J屈指の強さを誇る大型CB

 Jリーグの各クラブは来週末の開幕に向けて、準備を進めている。新たに加入する選手もいれば、古巣に別れを告げて新たなチームへと移籍する選手もいる。今回フットボールチャンネルでは、新天地で新たなシーズンを迎える注目選手を複数回にわたって紹介していく。

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DF:ダンクレー(ブラジル出身/背番号−)
生年月日:1992年1月24日(28歳)
2020リーグ戦成績:20試合出場/3得点1アシスト
所属クラブ:ヴィッセル神戸→セレッソ大阪

 2019年にヴィトーリア・セトゥーバルからヴィッセル神戸へやって来たブラジル人DFは、瞬く間に主力に定着。Jリーグ参戦1年目で29試合に出場し、さらにはクラブ初となる天皇杯優勝にも貢献していた。そして昨季は、J1で20試合に出場。移籍後初ゴールを含む3得点をマークしていた。

 身長187cm・体重80kgとセンターバックとしては十分な体格を誇っており、相手FWを潰すパワーや素早さは抜群。このあたりはもはや、Jリーグ屈指と言っても過言ではないだろう。また、攻撃面では鋭い縦パスや迫力あるドリブルで存在感を誇示。非常に総合能力の高い選手と言えそうだ。

 契約満了に伴い神戸を退団し、新シーズンからは同じ関西のセレッソ大阪でプレーする。マテイ・ヨニッチと木本恭生が退団、鳥海晃司が長期離脱、チアゴ・パグヌサットが未合流とCBが手薄になっていたC大阪にとって、ブラジル人DFの加入はかなり大きいだろう。活躍に期待が懸かる。

横浜FCで新たな挑戦を

FW:伊藤翔(いとう・しょう/背番号16)
生年月日:1988年7月24日(32歳)
2020リーグ戦成績:14試合出場/1得点1アシスト
所属クラブ:鹿島アントラーズ→横浜FC

 若き頃に名門アーセナルのトライアルテストに参加し、当時のアーセン・ヴェンゲル監督からティエリ・アンリに喩えて賞賛されたことで「和製アンリ」という異名がついた。しかし、期待値が高すぎた影響もあるのだろう、その後在籍した各クラブで大きく羽を広げることはできなかった。

 2019年に移籍した鹿島アントラーズではリーグ開幕4試合で4得点とスタートダッシュに成功し、以降主力としてシーズンを駆け抜けた。しかし昨季は、助っ人エヴェラウドの台頭もあり、得点はもちろんのこと出場機会も激減。結局リーグ戦は1試合の出場で、ゴール数も「1」に留まっていた。

 そんな伊藤翔にとって、横浜FC移籍は自身の存在価値を取り戻すための新たな挑戦となる。ベテランFWとして後輩たちにポジティブな影響をもたらすことはもちろん、中村俊輔や三浦知良といった偉大な先輩から多くのものを吸収したいところ。チームを高みへと導くことができるだろうか。

昨季崩壊した守備を立て直せるか

DF:鈴木義宜(すずき・よしのり/背番号50)
生年月日:1992年9月11日(28歳)
2020リーグ戦成績:33試合出場/0得点0アシスト
所属クラブ:大分トリニータ→清水エスパルス

 鈴木義宜には「鉄人」という言葉がよく似合うだろう。宮崎産業経営大学卒業後の2015年に大分トリニータへ入団した同選手は、2020シーズンまでのリーグ戦欠場数がわずか「3」。2017シーズンから2019シーズンまでは3季連続で全試合フル出場を果たしていたなど、驚異の稼働率を誇っている。

 シーズンを重ねるごとにディフェンス能力は着実に増しており、屈強なFWに簡単に競り負けることも少なくなった。相手の動きをギリギリまで見極め身体を投げ出すシュートブロックや、最終ラインから繰り出すロングフィードにも定評があるなど、センターバックとしてのスキルは非凡である。

 清水エスパルスは昨季、J1リーグワーストとなる70失点を喫するなど、守備が崩壊した。6年過ごした大分を離れ、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の下での更なる成長を決断した鈴木には、その守備の立て直しが求められる。新たなサポーターの期待に応えることができるか。注目したい。

日本代表経験もある大型FW

FW:皆川佑介(みながわ・ゆうすけ/背番号19)
生年月日:1991年10月9日(29歳)
2020リーグ戦成績:29試合出場/3得点1アシスト
所属クラブ:横浜FC→ベガルタ仙台

 2014年、中央大学卒業後にサンフレッチェ広島へ加入すると、ルーキーイヤーからコンスタントに出場機会を確保していた。すると同年、ハビエル・アギーレ監督からそのポテンシャルを高く評価され、日本代表にサプライズ選出。そして、9月5日のウルグアイ代表戦でデビューを果たしていた。

 広島には2018年まで在籍し、2019年に横浜FCへ活躍の場を移している。同クラブでは絶対的な主力というわけではなかったが、無理を利かせてでもボールを収めるなどポストプレーヤーとして奮闘し、前線からの守備も積極的に行うなど、数字には表れにくい部分で確かな貢献をみせていた。

 ただ、J1リーグにおけるここまでの最高得点はプロ1年目と昨季に記録した「3点」。FWとして寂しい数字であることは明らかで、ここは課題となっている。新天地となるベガルタ仙台では昨季9得点をマークした長沢駿(大分トリニータへ移籍)以上の活躍を期待したいところだが、果たして。

C大阪の堅守を支えた男

DF:木本恭生(きもと・やすき/背番号14)
生年月日:1993年8月6日(27歳)
2020リーグ戦成績:28試合出場/0得点1アシスト
所属クラブ:セレッソ大阪→名古屋グランパス

 木本恭生は福岡大学卒業後にセレッソ大阪へ加入。山下達也、近年は瀬古歩夢らと激しいレギュラー争いを繰り広げる中で着実にレベルアップし、主力の地位を築き上げていた。とくに、マテイ・ヨニッチとのコンビは守備強度が抜群。ここは他のクラブにとっての大きな悩みの種になっていた。

 冷静な状況判断に基づいた安定感あるディフェンスが木本という男の最大の特長だ。ただ、対人守備に弱いわけではなく、とくに空中戦には自信を持っている。事実、自陣における空中戦勝利数はリーグ戦2季連続でチーム内1位だった。また、足元の技術があり、ボランチで起用可能な点も魅力だ。

 名古屋グランパスの補強ポイントはセンターバックだった。昨季は中谷進之介と丸山祐市がフル稼働したことで強度が保たれていたが、その控えは明らかに手薄となっていた。ただ、2021シーズンはC大阪で主力を張り中盤もできる木本が加わる。チームにとって間違いなくプラスとなる。