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 毎年12月、FIFA(国際サッカー連盟)は年間表彰式を開催し、ベストイレブンをはじめとした各賞を発表する。その年に活躍した選手が選出されるこのベストイレブンとは別に、市場価値が高いベストイレブンを組むとどのような顔ぶれが並ぶだろうか。今回フットボールチャンネル編集部は、「4-3-3」の布陣に最も市場価値が高い34歳以上のスペイン人選手を配置した11人を紹介する。※データサイト『transfermarkt』が算出した市場価値を元に作成、成績は1月24日時点

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ビセンテ・グアイタ(スペイン/クリスタル・パレス)
生年月日:1987年1月10日(34歳)
市場価値:400万ユーロ(約4億8000万円)
20/21リーグ戦成績:19試合出場/33失点

 イングランドでのプレーは3年目を迎え、かつては苦手だった英語も無事に習得。衰え知らずの反射神経で際どいシュートを弾き出し続ける。足もとの技術やは凡庸だが、クリスタル・パレスのスタイルにはぴったり合致した熟練のショットストッパーだ。

 ラ・リーガ1部通算176試合出場を誇り、バレンシアやヘタフェでも正守護神を担ってきた実績を持ちながら、意外にも代表歴は全くない。クリスタル・パレスとの契約は今季終了まで。もし来季もプレミアリーグでプレーを続ければ、35歳になる頃には通算100試合出場も見えてくるため、ベテラン守護神の去就に注目が集まる。

DF

ヘスス・ナバス(スペイン代表/セビージャ)
生年月日:1985年11月21日(35歳)
市場価値:300万ユーロ(約3億6000万円)
20/21リーグ戦成績:18試合出場/0得点4アシスト

 2010年のワールドカップ優勝や、2012年のEURO制覇を経験したメンバーの1人だが、まだスペイン代表で重要な役割を担い続けている。主要2大会で頂点に立った当時は快足ウィングとして鳴らしたが、約10年の時を経た現在は右サイドバックが定位置になった。

 若い頃のような爆発的な加速はないが、絶妙なタイミングでの攻め上がりと精度抜群の高速クロスは健在で、連戦に耐えうる肉体も維持している。昨季はヨーロッパリーグ制覇の立役者になった。35歳になった今季もリーグ戦ではそう試合時間の約9割でピッチに立ち、アシストを量産。セビージャのキャプテンとしても抜群のリーダーシップを発揮し、チームの精神的支柱を担う。

ラウール・アルビオル(スペイン代表/ビジャレアル)
生年月日:1985年9月4日(35歳)
市場価値:250万ユーロ(約3億円)
20/21リーグ戦成績:20試合出場/0得点0アシスト

 バレンシアやレアル・マドリードで実績を積み、ナポリで充実の6シーズンを過ごして昨季からスペインに帰還。ビジャレアル加入1年目からフィールドプレーヤーではチーム最長の出場時間を記録するなど、ディフェンスラインの柱として君臨している。今季はシーズン序盤に鼻を骨折したもののフェイスガードを着けて試合に出続け、現時点でリーグ戦全試合に先発出場している。

 プレー面では大きな穴がなく、対人戦もビルドアップもリーダーシップも全てが高水準。一昨年11月までスペイン代表に選ばれ続けていたことからもわかる通り、肉体的な衰えもあまり見られず、35歳を迎えてもスペイン屈指の実力者であり続けている。昨季から相棒を務めるパウ・トーレスは、ラウール・アルビオルの隣で大きく成長してスペイン代表の主力へと飛躍した。

セルヒオ・ラモス(スペイン代表/レアル・マドリード)
生年月日:1986年3月30日(34歳)
市場価値:1400万ユーロ(約17億円)
20/21リーグ戦成績:14試合出場/2得点0アシスト

 スペイン代表でもレアル・マドリードでも、ここ十数年間の成功を全て現場で経験している異次元の鉄人。獲得できるタイトルはほぼ獲り尽くしたが、勝利への欲も衰え知らず。ラ・リーガの顔の1人として圧倒的な存在感を放つ。

 マドリーではセルヒオ・ラモス不在時にチーム全体のクオリティが大きく低下し、安定感を失って勝率も下がる。1人で攻守両面の出来を左右するほどの影響力を持ち、身体能力も精神力も技術も衰え知らず。世界屈指のセンターバックであり続けている。

ナチョ・モンレアル(元スペイン代表/レアル・ソシエダ)
生年月日:1986年2月21日(34歳)
市場価値:200万ユーロ(約2億4000万円)
20/21リーグ戦成績:11試合出場/1得点0アシスト

 アーセナルで7シーズン過ごした熟練のサイドバックは、昨季からスペインに復帰。有望な若手が多く所属するレアル・ソシエダに加入し、チームリーダーの1人として若いチームを支えている。

 さすがにフル稼働は難しくなってきたが、ピッチに立てば細部にまで気配りが行き届いたクオリティの高いプレーを見せる。的確なパスさばきで左サイドからゲームを作り、機を見た攻め上がりで精度の高いクロスをゴール前に送り込む。時にはセンターバックにも対応するなど年齢を重ねるごとにプレーの幅を広げていて、これからも息の長い活躍を期待したくなる。

MF

ボルハ・バレーロ(元スペイン代表/フィオレンティーナ)
生年月日:1985年1月12日(35歳)
市場価値:100万ユーロ(約1億2000万円)
20/21リーグ戦成績:12試合出場/0得点0アシスト

