サウサンプトンとは?

日本代表のMF南野拓実がリバプールからサウサンプトンに期限付き移籍することが決まった。果たして新天地にはどのような選手がいるのだろうか。今回フットボールチャンネル編集部では、南野の新たな仲間となる11人の基本スタメンとフォーメーションを紹介する。(成績は2021年2月2日現在)。
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 イングランド南部のハンプシャー州をホームタウンとするサウサンプトンは、1885年に創設された歴史あるクラブ。75/76シーズンには2部リーグに所属しながらFAカップで勝ち進み、マンチェスター・ユナイテッドを決勝で破ってクラブ史上唯一となるタイトルを獲得している。

 近年は多くの有望な選手をビッグクラブへと輩出する育成型クラブとして知られている。テオ・ウォルコット、アレックス・オックスレイド=チェンバレン、ガレス・ベイル、ルーク・ショー、アダム・ララーナと、下部組織出身の選手は枚挙にいとまがない。

 ピエール=エミール・ホイビュルクやフィルジル・ファン・ダイク、サディオ・マネ、デヤン・ロブレンら国外出身の選手もサウサンプトン出身。サウサンプトンでの活躍を経てビッグクラブへとステップアップしている。

 現在指揮を執るのは53歳のラルフ・ハーゼンヒュットル。オーストリア出身で、2018年12月にサウサンプトンにやってきた。

 インゴルシュタットを1部昇格と残留に導いた手腕が評価され、16/17シーズンにライプツィヒの監督に就任した。目覚ましい発展を遂げ、クラブ史上初めてブンデスリーガで戦うチームを率い、2位と躍進。翌シーズンは6位と低迷したが、その功績を見初めたサウサンプトンが招聘している。

 ハーゼンヒュットルはピッチ上の選手全員がハードワークするスタイルを好む。サウサンプトンではライプツィヒ時代の1年目に重用した4-2-2-2の布陣を用いて、縦に速いサッカーを標榜しているが、ところどころで柔軟な戦いを見せており、決してそれに固執するわけではない。

 ハーゼンヒュットルが指揮を執ったライプツィヒと、南野拓実が1年前までプレーしていたザルツブルクは、同じレッドブルグループの傘下で、ラルフ・ラングニックが持ち込んだエッセンスを色濃く残す。南野がザルツブルクで残した実績とリバプールで揉まれた経験は、サウサンプトンで大いに役立つことだろう。

<h2>GK

アレックス・マッカーシー(元イングランド代表/背番号1)
生年月日:1989年12月3日(31歳)
今季リーグ戦成績:19試合出場/25失点

 2019年10月のレスター戦での歴史的な大敗を機に、アレックス・マッカーシーは正GKに据えられた。セルティックにローン移籍していたフレイザー・フォスターが今季はチームに復帰したが、在籍5年目のマッカーシーが正GKを務めている。

 シュートストップはプレミアリーグでもトップクラスで、至近距離からのシュートに対しても抜群の反応を見せる。ここまでリーグ5位タイとなる7試合でクリーンシート(無失点)を達成しており、負傷者が続出するチームを支えている。

<h2>DF

カイル・ウォーカー=ピータース(イングランド/背番号2)
生年月日:1997年4月13日(23歳)
今季リーグ戦成績:18試合出場/0得点2アシスト

 U-20ワールドカップでは左サイドバックとしてU-20イングランド代表の優勝に貢献したカイル・ウォーカー=ピータース。昇格したトッテナムでは居場所を築けなかったが、1年前に期限付き移籍したサウサンプトンでリーグ戦再開後にレギュラーに定着。今季からは完全移籍となっている。

 ハイラインとハイプレスを敷くサウサンプトンのサッカーで、右サイドを積極的に駆け上がるウォーカー=ピータースは重要なピースとなっている。しかし、1月に太ももを負傷して直近2試合を欠場。3連敗を喫したサウサンプトンにとっては痛い離脱となった。

ヤン・ベドナレク(ポーランド代表/背番号35)
生年月日:1996年4月12日(24歳)
今季リーグ戦成績:20試合出場/1得点1アシスト

 17年夏に加入したヤン・ベドナレクは、マーク・ヒューズ元監督の下で出場機会を得られなかった。しかし、ラルフ・ハーゼンヒュットル監督の信頼を掴み、今季もセンターバックのレギュラーを守っている。

 インターセプトがうまく、地上戦でも空中戦でも強さを見せる。ハイラインを敷くサウサンプトンではセンターバックがカウンターのピンチにさらされる場面も少なくないが、ベドナレクの身体を張ったディフェンスがその傷を最小限に留めている。

ジャック・スティーブンス(イングランド/背番号5)
生年月日:1994年1月27日(27歳)
今季リーグ戦成績:10試合出場/0得点0アシスト

 センターバックはベドナレクとジャック・スティーブンスのコンビで今季はスタートしたが、第3節以降はスティーブンスに代わってヴェスターゴーアがプレーしている。199cmの巨体を活かした空中戦では絶対的な自信を持ち、今季は2得点をいずれも頭で決めている。

 しかし、年末にヴェスターゴーアが負傷すると、以降はスティーブンスが先発に復帰。フィードの正確性には定評があるが、空中戦の強さではヴェスターゴーアとベドナレクに劣る。チームはヴェスターゴーアの離脱後、1勝2分3敗と不調に陥っている。

