韓国リーグ元得点王がJ初上陸

 明治安田生命Jリーグの各クラブは、2021シーズンの開幕に向けて準備を進めている。昨季のリーグ戦で4位に入りながら監督交代に踏み切ったセレッソ大阪は、一挙に16人もの新加入選手を迎えた。フットボールチャンネルでは、その新戦力たちの中から新天地での活躍が期待される5人を紹介する。

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FW:アダム・タガート(あだむ・たがーと/背番号9)
生年月日:1993年6月2日(27歳)
前所属: 水原三星ブルーウィングス(韓国)
2020リーグ戦成績:23試合出場/9得点0アシスト

 昨季まで2年間は韓国でプレーし、2019年には20得点を挙げて得点王とKリーグベストイレブンにも選ばれたストライカーだ。2020年はやや低調でリーグ戦5得点にとどまったが、セレッソ大阪ではブルーノ・メンデスや都倉賢らに代わる新たな得点源として期待される。

 2013/14シーズンにオーストラリア・Aリーグのニューカッスル・ジェッツでリーグ戦16得点を挙げてブレイクを果たすと、2014年夏からの1年半はイングランドとスコットランドでプレーした。しかし、負傷の影響で全くと言っていいほど結果を残せず母国に帰還。それでもAリーグでは年間二桁得点を記録したシーズンが3回ある。

 ストライカーとしてはバランスのとれた能力の持ち主で、長身ながらスピードやアジリティには定評がある。2014年には21歳でブラジルワールドカップの舞台を経験した。初挑戦のJリーグで結果を出すことができれば、オーストラリア代表への返り咲きも見えてきそうだ。

クルピ監督を熟知するブラジル人CB

DF:チアゴ(ちあご/背番号6)
生年月日:1990年6月17日(30歳)
前所属: セアラーSC(ブラジル)
2020リーグ戦成績:25試合出場/1得点0アシスト

 昨季まで在籍4年間でリーグ戦の欠場が1試合しかない驚異的な活躍ぶりを披露していたクロアチア人DFマテイ・ヨニッチが中国の上海申花へ完全移籍することになり、後釜として迎え入れられたのがチアゴだ。母国ブラジルで実績を積み重ねてきた彼にとって、初めての国外移籍となる。

 190cmの長身とパワフルな肉体を活かした空中戦は圧倒的な強さを誇り、ボールを跳ね返す力はブラジル国内でも高く評価されてきた。レヴィー・クルピ監督とはアトレチコ・ミネイロ時代に一緒に仕事をした経験があり、お互いの特徴は理解しあっているはずだ。

 大きく飛躍したのはアトレチコ・ミネイロを離れてバイーアに移籍してからで、V・ファーレン長崎のエジガル・ジュニオや横浜F・マリノスのエウベルは元チームメイトということになる。新たなディフェンスリーダーとして期待がかかるだけに、いまだ新チームに合流できていないのは気がかりだ。ちなみにチアゴの姓である「パグヌサット」はイタリアにルーツがある。

15年ぶり復帰で「最後」の挑戦

FW:大久保嘉人(おおくぼ・よしと/背番号20)
生年月日:1982年6月9日(38歳)
前所属: 東京ヴェルディ
2020リーグ戦成績:19試合出場/0得点2アシスト

 昨季は負傷などの影響もあってパフォーマンスが上がらず、Jリーグではキャリア初の無得点に終わった。それでもJ1歴代最多の通算185得点という記録や実績は揺るがない。15年ぶりのセレッソ復帰は、再び力を証明するための大きな挑戦になる。

 加入発表時の「自分の選手生活の最後はセレッソ大阪でという気持ちで頑張ってきました」というコメントには、大久保なりの覚悟が込められている。もちろん試合に出場するためには厳しい競争を勝ち抜かなければならないが、前線の陣容が大きく入れ替わったレヴィー・クルピ新体制でチャンスをつかめるだろうか。

 日本代表としてワールドカップのピッチに立ち、Jリーグでは3年連続得点王、スペインやドイツでのプレーも経験してきた。シーズン中に39歳となる歴戦のストライカーが、「最後」の挑戦でどんな姿を見せてくれるか楽しみだ。

キャリア初の移籍で本州上陸

DF:進藤亮佑(しんどう・りょうすけ/背番号3)
生年月日:1996年6月7日(24歳)
前所属: 北海道コンサドーレ札幌
2020リーグ戦成績:21試合出場/0得点1アシスト

 アカデミー時代からコンサドーレ一筋でプレーしてきた進藤亮佑にとって、プロ選手としての初めての移籍だ。2018年からレギュラーポジションを確保し、2019年には日本代表初招集と順調なキャリアを歩んできたが、24歳で大きな一歩を踏み出すことになった。

 コンサドーレでは3バックの一角を務めることが多く、4バックでのプレーはプロになってからほとんど経験していないに等しい。センターバックとしては身長183cmとやや小柄ながら、機動力があるため、新天地でどのように起用されるか未知数な部分は多い。

 昨年10月に右足首を負傷した影響もあってシーズン終盤戦を欠場していたが、なかなか復帰できずキャンプでの調整も出遅れているという。J1通算100試合出場は目前だけに、できるだけ早く怪我を治してチームに貢献したい。

ロシア育ちのベトナム代表GK

GK:ダン・バン・ラム(だん・ばん・らむ/背番号1)
生年月日:1993年8月13日(27歳)
前所属: ムアントン・ユナイテッド(タイ)
20/21リーグ戦成績:12試合出場/18失点

 母親がロシア人で、生まれも育ちもロシア、10代の頃はスパルタク・モスクワやディナモ・モスクワといった名門のアカデミーにも在籍した経験を持つベトナム代表GKだ。しかし、プロキャリアは順風満帆ではなかった。

 父親の母国ベトナムでプロ選手として歩み始めたが、ラオスへの期限付き移籍、ロシアのアマチュアリーグや4部リーグでのプレーも経験。それでも2015年にベトナムへ戻ると徐々に台頭。直近は東南アジ最高峰のタイ1部リーグに参戦し、強豪ムアントン・ユナイテッドを最後尾から支えていた。

 ベトナム代表としては2018年に東南アジアNo.1を決めるAFFスズキカップで優勝を果たし、2019年のアジアカップ準々決勝では日本代表とも対戦した。もちろんJリーグは初挑戦だが、背番号「1」を与えられるなど期待は大きい。絶対的守護神に君臨する韓国代表のキム・ジンヒョンを脅かす存在になれるか注目だ。