 インテルでは3シーズン過ごしたが、年々出場時間が減っていた。そして、昨季限りで契約満了となり退団。今季は4年ぶりに古巣フィオレンティーナへの復帰が実現した。しかし、リーグ戦での先発出場は2試合しかなく、総出場時間も12試合で237分と苦しんでいる。

 レアル・マドリードの下部組織出身で、プレミアリーグでのプレー経験も持つが、キャリアで最も長く在籍しているのがフィオレンティーナ。本人もフィレンツェの街を愛しているようで、現役引退後もイタリアに残って仕事をするプランもあるという。

ダビド・シルバ(元スペイン代表/レアル・ソシエダ)
生年月日:1986年1月8日(34歳)
市場価値:500万ユーロ(約6億円)
20/21リーグ戦成績:11試合出場/1得点2アシスト

 10年ぶりにラ・リーガ復帰を果たし、レアル・ソシエダで新たな挑戦に踏み出した。培ってきた超ハイレベルなテクニックは錆びついておらず、度肝を抜くようなチャンスメイクを淡々とこなす。

 少ないタッチかつハイテンポでボールを動かし、周りと有機的に連係しながら崩すプレーが真骨頂。するすると狭いスペースを縫うように抜けていくドリブルで局面を打開することもでき、ゴール前では針の穴を通すような精度のシュートをゴールネットに突き刺す。いまだに攻撃的MFとしては世界最高峰であり続けている。

アンドレス・イニエスタ(元スペイン代表/ヴィッセル神戸)
生年月日:1984年5月11日(36歳)
市場価値:320万ユーロ(約3億8000万円)
2020リーグ戦成績:26試合出場/4得点6アシスト

 Jリーグで4シーズン目を迎えようとしている、元バルセロナのスーパースターだ。息を呑むようなファーストタッチで華麗に相手のマークを剥がし、瞬時に最も効果的なところへパスを通す。非常にシンプルなプレーの連続だが、全てに明確な意図がこもっていて一切無駄がない。

 どれだけの選手がイニエスタに憧れ、イニエスタを指標にし、イニエスタを模倣しようと試みてきただろうか。結局のところ、彼のプレーを再現することなど誰にもできない。極限まで洗練されたテクニックと、無意識の領域まで達した思考速度で日本サッカー界に世界最高峰のクオリティを見せつけた。イニエスタの頭の中には、常にゴールまでの道筋がはっきりと描かれている。

FW

ホアキン・サンチェス(元スペイン代表/レアル・ベティス)
生年月日:1981年7月21日(39歳)
市場価値:150万ユーロ(約1億8000万円)
20/21リーグ戦成績:14試合出場/1得点3アシスト

 もうすぐ40歳だが、とにかく明るく元気いっぱい。往年の突破力はさすがに衰えたが、2013年夏から2年間プレーしたイタリアでパスセンスやフィニッシュに磨きをかけてモデルチェンジを果たすと、再び輝きが増した。

 さらにここ数年、年齢を重ねても毎シーズンのようにゴールとアシストの合計で10得点前後に絡めており、昨季は38歳にして初のハットトリックを達成。徐々に体力的に厳しくなってきてはいるものの、今季もベティスでは欠かせない戦力の1人としてリーグ戦14試合に出場している。ラストパスの出し手やフィニッシュ役として起用すればクオリティはいまだに一流だ。

サンティ・カソルラ(元スペイン代表/アル・サッド)
生年月日:1984年12月13日(36歳)
市場価値:225万ユーロ(約2億7000万円)
20/21リーグ戦成績:14試合出場/9得点9アシスト

 ビジャレアルの象徴だったが、昨季限りで退団。現在はカタールのアル・サッドでプレーしている。チームの指揮を執っているのはスペイン代表のチームメイトだったシャビ監督だ。体格はややふっくらした印象を受けるが、プレーの質は相変わらず極めて高い。

 驚異的な視野の広さでクリティカルなパスをズバズバと通し、アシストを量産。自らゴール前にも進出して二桁得点目前まで迫っている。かつて現役続行を危ぶまれるほどのアキレス腱の怪我を負いながら、10度の手術と過酷なリハビリを乗り越えて復活を遂げたファンタジスタは、プレーする喜びを噛み締めながら走り続ける。

ラウール・ガルシア(元スペイン代表/アスレティック・ビルバオ)
生年月日:1986年7月11日(34歳)
市場価値:350万ユーロ(約4億2000万円)
20/21リーグ戦成績:17試合出場/1得点1アシスト

 昨季はセンターFWでの起用が増えてキャリア最多のリーグ戦15得点を挙げたが、今季は若い選手たちの台頭などもあって出場機会を減らしている。それでもピッチに立てば前線からの猛プレスや豪快な飛び出しで存在感を発揮し、誰よりも献身的に走ってチームを引っ張る。2021年1月のスーペルコパ・デ・エスパーニャの準決勝ではレアル・マドリードから2得点を奪い、決勝進出と優勝に大きく貢献した。

 ラ・リーガでリーグ戦二桁得点を4度達成している得点力の高さは折り紙つき。元々は守備的MFだったが、年齢を重ねるごとにポジションを上げてきた稀有な選手でもある。セットプレーに合わせる打点の高いヘディングや強烈なミドルシュートなど得点パターンも豊富だ。高い決定力を備えながら、毎年イエローカードを10枚以上もらう球際のアグレッシブさも魅力の1つ。アスレティック・ビルバオの精神を体現する選手であり続けている。