ライアン・バートランド(元イングランド代表/背番号3)
生年月日:1989年8月5日(31歳)
今季リーグ戦成績:18試合出場/0得点0アシスト

 31歳となった今シーズンも、ライアン・バートランドは攻守に渡るハードワークで左サイドを制圧している。左サイドバックのバックアップは昨シーズン昇格したジェイク・ヴォキンスのみという状況で、バートランドは20試合中18試合に先発している。

 カウンターを受けた際は長い距離を走って戻り、ボールを奪えば左サイドを駆け上がる。粘り強い対人守備と精度の高いクロスという持ち味を発揮して、左サイドを支えている。

<h2>MF

ジェームズ・ウォード=プラウズ(イングランド代表/背番号8)
生年月日:1994年11月1日(26歳)
今季リーグ戦成績:20試合出場/4得点5アシスト

 8歳からプレーし続けてきたクラブで、ジェームズ・ウォード=プラウズは昨季終盤にキャプテンに就任した。昨年8月にはサウサンプトンとの契約を25年まで延長し、イングランド代表としては9月のアイルランド戦で初めて先発メンバーとしてプレーしている。

 精度抜群のプレースキックが最大の武器で、前半戦には1試合で2つの直接FKを沈めた。怪我に強いウォード=プラウズはハーゼンヒュットル監督からの信頼も厚く、一昨季の最終節からすべての試合に先発。カイル・ウォーカー=ピータースが負傷した影響で、直近のアストン・ヴィラ戦では右サイドバックを務めている。

オリオル・ロメウ(スペイン/背番号6)
生年月日:1991年9月24日(29歳)
今季リーグ戦成績:16試合出場/1得点1アシスト

 バルセロナの下部組織出身のオリオル・ロメウ。トップチームでの公式戦出場は2試合のみだったが、チェルシー、バレンシア、シュトゥットガルトを経て15年夏にサウサンプトンにやってきた。

 攻撃ではボールを各所に配球し、守備では高いボール奪取能力でピンチの芽を摘む。トッテナムに移籍した前主将のピエール・エミール・ホイビュルクの穴を感じさせない活躍を見せている。1月は怪我の影響で公式戦6試合を欠場したが、30日のアストン・ヴィラ戦で復帰している。

スチュアート・アームストロング(スコットランド代表/背番号17)
生年月日:1992年3月30日(28歳)
今季リーグ戦成績:17試合出場/3得点2アシスト

 スコットランド代表でも活躍するスチュアート・アームストロングは昨季前半戦のシステム変更によって抜擢された。以降は右サイドハーフに定着し、11月6日のニューカッスル戦では今季初ゴールを挙げている。

 フィジカルとテクニックを兼ね備えるオールラウンドなMFで、全然と中盤のリンクマンとして攻撃に厚みをもたらす。守備では高い位置からプレッシングに参加するだけでなく、献身的にDFラインをサポートしている。30日のアストン・ヴィラ戦では中盤の底でプレーするイブラヒマ・ディアロやオリオル・ロメウも負傷。アームストロングが中盤の底に回ることになれば、代役として南野が2列目の右サイドで起用される可能性もある。

セオ・ウォルコット(元イングランド代表/背番号32)
生年月日:1992年7月23日(28歳)
今季リーグ戦成績:15試合出場/2得点2アシスト(サウサンプトン)
1試合出場/0得点0アシスト(エバートン)

 セオ・ウォルコットはエバートンで開幕を迎えたが、移籍市場が閉まる直前に復帰を決めた。2トップと2列目のポジションで併用されており、23日のウォルバーハンプトン戦では移籍後初ゴールをマーク。サウサンプトンでのゴールは16歳だった05年以来15年ぶりだった。

 ここまでリーグ戦15試合で先発起用されているが、30日のアストン・ヴィラ戦で負傷。代役候補のムサ・ジェネポはここまで1得点に留まっており、南野拓実は2列目での起用が有力となるだろう。

<h2>FW

チェ・アダムス(イングランド/背番号10)
生年月日:1996年7月13日(24歳)
今季リーグ戦成績:19試合出場/4得点4アシスト

 チェ・アダムスはシェフィールド・ユナイテッドではリーグ1(3部)、バーミンガム・シティではチャンピオンシップ(2部)を経験した叩き上げ。昨季はなかなか結果を残せなかったが、リーグ戦再開後にブレイクして4得点を挙げた。

 今季はここまで4得点4アシストの活躍で、昨季の成績を超えた。サウサンプトンは前線の層が薄く、アダムスは開幕からフル稼働している。イングスが欠けた際はアダムスに課されるタスクが増加。前線の複数のポジションをこなせる南野拓実の加入は、アダムスの負担軽減という意味でも相乗効果をもたらすだろう。

ダニー・イングス(イングランド代表/背番号9)
生年月日:1992年7月23日(28歳)
今季リーグ戦成績:15試合出場/7得点3アシスト

 ダニー・イングスは誰もが認めるサウサンプトンのエースである。加入2年目の昨季はキャリアハイとなるリーグ戦22得点をマーク。昨年9月には5年ぶりにイングランド代表としてもプレーしている。

 豊富な運動量で最前線から守備に参加し、一瞬のチャンスを見逃さない嗅覚でゴールを奪う。ライン間でボールを引き出すのがうまい南野との相性もいいのではないだろうか。

【了】