5位:衰えを見せぬ異次元の10番

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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FW:リオネル・メッシ(アルゼンチン代表/バルセロナ)
生年月日:1987年6月24日(33歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
19/20リーグ戦成績:33試合出場/25得点22アシスト

 17歳でバルセロナのトップチームデビューを果たしたレフティーも現在33歳。ベテランの域にいる。しかし、ピッチ上におけるパフォーマンスレベルはまったく錆びついておらず、相変わらず多くのクラブにとって脅威の存在となっている。まさに、サッカー界の「生ける伝説」だ。

 言わずもがな能力値は申し分ない。複数人に囲まれてもボールを失うことのない「テクニック」といとも簡単にゴール前へ突破していく「ドリブル」の鋭さは今なお異次元。ポジショニングや判断力といった「IQ」の高さも目立っており、あらゆるエリア、そしてパターンからゴールネットを揺らすことが可能と、当然ながら「攻撃力」も高い数値を記録した。

 自ら得点を奪うことはもちろんのこと、味方を生かす術も熟知しているのがリオネル・メッシという男の怖さで、「パス」も高評価となった。とくにバルセロナでは左サイドバックのジョルディ・アルバと抜群の関係性を築いており、繊細なスルーパスからチャンスを生み出すことも珍しくない。

 昨季のチャンピオンズリーグ(CL)でとくにフォーカスされた「守備力」と「空中戦」でやはり大きく数値を落とし、平均値もやや下がってしまったが、それでもトップ5に名を連ねてくるあたりは流石と言えよう。これからも異次元のプレーぶりを示してくれるはずだ。

4位:マンUを変えた攻撃的MF

MF:ブルーノ・フェルナンデス(ポルトガル代表/マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1994年9月8日(26歳)
市場価格:9000万ユーロ(約108億円)
19/20リーグ戦成績:17試合出場/8得点7アシスト(スポルティングCP)
19/20リーグ戦成績:14試合出場/8得点7アシスト(マンチェスター・ユナイテッド)

 昨年の冬に母国スポルティングCPからマンチェスター・ユナイテッドに加入すると、瞬く間にワールドクラスへの階段を駆け上がった。今やオーレ・グンナー・スールシャール監督にとって絶対に外せない選手となっており、「ユナイテッド=ブルーノ・フェルナンデス」と言っても過言ではないほどの存在感を放っている。

 そんなポルトガル代表MFの最大の武器は「パス」だと言えるだろう。成功率自体はそこまで高くないのだが、それは勝負球を送り込む回数が多く、難易度の高いコースをよく狙っているからこそだ。とにかく味方の動きを無駄にすることが極端に少ないので、1試合で5本以上のキーパスを繰り出すことが決して珍しくない。そしてそれこそが、アシストの多さにも繋がっている。

 中盤で不用意なロストを犯さない「テクニック」の高さと判断力も備わっており、攻撃をクリエイトするだけでなく自ら試合を動かす得点力の高さもある。PKキッカーとしても優秀、頻繁に声を出し味方を鼓舞する姿からは「メンタル」の強さをうかがうこともできる。

 ブルーノ・フェルナンデスがトップ5入りを果たした要因は上記したポイントだけではく、攻撃的MFとしては比較的高い「守備力」にある。ユナイテッドでは攻守の切り替えを素早く行い、プレスのスイッチを入れることが多々。このあたりは15歳までDFだった経験が活きているのだろうか。

3位:ポーランドが生んだ驚異の点取り屋

FW:ロベルト・レバンドフスキ(ポーランド代表/バイエルン・ミュンヘン)
生年月日:1988年8月21日(32歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
19/20リーグ戦成績:31試合出場/34得点4アシスト

 今や欧州最強のストライカーと呼び声高いポーランドの大器だ。所属するバイエルン・ミュンヘンではもはやノーゴールに終わることが珍しいほど驚異的なペースで得点を量産しており、チームに歓喜をもたらし続けている。父クシシュトフは2部リーグでプレーしたサッカー選手、そして柔道チャンピオンでもあり、母イヴォナは元プロバレーボール選手というアスリート一家で育ったが、ロベルトもまた、ポーランドスポーツ史にその名を刻む存在となりそうだ。

