15位:コロナ禍による中断期間に進化

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

——————————

MF:レオン・ゴレツカ(ドイツ代表/バイエルン・ミュンヘン)
生年月日:1995年2月6日(26歳)
市場価格:7000万ユーロ(約84億円)
19/20リーグ戦成績:24試合出場/6得点9アシスト

 新型コロナウイルス感染拡大の影響によるリーグ戦中断期間中に肉体改造に着手。以前までとは別人のようなスーパーボディを手に入れた。その効果がピッチ上で表れるまでそう多くの時間はかからず、中断明けからさっそくハイパフォーマンスを披露。バイエルン・ミュンヘンのカール=ハインツ・ルンメニゲCEOから「彼は信じられないほどの発展を遂げた」と評価されるなど、今やドイツの絶対王者において欠かせない存在となっている。

 もともと、189cmという長身には似合わぬテクニカルなプレーを武器に台頭した選手。決定的な「パス」やミドルシュートを繰り出すことはお手の物で、長い足を上手く使ったキープ力も抜群だ。また、ぐんぐんと前進する「ドリブル」も迫力満点。メインのセンターのみならず、サイドハーフとしても十分に機能する点は強みと言えるだろう。

 ここ最近はそこに非凡な「守備力」がプラスされた。運動量豊富にピッチを幅広く走り回り、肉体改造により手に入れた強靭な「フィジカル」で相手を圧倒して確実にボールを奪い取ることができる。簡単に競り負けない「空中戦」の強さも見逃せないポイントだ。

 攻守に万能なドイツ代表MFは飛び抜けた数値を記録した項目がなかったが、反対に大きく評価を落とした項目もなかった。非常にバランスの良い数字を残したため、今回は15位となっている。

14位:輝きを失わない南米の猛獣

FW:ルイス・スアレス(ウルグアイ代表/アトレティコ・マドリード)
生年月日:1987年1月24日(34歳)
市場価格:1500万ユーロ(約18億円)
19/20リーグ戦成績:28試合出場/16得点8アシスト(バルセロナ)

 昨夏、6年間過ごしたバルセロナを離れざるを得なかったが、決してストライカーとしての質が落ちたわけではない。それは、新天地アトレティコ・マドリードでの活躍ぶりが大きく証明している。ディエゴ・シメオネ監督も今季途中に「彼は傑出した選手で、我々は彼と共に戦うことができて幸せだ」とウルグアイのベテランFWを賞賛していた。

 言わずもがな「攻撃力」はワールドクラスだ。高い確率でシュートを枠に飛ばし、アクロバティックなものから身体を投げ出す泥臭いものまで、得点パターンも非常に豊富。自ら仕事を果たすことはもちろん、バルセロナ時代にはリオネル・メッシに多くのチャンスを与えるなど、味方を生かす術も熟知しているのが、この男の恐ろしさである。

 ペナルティーエリア内に飛び込む動きと味方の「パス」を自動的に引き出すような絶妙なポジショニングセンスなどからは、ストライカーとしての「IQ」の高さを感じることができる。相手の厳しいチェックを受けてもなお“やり切る”ことが可能なのは、得点へのハングリー精神と「フィジカル」の強さが備わっているからだろう。

 今季のアトレティコは得点力がアップしている。それはもちろん、ベテランゴールハンターの加入が一因と言えるだろう。どのクラブに所属しても結果を残すルイス・スアレスという男は、まさに唯一無二の点取り屋だ。

13位:レアルを支える芸術的パサー

MF:トニ・クロース(ドイツ代表/レアル・マドリード)
生年月日:1990年1月4日(31歳)
市場価格:5000万ユーロ(約60億円)
19/20リーグ戦成績:35試合出場/4得点5アシスト

 2018/19シーズンはキャリア初のリーガ・エスパニョーラ無得点に終わるなど批判の的に。しかし、昨季は周囲の雑音をかき消すような好パフォーマンスを披露。今季もジネディーヌ・ジダン監督から確かな信頼を寄せられており、タイトル獲得を目指すレアル・マドリードを牽引している。

