現日本代表守護神

 明治安田生命Jリーグの各クラブは、2021シーズンの開幕に向けて準備を進めている。昨季のリーグ戦で16位に終わった清水エスパルスは、レンタルからの復帰組も含め14人の新加入選手を迎えた。フットボールチャンネルでは、その新戦力たちの中から新天地での活躍が期待される5人を紹介する。

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GK:権田修一(ごんだ・しゅういち/背番号37)
生年月日:1989年3月3日(31歳)
前所属:ポルティモネンセ(ポルトガル)
20/21リーグ戦成績:0試合出場/0失点

 昨季の清水エスパルスはGKの軸が定まらなかった。アメリカ・デ・カリから加わったネト・ヴォルピは外国人枠の問題もありなかなか試合に絡めず、大久保択生が15試合、梅田透吾(現ファジアーノ岡山)が17試合、そして西部洋平(現カターレ富山)が1試合に出場するという結果になっていた。

 そんな正守護神問題を解決すべく、清水は今冬に権田修一を獲得している。同選手はご存じの通りJリーグでの実績も経験も十分であり、現在の日本代表におけるGKのファーストチョイスにもなっている存在。オリジナル10の一角である清水にとって、間違いなく大きな戦力補強となった。

 2019年1月に加入したポルティモネンセでは出番に恵まれなかったものの、安定したセービング技術、そしてリーダーシップは健在。昨シーズンに脆さを露呈した守備陣も、権田の一声とシュートストップでグッと引き締まることだろう。ベテラン守護神の活躍が、清水を上位進出へと導く。

ポルトガルで活躍した期待のストライカー

FW:チアゴ・サンタナ(ブラジル出身/背番号9)
生年月日:1993年2月4日(28歳)
前所属:サンタ・クララ(ポルトガル)
20/21リーグ戦成績:9試合出場/7得点0アシスト

 2011年にサンカルロFCでプロデビュー。その後ブラジル国内のクラブを転々とし、2016年にポルトガルへ活躍の場を移している。前所属のサンタ・クララには2017年に加入。1年目にリーグ戦15得点を挙げるなど1部昇格に貢献し、今季も9試合で7得点を奪うなど中心的存在として活躍していた。

 そんなチアゴ・サンタナは、身長184cm・体重80kgという体格を誇っており、ペナルティーエリア内などで強さを示すことが可能。事実、サンタ・クララでは公式戦35得点を奪ってきたが、そのうちの13得点はヘディングによるものというデータが出ている。セットプレー時にも脅威となりそうだ。

 また、体を上手く使ったボールキープも冴えるため、フィニッシャーとしてだけではなく、ポストプレーヤーとしても存在感を誇示できるだろう。より2列目や前線でコンビを組む選手の働きが重要となってくるかもしれない。ミゲル・アンヘル・ロティーナ新監督の起用法に注目である。

東京五輪世代の万能型

MF:原輝綺(はら・てるき/背番号4)
生年月日:1998年7月30日(22歳)
前所属:サガン鳥栖
2020リーグ戦成績:28試合出場/0得点0アシスト

 アルビレックス新潟でプロデビューした原輝綺は、将来が楽しみな東京五輪世代の一人である。2016年に行われたAFC U-19選手権では影のキーマンとなって優勝に貢献。2019年にはコパ・アメリカに挑む日本代表メンバーにも招集され、初戦のチリ代表戦(0-4)でデビューを果たしていた。

 本職はボランチだが、左右のサイドバックやセンターバックも高いレベルで務め上げるなど実に万能。身長180cm・体重72kgの体格を活かした対人戦の強さが光り、ドリブルで縦に仕掛けたり、SB起用時には偽SBのような動きも取り入れ味方を活かしたりするなど、プレーの幅が広い点も魅力だ。

 複数のポジションをハイレベルにこなす原の存在は、ミゲル・アンヘル・ロティーナを新監督に迎えた清水エスパルスにとって貴重なものとなるはず。ただ、選手本人はもちろん「器用貧乏」に終わるつもりはないだろう。強力なライバル達に競り勝ち、レギュラーの座を奪うことができるか。

昨季のJ2得点ランキング2位

FW:ディサロ燦シルヴァーノ(ディサロ・アキラ・シルヴァーノ/背番号19)
生年月日:1996年4月2日(24歳)
前所属:ギラヴァンツ北九州
2020リーグ戦成績:35試合出場/18得点5アシスト

「レレ」の愛称で知られる24歳は昨季に本格ブレイク。当初はスーパーサブ的な立場だったものの、第7節から第13節まで6試合連続得点を記録し、見事に2トップの一角の座を奪っている。そして、最終的にはJ2リーグ2位となる18得点をマーク。ギラヴァンツ北九州の5位躍進を支えていた。

 イタリア人の父と日本人の母の間に生まれたディサロ燦シルヴァーノは、左利きでありながら右足でも強烈なシュートを放つことが可能。的確なポジショニングから冷静にゴールを奪うこともできれば、相手との駆け引きを制して最終ラインをぶち破ることも。一瞬も目が離せない危険なFWだ。

 ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督率いる清水エスパルスは4-4-2をベースに戦うことが予想される。その中でディサロは、北九州時代と同じく2トップの一角を担うだろう。カルリーニョス・ジュニオ、チアゴ・サンタナと同ポジションのライバルは強力だが、自身初のJ1で爪痕を残せるか。

大分の鉄人がサッカー王国へ

DF:鈴木義宜(すずき・よしのり/背番号50)
生年月日:1992年9月11日(28歳)
前所属:大分トリニータ
2020リーグ戦成績:33試合出場/0得点0アシスト

 鈴木義宜には「鉄人」という言葉がよく似合うだろう。宮崎産業経営大学卒業後の2015年に大分トリニータへ入団した同選手は、2020シーズンまでのリーグ戦欠場数がわずか「3」。2017シーズンから2019シーズンまでは3季連続で全試合フル出場を果たしていたなど、驚異の稼働率を誇っている。

 シーズンごとに守備力は着実に増しており、屈強なFWに簡単に競り負けることも少なくなった。相手の動きをギリギリまで見極めて身体を投げ出すシュートブロックや、最終ラインからのロングフィードにも定評があるなど、センターバックとしての総合能力はかなり高いと言えるだろう。

 清水エスパルスは昨季、J1リーグワーストとなる70失点を喫するなど、守備が崩壊した。6年過ごした大分を離れ、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の下での更なる成長を決断した鈴木には、その守備の立て直しが求められる。新たなサポーターの期待に応えることができるか。注目したい。