 とにかく「攻撃力」が凄まじい。味方から届いたボールを一切無駄にすることなく高い確率でフィニッシュへ持ち込み、相手GKを恐怖へと陥れる。左右両足から放つシュート精度の高さはもちろんのこと、数値「90」を記録するなど「空中戦」にもめっぽ強いので、ゴールパターンも非常に豊富。89分間消えていたとしても残り1分で仕事をする。レバンドフスキはまさにそんなストライカーだ。

 鍛え上げられた肉体から繰り出される「フィジカル」の強さも抜群で、大柄な選手にガチンと当てられても簡単によろけたりすることがない。そうした体の強さこそが、ボールを受けてからのスムーズなシュートアクションにも繋がっているのだろう。また、あらゆる舞台で得点を量産し続けるストライカーとしての「メンタル」も見事だ。

 現在32歳。年齢的には決して若くないが、その凄みは歳を重ねるごとにどんどん増している。若手時代には「木」に喩えられたこともあるレバンドフスキの得点数はまだまだ伸びていきそうだ。

2位:ベルギーのアシスト製造マシーン

MF:ケビン・デ・ブライネ(ベルギー代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1991年6月28日(29歳)
市場価格:1億2000万ユーロ(約144億円)
19/20リーグ戦成績:35試合出場/13得点20アシスト

 ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティで進化を続け、ワールドクラスの称号を手にした。大きな怪我無く過ごした2019/20シーズンはプレミアリーグだけで20アシストを記録し、ティエリ・アンリに肩を並べている。改めて、能力の高さを世に示したと言えるはずだ。

 アシスト数の多さがすでに証明しているが、最大の武器は「97」という数値を記録した「パス」にある。とにかくスピード、精度ともに申し分なく、配達業者顔負けと言うべきほど確実に味方へボールを届ける。なかでもDFとGKの間に送り込むクロスの質は天下一品で、相手からするとこれを止めることはほぼ不可能。しかし、ストップしないとあっという間にゴールへと繋がれてしまう。あまりに理不尽なクロスである。

 ボールを持っていない状態でもタイミング良いランニングからハーフスペースを攻略してチャンスを生み出すなど、「IQ」の高さも飛び抜けている。また、テクニカルなプレーを発揮することもお手の物で、力強い「ドリブル」から攻撃のグレードを高めることも可能。さらには「スピード」や「フィジカル」といったアスリート能力も非凡である。

「空中戦」にあまり強くなく、怪我が多いというマイナスポイントはあるものの、やはり世界最高のMFと呼ばれるに相応しい能力を兼ね備えていることは明らかだ。トップ5から外す理由は、見当たらない。

1位:トップはこの男

FW:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表/ユベントス)
生年月日:1985年2月5日(36歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
19/20リーグ戦成績:33試合出場/31得点6アシスト

 2020/21シーズン版の能力値ランキングでも1位に輝いたのはクリスティアーノ・ロナウドだ。在籍3年目を迎えたユベントスでもゴールを大量生産しており、今なお世界最高を証明し続けている。ここ最近は古巣レアル・マドリードへの復帰が囁かれているが、30代後半に突入してもなおそうした噂が出てくること自体が、この男の異次元ぶりを表していると言えるだろう。

 2月で36歳となった。さすがに全盛期ほどの切れ味鋭い「ドリブル」は見られなくなったが、その分相手ゴール付近における“得点”を強く意識したプレーの迫力はより増している。シュートの精度と威力は失われておらず、驚異的な跳躍力を活かした「空中戦」の強さも相変わらず圧巻。昨季サンプドリア戦での「2.6メートル跳んだヘディング弾」は世界に大きな衝撃を与えていた。

「フィジカル」に関しても今なお衰えておらず、ペナルティーエリア内における強さは直近の試合でも幾度となくみられている。ゴール前に飛び込む速さも健在と、その姿はとても36歳とは思えない。

 C・ロナウドは「守備力」でこそ数値をガクンと落としたものの、その他の能力ではほとんど高い数字を残している。当然平均値も高くなり、リオネル・メッシら並み居る実力者たちを抑え堂々のトップとなった。この座は果たしてどこまで続くのだろうか。