25位:アジア最高のFW

リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。
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FW:ソン・フンミン(韓国代表/トッテナム)
生年月日:1992年7月8日(28歳)
市場価格:9000万ユーロ(約108億円)
19/20リーグ戦成績:30試合出場/11得点11アシスト

 アジアを代表するストライカーとして世界高峰の舞台で活躍し続けるソン・フンミン。プレミアリーグでの活躍ぶりは、アジアという枠を超え、世界でもトップクラスと言えるだろう。今季は第2節のサウサンプトン戦では1試合で4得点を挙げるなど順調な前半戦を過ごし、キャリアハイに迫る13得点をマーク。相棒のハリー・ケインとのコンビはプレミアリーグでも屈指の破壊力を誇っている。

 ソン・フンミンが最も高い数値を出したのは「攻撃力」で、「スピード」「ドリブル」「テクニック」といった攻撃に関わる数値は軒並み80代後半という数字となっている。単純なスプリント能力が高いだけではなく、そのスピードに乗ったままドリブルで相手を抜き去ることができる。ソン・フンミンに広いスペースを与えてしまうと、決定的なピンチを招くことになる。相手にとっては一瞬の油断も許されないアタッカーである。

 トッテナムが自陣にブロックを固める際、ソン・フンミンは攻め残りすることがある。「スピード」や「ドリブル」に秀でるアカッターを前に残しておいた方が、相手にとって脅威になるからである。元来、守備への意識が高い選手ではあるが、「守備力」は低い数値となっているのは、ディフェンスを評価される役割を担うことが少ないからだろう。

24位:アトレティコの象徴

MF:コケ(スペイン代表/アトレティコ・マドリード)
生年月日:1992年1月8日(29歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
19/20リーグ戦成績:32試合出場/4得点5アシスト

 8歳からアトレティコ・マドリード一筋でプレーしてきたコケは、昨シーズンから第1主将を務めている。かつてガビやディエゴ・ゴディンらが担ったその大役を引き継ぎ、就任10年目に突入したディエゴ・シメオネ政権の中枢を司る。

 際立って高い項目がないのが最大の特徴かもしれない。最高値を記録したのは「IQ」と「メンタル」の2つ。誰よりも走り、味方を鼓舞し続ける。その諦めない姿勢が、昨季はUEFAチャンピオンズリーグで前年度王者だったリバプール撃破に繋がった。ボランチ、サイドハーフ、インサイドハーフなど、中盤であればどこでもこなせる万能性も、コケの「IQ」の高さを証明している。

 176cmと上背はないが、当たり負けしない「フィジカル」を備える。正確な「パス」で味方を活かすだけでなく、自ら「ドリブル」で運ぶこともできる。攻守に渡って隙が無いプレーぶりこそが、コケがシメオネのチームで重要な存在で居続ける理由なのだろう。

23位:リバプールが生んだアシストマシーン

DF:トレント・アレクサンダー=アーノルド(イングランド代表/リバプール)
生年月日:1998年10月7日(22歳)
市場価格:1億1000万ユーロ(約132億円)
19/20リーグ戦成績:38試合出場/4得点13アシスト

 22歳ながら、トレント・アレクサンダー=アーノルドという右サイドバックは既に完成されている。針の穴を通すキックの精度で次々とチャンスを演出。既にプレミアリーグでの通算アシスト数は30を超え、イングランド代表にも定着している。

 6歳からリバプールのアカデミーでプレーし、少年時代はスティーブン・ジェラードに憧れた。18歳のときにトップチームに上がると、ユルゲン・クロップ監督はセントラルMFだったアレクサンダー=アーノルドを右サイドバックに抜擢している。往年のジェラードを彷彿とさせる攻撃センスをサイドバックで遺憾なく発揮。上下動を厭わないスタミナとMFとして培った「IQ」の高さも活かされている。

 最大の特徴は「パス」能力の高さだ。右足のキックの種類は多彩で、鋭く曲げることも、落とすこともできる。左足からでも正確に味方に通すことができるのも強みとなっている。高い位置でもボールを失わない「テクニック」も、リバプールの攻撃には欠かせないものとなっている。10代のころは線も細く「フィジカル」に課題を抱えていたが、そのウィークポイントも年々改善されている。

22位:レアルの防波堤

MF:カゼミーロ(ブラジル代表/レアル・マドリード)
生年月日:1992年2月23日(29歳)
市場価格:7000万ユーロ(約84億円)
19/20リーグ戦成績:35試合出場/5得点5アシスト

 カゼミーロはレアル・マドリードの中盤に欠かせない、世界屈指のアンカーだ。ブラジルの名門サンパウロ出身で、19歳のときにレアルに加わった。14/15シーズンにフレン・ロペテギ監督率いるポルトで経験を積み、レアルではUEFAチャンピオンズリーグ3連覇を達成。ジネディーヌ・ジダン監督から絶大な信頼を得ている。

 アンカーを主戦場とするカゼミーロの武器は「フィジカル」だ。185cmの体躯を活かした「空中戦」はセットプレーのターゲットとしても有用で、守備時はセルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランの前で防波堤となる。危険なエリアを先回りして封じ、ボール奪取能力の高さを活かしてピンチの芽を摘む。その「守備力」の高さから、緊急時はセンターバックとしてプレーすることも可能だ。

 高度な個人戦術を要求されるレアルで長年活躍するには、「フィジカル」だけでなく「IQ」も必要とされる。「スピード」や「ドリブル」といった項目で数値を落としているが、カゼミーロのポジションは、それらを必要とする場面は少ない。アンカーとしての完成度は世界でも屈指と言えるだろう。

21位:ラツィオに君臨する大型MF

MF:セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ(セルビア代表/ラツィオ)
生年月日:1995年2月27日(26歳)
市場価格:7000万ユーロ(約84億円)
19/20リーグ戦成績:37試合出場/7得点6アシスト

 昨シーズンは最後まで優勝争いに加わったラツィオの中盤に、セルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチは君臨する。生まれはスペインだが、セルビアでプロデビューした。ベルギーのヘンクを経て、ラツィオでのプレーは今季で6年目となる。シモーネ・インザーギ監督率いるチームに欠かせない存在となるだけでなく、ビッグクラブからの関心の声は絶えない。

 身長191cmの大型MFで、「フィジカル」を活かしたダイナミックなプレーが持ち味だ。「空中戦」に強いのはもちろん、繊細なボールタッチや推進力のあるボール運びも武器となる。まさにボックス・トゥ・ボックスタイプのMFで、攻守両面で威力を発揮するMFといえるだろう。

 17/18シーズンはキャリアハイとなる12得点をマークしたが、近年はアシスト数が増加している。ゴール前で迫力を生むだけでなく、味方を活かす側に回ることもできる。その万能性こそが、マンチェスター・ユナイテッドやパリ・サンジェルマンといったクラブを引き寄せる理由なのだろう。

【了】