15位:10代でトッテナムへ、異色のキャリアを歩むバスク人

リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。
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DF:ユーリ・ベルチチェ(アスレティック・ビルバオ)
生年月日:1990年2月10日(31歳)
市場価値:1600万ユーロ(約19.2億円)
19/20リーグ戦成績:33試合2得点2アシスト

 ユーリ・ベルチチェはバスク地方出身者だけで戦うアスレティック・ビルバオの左サイドを支えている。ビルバオの下部組織出身だが、そこに至るまでの経歴は異色。10代のときにトッテナムに渡り、期限付き移籍を繰り返した。古巣であるレアル・ソシエダに完全移籍し、ローン移籍したエイバルで台頭すると、ソシエダでもレギュラーとしてプレー。パリ・サンジェルマンではUEFAチャンピオンズリーグも経験し、18/19シーズンから古巣ビルバオに在籍している。

 攻守にエネルギーが求められるビルバオのスタイルにおいて、ベルチチェの「スピード」は重要だ。サイドバックの選手としては「フィジカル」も強く、「空中戦」でも簡単には負けない。守備においてエルチチェが穴になることは少ない。攻撃でもベルチチェの「スピード」は活かされ、豊富な運動量を活かした鋭い攻め上がりでチャンスを創出する。思い切りの良いシュートや、意表を突くパスは、ときに大きなチャンスへとつながる。

 気性の荒さが目立つこともあったが、その実力はラ・リーガでも屈指。昨季はUEFAが選ぶラ・リーガのベストイレブンに選ばれている。

<h2>14位:SBなのに1年で11ゴール、各国の名門を渡り歩く男

DF:アレックス・テレス(ブラジル代表/マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1992年12月15日(28歳)
市場価値:2800万ユーロ(約33.6億円)
19/20リーグ戦成績:31試合11得点8アシスト

 各国の強豪クラブでプレーしてきたアレックス・テレスは、昨年10月にマンチェスター・ユナイテッドに加わった。181cmとサイズもある左サイドバックで、攻撃面でのクオリティは高く評価されている。

 地元のクラブでプロキャリアをスタートさせると、まもなくブラジルの強豪グレミオに引き抜かれた。グレミオでも頭角を現し、21歳のときにトルコの強豪ガラタサライへ移籍する。その1年半後にはインテルに期限付き移籍し、長友佑都とポジションを争うことに。2016年夏にポルトへ完全移籍し、3年連続でポルトガルリーグの年間ベストイレブンに輝いている。

 昨季、ポルトで自己最多となる11得点を挙げたのは、PKキッカーを務めたことによるものが大きいが、サイドアタッカーと比較しても見劣りしない攻撃性能が持ち味だ。「スピード」を活かした積極的な攻め上がりから、精度の高いクロスを供給する。左利きのプレースキッカーとしては、マンチェスター・ユナイテッドでも屈指の存在で、どこからでもチャンスに結び付けられるキック力を持っている。

<h2>13位:大一番に強い! ナーゲルスマンの下で覚醒した男

DF:アンヘリーニョ(RBライプツィヒ)
生年月日:1997年1月4日(24歳)
市場価値:3500万ユーロ(約42億円)
19/20リーグ戦成績:6試合0得点0アシスト(マンC)
13試合1得点2アシスト(RBライプツィヒ)

 スペイン出身のアンヘリーニョは16歳でマンチェスター・シティの下部組織へと加わったが、トップチームでは最後までチャンスを得られなかった。スペインのマジョルカやオランダのNACブレダで飛躍のきっかけをつかみ、21歳のときにPSVが完全移籍で獲得する。オランダのトップレベルで左サイドバックとして活躍し、わずか1年後に古巣シティが完全移籍でアンヘリーニョを呼び戻した。しかし、ペップ・グアルディオラ監督の求めるものとはマッチせず、わずか半年でRBライプツィヒへとレンタルされている。

 グアルディオラ監督のスタイルには合わなかったのかもしれないが、ユリアン・ナーゲルスマン監督の下でその才能は遺憾なく発揮されている。切れ味鋭い「ドリブル」や「テクニック」を武器に左サイドを制圧し、チャンスと見るやペナルティエリアにも積極的に飛び込んでいく。時折見せる守備やハイボールへの弱さもあるが、それを補う「テクニック」がある。今季のUEFAチャンピオンズリーグ・マンチェスター・ユナイテッド戦で1得点1アシストを記録したように、大一番での勝負強さも頼もしい。

<h2>12位:監督批判でバルセロナが放出

DF:アレハンドロ・グリマルド(U-21スペイン代表/ベンフィカ)
生年月日:1995年9月20日(25歳)
市場価値:2200万ユーロ(約26.4億円)
19/20リーグ戦成績:26試合0得点6アシスト

 バルセロナの下部組織出身のアレハンドロ・グリマルドは、ポルトガルで注目を集める左サイドバックだ。バルセロナBではキャプテンを務める有望株だったが、当時のルイス・エンリケ監督を批判する発言をしたことで、クラブの反感を買った。トップチームでの出場がないまま、20歳のときにベンフィカへと放出されている。

 しかし、バルセロナが見出した才能は確かだった。「スピード」や「テクニック」を武器に攻撃面で違いを生むことができる。ペナルティエリアの外から狙うシュートを得意としており、直接FKからのゴールも多い。純粋な身体のサイズでは劣り、「空中戦」では弱さを見せるが、粘り強いディフェンスには定評がある。

 エンリケ監督が指揮を執るスペイン代表に召集されたことはないが、その実力は代表クラスだ。ここ数年は移籍の噂が絶えず、アトレティコ・マドリードが獲得に興味を示していると言われている。

<h2>11位:気づくとゴール前に? フランスの名門育成機関が育てたレフティー

DF:ラファエウ・ゲレイロ(ポルトガル代表/ドルトムント)
生年月日:1993年12月22日(27歳)
市場価値:3500万ユーロ(約42億円)
19/20リーグ戦成績:29試合8得点3アシスト

 ニコラ・アネルカやティエリ・アンリ、最近ではキリアン・ムバッペを輩出したのがフランス国立の育成機関であるクレールフォンテーヌ。ポルトガル代表で左サイドバックを務めるラファエウ・ゲレイロはフランス出身で、この育成の名門からフランスのクラブを経てボルシア・ドルトムントへとステップアップした。

 左サイドバックや左ウイングバックが本職だが、中盤でもプレーできる器用さを持っている。トーマス・トゥヘル監督がドルトムントにいたころはインサイドハーフで起用されていた。確かな「テクニック」と左足から「パス」を出す技術はブンデスリーガでも屈指のレベル。鋭い攻め上がりでチャンスを生み出していく攻撃的なスタイルこそがゲレイロの特徴だ。

 優れた戦術理解能力とポジショニングが武器で、気が付くとゴール前に走りこんでパスを受けることがある。「フィジカル」では屈強な選手が揃うブンデスリーガで分が悪いが、そういったインテリジェンスがゲレイロの活躍を支えている。

【了】