5位:現代屈指のユーティリティープレーヤー

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

——————————

DF:ダビド・アラバ(オーストリア代表/バイエルン・ミュンヘン)
生年月日:1992年6月24日(28歳)
市場価格:5500万ユーロ(約66億円)
19/20リーグ戦成績:28試合出場/1得点1アシスト

 次の移籍市場において注目の的になり得る選手は何人もいるが、その一人がダビド・アラバと言えるだろう。すでにバイエルン・ミュンヘンとの契約を延長しないと明言しており、今季終了と同時にフリーの身となる。世界トップレベルの選手なだけに、今夏は激しい争奪戦が繰り広げられることになりそうだ。

 本職はサイドバックだが、中盤底やセンターバックもハイレベルに務めることができるユーティリティー性を誇っているのがアラバ最大の特長。他クラブが関心を示す要因の一つと言えそうだ。また、危機察知能力の高さを活かしたカバーリングやインターセプトが冴えるなど、複数ポジションをこなす点だけでなく、守備対応からも「IQ」の高さを感じることができる。

 足元の「テクニック」も申し分なく、鋭いプレスをかけられてコントロールが乱れることが少ないのでビルドアップ時の安定感が抜群。「パス」は長短問わず正確で、セットプレーのキッカーとして存在感を示すことができるのも魅力だ。また、無観客試合で明らかとなったのは優れたリーダーシップ。大きな声で最終ラインを統率し、かつ味方に指示を送りながらゲームを作り出せるあたりからも、アラバの凄さを見出すことができる。

 DFとして圧倒的な「フィジカル」や「空中戦」の強さを誇っているわけではないが、非凡な「スピード」と上記した「IQ」の高さでそれらを補っているので、ピッチの中で大きな穴にはなっていない。現代型CBとしての完成度は、やはり申し分ないと言えそうだ。

4位:身長に物足りなさを残すものの…

DF:マルキーニョス(ブラジル代表/パリ・サンジェルマン)
生年月日:1994年5月14日(26歳)
市場価格:7000万ユーロ(約84億円)
19/20リーグ戦成績:19試合出場/3得点1アシスト

 コリンチャンス、ローマ在籍を経て2013年にパリ・サンジェルマン(PSG)に加入。先輩チアゴ・シウバと共にプレーしながら着実に成長し、今やワールドクラスのDFとなった。そのチアゴ・シウバが退団した今季はPSGの新キャプテンに就任。マウリシオ・ポチェッティーノ新監督からの信頼も厚いなど、存在感はどんどん増している。

 欧州トップレベルのセンターバックはほとんどが身長180cm後半で、190cmを超える選手も珍しくない。ただマルキーニョスの身長は183cm。他のCBと比較すると、小柄な部類に入る。しかし、ブラジル人DFには非凡な身体能力が備わっている。跳躍力があるため「空中戦」を苦にしておらず、「スピード」に関しても水準以上のものがある。

 そしてマルキーニョスはとにかく「IQ」が高い。相手より先にアクションを起こして攻撃をシャットアウトすることはお手の物で、味方選手に安心感を与えるカバーリングの質もワールドクラス。ぎりぎりで相手のシュートをブロックするプレーもよく見られる。クレバーなDFとして、マルキーニョスは間違いなく世界5本の指に入ってくるだろう。

 また、守備的MFとしても存在感を示すことを可能とするのが大きな魅力だ。非凡な「守備力」を武器に最終ライン前に防波堤を築くことはもちろん、優れた足元の「テクニック」を駆使し攻撃を組み立てる能力が決して低くなく、不用意なボールロストを犯すことも少ない。これでまだ26歳というのは、なんとも恐ろしい。

3位:ナポリが誇る壁

DF:カリドゥ・クリバリ(セネガル代表/ナポリ)
生年月日:1991年6月20日(29歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
19/20リーグ戦成績:25試合出場/0得点0アシスト

 FCメスでプロデビューし、2012年にベルギーのヘンクへ移籍。そこで活躍し、2014年にナポリへとステップアップを果たした。同クラブでは加入1年目からレギュラーに定着し、ハイペースで成長。マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッド、パリ・サンジェルマンなどからの興味が噂されるなど、今では世界最高峰のDFとして知られるようになった。

 セネガル代表として出場したロシアワールドカップで日本代表とも対戦したカリドゥ・クリバリは、身長195cm・体重89kgという申し分ない体格を誇っている。そこから繰り出される「フィジカル」の強さは圧巻で、相手にガツンと当たられても岩の如くびくともしない。もちろん「空中戦」にも強く、セットプレー時には相手にとって大きな脅威となることが可能だ。

