主力に定着した。驚異的な推進力とスピードを誇り、右サイドからどんどん前に出ていく。スタートポジションがやや前になるウィングバックは天職だ。

ロレンツォ・ペッレグリーニ(イタリア代表/背番号7)
生年月日:1996年6月19日(24歳)
20/21リーグ戦成績:8試合出場/0得点2アシスト

 フロレンツィの移籍によって数少なくなった生え抜き選手で、クラブ内外から大きな期待を寄せられる。チームリーダーの1人でもあり、中盤には欠かせないエンジンだ。昨季は細かい負傷が多く苦しんだものの、今季は安定したプレーを披露している。

 得点力の高さが武器でもあったが、昨季は自分でゴールを狙うよりも味方のゴールを演出することに徹した。その結果、リーグ戦では自己最多の11アシスト。中盤でバランスをとりながら、機を見た攻め上がりでゴール前でも違いを作れる。今季はゴールとアシスト両方の数字を伸ばして、さらなる飛躍を目指したい。

ジョルダン・ヴェレトゥ(元U-21フランス代表/背番号27)
生年月日:1993年3月1日(27歳)
20/21リーグ戦成績:8試合出場/4得点1アシスト

 広範囲を走り回り、豊富な運動量でピッチを制圧するアグレッシブなセントラルMFだ。攻守の切り替えの場面で一切サボらず、ボールを追い回して刈り取り、反撃につなげる。フォンセカ監督が獲得を熱望してフィオレンティーナから加入した。

 昨季はリーグ戦で6得点を挙げているが、内訳はPKで5得点、流れの中から1得点だった。これを見ても分かる通り、フランス時代からPKキッカーとしての信頼も厚い。フランス代表歴がないのは不思議なくらいのクオリティを備えている。

レオナルド・スピナッツォーラ(イタリア代表/背番号37)
生年月日:1993年3月25日(27歳)
20/21リーグ戦成績:8試合出場/1得点1アシスト

 マンチーニやロジェール・イバニェスと同様、アタランタでガスペリーニ監督に鍛えられてブレイクを果たしたサイドのスペシャリスト。ユベントス移籍は失敗に終わったものの、ローマで完全復活を遂げている。

 特に6月の公式戦再開以降のパフォーマンス向上は目覚ましく、鋭いドリブルで左サイドを切り裂きクロスにつなげる。右利きだが、左サイドでのプレーを得意とするアタッカー色の強いウィングバックだ。

FW

ヘンリク・ムヒタリアン(アルメニア代表/背番号77)
生年月日:1989年1月21日(31歳)
20/21リーグ戦成績:8試合出場/5得点4アシスト

 昨季は期限付き移籍でローマに在籍し、今季はアーセナルとの契約を解除して完全移籍に。そして新たな相方、ペドロと組んで躍動している。新型コロナウイルス感染の影響でエースのエディン・ジェコが欠場していたジェノア戦ではハットトリックも達成し、8試合で計9得点に関与する獅子奮迅の活躍ぶりだ。

 ラストパスとフィニッシュの両面で常にハイパフォーマンスを約束するベテランは、ローマで崩しの核を担う。今年、母国アルメニアと隣国アゼルバイジャンが領土をめぐって紛争状態になった際には、世界各国に向けて停戦交渉に向けた介入を求める公開書簡を送った。

ペドロ・ロドリゲス(元スペイン代表/背番号11)
生年月日:1987年2月16日(33歳)
20/21リーグ戦成績:8試合出場/3得点3アシスト

 チェルシーとの契約が昨季限りで満了となり、フリーでローマに加入。すぐさま信頼を勝ち取ると、衰え知らずのアグレッシブなプレーで前線に活力をもたらした。バルセロナ時代にも数々のタイトル獲得経験のある百戦錬磨のアタッカーは、ピッチ内外でプロフェッショナリズムを体現する存在だ。

 33歳にしてセリエA初挑戦だが、様々なポジションや役割を起用にこなすマルチアタッカーに環境の変化による影響はなさそう。ハードワークを怠らず、常に積極的で、恐れを知らない。どのチームにも、どんな監督にも欲しがられる選手である。

エディン・ジェコ(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表/背番号9)
生年月日:1986年3月17日(34歳)
20/21リーグ戦成績:5試合出場/3得点0アシスト

 今夏はユベントス移籍が盛んに報じられ、決まりかけるも一転残留。34歳になっても得点力は衰え知らずのカピターノは、改めてローマに忠誠を誓った。序盤戦から好調なペースでゴールを重ねていたものの、現在は離脱が続いている。

 11月上旬に新型コロナウイルスの陽性判定を受けると、なかなか陰性が出ないままだ。11月は公式戦1試合しか出場していない。レアル・マドリードから借り受けたボルハ・マジョラルも代役として奮闘するが、ジェコほどのパフォーマンスは見せられず。できるだけ早い完全復帰が待たれる。

フォーメーション

▽GK
アントニオ・ミランテ

▽DF
ジャンルカ・マンチーニ
ロジェール・イバニェス
クリス・スモーリング

▽MF
リック・カルスドルプ
ロレンツォ・ペッレグリーニ
ジョルダン・ヴェレトゥ
レオナルド・スピナッツォーラ

▽FW
ヘンリク・ムヒタリアン
ペドロ・ロドリゲス
エディン・ジェコ