 爆発的な「スピード」や圧倒的な「フィジカル」を備えているわけではない。しかし、この男以上に優れた「パス」スキルを兼ね備えた人物も少ない。針の穴に糸を通すかのような繊細な配球はマドリーにおいて一つの武器となっており、基本的には背番号8から攻撃のリズムが生まれている。1試合で100本以上の「パス」を通すことも決して珍しくなく、能力値も飛び抜けたものとなった。

 繊細な「パス」を繰り出せる要因の一つは確かな「テクニック」にある。常に良い準備ができており、良い場所にボールを置けるからこそ、無駄なく味方に「パス」を届けることができるのだ。また、そうしたキック精度の高さはシュートにも生かされている。強烈なミドルとインサイドを使ったコントロールショットは、どちらも芸術的である。

 ピッチの状況を理解しながら冷静に「パス」を捌くなど、非凡な「IQ」も兼備するトニ・クロース。マドリーが更なる高みを目指す上で、やはり31歳は欠かせないピースとなる。

12位:若き万能型MF

MF:フレンキー・デ・ヨング(オランダ代表/バルセロナ)
生年月日:1997年5月12日(23歳)
市場価格:6500万ユーロ(約78億円)
19/20リーグ戦成績:29試合出場/2得点2アシスト

 ヨハン・クライフ氏を筆頭に、バルセロナにはこれまで多くのオランダ人選手が在籍し、その名を残してきた。現在23歳のフレンキー・デ・ヨングも、その偉大な先輩たちに続くかもしれない。同胞ロナルド・クーマン監督からの信頼は厚く、在籍2年目を迎えたバルセロナでの存在感はどんどんと濃くなっている。

 アヤックスで台頭した選手というだけあって、やはり足元の技術が高い。バルセロナでプレーするには欠かせない高い「パス」センスを備えており、中盤で簡単にボールを失わないキープ力も光る。ダイナミズム溢れる「ドリブル」や縦への飛び出しは、攻撃のグレードを引き上げるという意味でも大きな効果を発揮しており、ここ最近はバルセロナでも決定的な仕事を果たすことが多くなってきた。

 中盤だけでなく、センターバックもハイレベルに務められるのが大きな強み。圧倒的な高さや強さはないものの、優れた「IQ」を活かし常に相手の先手を取って攻撃をストップする。上記した前線への飛び出しというスタイルはCB出場時でも失われることがないなど、どのポジションでも持ち味を発揮できる最高の万能型と言えるだろう。

 能力値を見ても、ほとんどの項目で良い数字を残していることがわかる。「空中戦」と「攻撃力」は低めとなったが、とくに後者に関してはこれからまだ伸びていく可能性が非常に高い。近い将来の同ランキング・トップ5入りは十分現実的と言えそうだ。

11位:リバプールの快速レフティー

FW:モハメド・サラー(エジプト代表/リバプール)
生年月日:1992年6月15日(28歳)
市場価格:1億2000万ユーロ(約144億円)
19/20リーグ戦成績:34試合出場/19得点10アシスト

 リバプールでワールドクラスへの扉を開き、2018年の冬には2017年度におけるアフリカ最優秀選手賞をエジプト人として初めて受賞。母国に対する慈善活動にも積極的に取り組んでおり、2018年のエジプト大統領選挙では、驚きの「2位」となる投票数を集めることもあった。アフロヘアーのレフティーはまさに、エジプト国民にとっての英雄的存在である。

 東京五輪にオーバーエイジ(OA)枠として出場する噂もある28歳の大きなストロングポイントは、やはり「スピード」だ。ボールを持ってもその速さはまったく落ちることなく、まるでF1カーのように一瞬でDFを置き去りにする。その「スピード」を活かして何でもないボールもチャンスに持っていくことができるので、対峙する選手からすると一瞬の気の緩みが命取りとなる。

 ただ「スピード」があるだけではそこまで怖くないが、この男は小柄にもかかわらず「フィジカル」が強い。たとえユニフォームを引っ張られようが強く身体を当てられようが、簡単には倒れない。だからこそ、「スピード」を活かした「ドリブル」の威力などがより際立つ。

「空中戦」ではやはりそこまで強みを発揮しないが、ゴール前での冷静さから引き出される決定力の高さは非凡。利き足は左だが、意外にも右足の精度も決して低くない。良くも悪くもエゴを発揮できるのは、強靭な「メンタル」が備わっているゆえだろうか。