 クリバリの恐ろしさは、その巨体からは想像できない「スピード」も持っていること。自身の背後にボールを通されても問題なく対処でき、昨季のチャンピオンズリーグ(CL)ではリバプールのモハメド・サラーを完封することもあった。さらに、機動力があるため広大なエリアをカバーすることもでき、クレバーな対応も光るなど、「守備力」は当然ながら申し分ない。

 攻撃時の存在感も抜群で、長短問わず正確な「パス」を武器にビルドアップで貢献することが可能。右足だけでなく、自然と左足でもボールを出しているのはプラスポイントだ。また、時折見せる縦への「ドリブル」突破も迫力十分。欠点という欠点は見当たらない。

2位:レアルの象徴

DF:セルヒオ・ラモス(スペイン代表/レアル・マドリード)
生年月日:1986年3月30日(35歳)
市場価格:1400万ユーロ(約16.8億円)
19/20リーグ戦成績:35試合出場/11得点1アシスト

 2005年にセビージャからレアル・マドリードへ加入し、今日まで白いユニフォームを身に纏い続けてきた。チャンピオンズリーグ(CL)を筆頭に多くのタイトルをもたらしてきたベテランは、近年やや怪我が増えてきた印象を受けるが、プレー面に大きな衰えは見られない。まだまだトップレベルでのプレーを続けていくはずだ。

 センターバックとしての派手さは世界ナンバーワンと言っても過言ではないだろう。荒さを指摘されることもあるが、圧倒的な「フィジカル」を武器にマッチアップした選手を確実に潰すことができ、「空中戦」でもほぼ後手に回ることがない。リスクを犯しながらも積極果敢に最終ラインを飛び出し、高い位置でしっかりと敵を捕まえられるあたりも大きな魅力だ。

 また、セルヒオ・ラモスが他のCBよりも優れているのが「攻撃力」だ。良い形でマイボールへと持ち込めばそのままぐんぐんと前進し、前線に厚みをもたらすことが可能。ペナルティーエリア内におけるクロスへの反応の良さと強さに関しては、ストライカー顔負けと言えるだけのものがある。PKの上手さも世界トップクラスと評価していいはずだ。

 誇り高きレアル・マドリードはタイトル獲得が義務付けられている。そんなチームにおいて多大なるプッシャーを感じ、本領発揮できぬままリタイアしてしまう選手も少なくないが、S・ラモスは10年以上もトップレベルでの活躍を続け、さらに主将としてもチームを牽引している。その「メンタル」の強さは、計り知れないものがあると言えるだろう。

1位:難攻不落の守備職人

DF:フィルジル・ファン・ダイク(オランダ代表/リバプール)
生年月日:1991年7月8日(29歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
19/20リーグ戦成績:38試合出場/5得点1アシスト

 センターバック能力値ランキングの1位に輝いたのはオランダ代表のフィルジル・ファン・ダイクだ。今季は大怪我により長期離脱中だが、2019年のUEFA欧州最優秀選手賞に輝くなど、これまでに幾度となく「世界最高」を証明してきた。ユルゲン・クロップ監督率いるリバプールが近年、ビッグタイトルを獲得できたのは、間違いなくこの男の存在が一因と言える。

 難攻不落という言葉はファン・ダイクによく似合う。身長193cm・体重92kgという圧倒的な体格から繰り出されるパワーで相手を完全無力化することがお手の物で、「空中戦」はほぼ無敵。それに加え背後を突かれても問題なく対処できる「スピード」も備わっているなど、攻略できるポイントが見当たらない。どのFWも自然とファン・ダイクを避けてしまう。

 ただ、そうしたアスリート能力に頼り切らない点もオランダ代表DFが世界最高たる所以。パスコースを的確に読んだり、相手のドリブルするコースを着実にカットしながら距離を縮めピンチを脱するなど、危ない場面においても常に冷静に頭を使って対応することができる。2018年3月以降、約1年5ヶ月間ドリブルで突破されなかったのは、こうしたスキルが備わっていたからこそと言える。

 とくに昨季終盤はらしくないミスが見られることもあったが、基本的には軽率なロストや判断ミスから引き起こされる危ない飛び込みなどを犯さない選手。安定感という意味では申し分ないものがある。上記した通り今季は長期離脱中となっているが、戻ってくれば再びワールドクラスのプレーを披露してくれるはずだ。