5位:真似できない! マンCの中枢を司るまじめな男

リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。
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MF:ロドリ(スペイン代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1996年6月22日(24歳)
市場価値:6400万ユーロ(約76.8億円)
19/20リーグ戦成績:35試合3得点2アシスト

 ベテランの域に差し掛かったフェルナンジーニョの後継者としてマンチェスター・シティが獲得したロドリが、クラブの顔になるまでに時間はかからなかった。ペップ・グアルディオラ監督は加入当初からロドリをピッチの中央に置き、ロドリも求められているものが何かをすぐにピッチに体現した。

 シティのサッカーで重要なのは、アンカーでプレーするロドリの配球力だ。昨季は加入1年目だったにもかかわらず、プレミアリーグで2位となる2579本のパス本数を記録。ビルドアップに安定感を加え、鋭い縦パスで攻撃のスイッチを入れる。絶妙なタイミングと正確なパス技術は、簡単に真似できない芸当である。

 アンカーというポジションでは高い守備能力が要求される。191cmという長身でフィジカルコンタクトに長けており、ボール奪取能力はセンターバックにも見劣りしない。最終ラインに欠員が続出した昨季はセンターバックで起用されたが、不慣れなそぶりを見せずにプレーしていた。要求される役割を理解できる「IQ」の高さも、ロドリの特徴の1つだろう。まじめで知られる性格はシティのサッカーに大いに活かされている。

<h2>4位:「不治の痛み」と戦う不屈のキャプテン

MF:ジョーダン・ヘンダーソン(イングランド代表/リバプール)
生年月日:1990年6月17日(30歳)
市場価値:2800万ユーロ(約33.6億円)
19/20リーグ戦成績:30試合4得点5アシスト

 ジョーダン・ヘンダーソンは左足の足底筋膜炎という症状と戦いながらプレーを続けている。地元クラブであるサンダーランドから移籍して今季でちょうど10年。リバプールのキャプテンを務める男は、度重なる怪我と戦いながら栄光を勝ち取ってきた。18/19シーズンはUEFAチャンピオンズリーグ、そして昨季はスティーブン・ジェラードも成し遂げられなかったリーグ優勝を成し遂げている。

 攻守にエネルギッシュなリバプールのスタイルを象徴するセントラルMFだ。球際での迫力は十分で、ボールを奪いきって攻撃に繋げる能力が高い。ロングフィードの精度は抜群に高く、プレースキックでも質の高いボールを供給する。

 上下動でき、攻守に高いクオリティをもたらすヘンダーソンが、リバプールで最も生きるのはインサイドハーフのポジションだろう。しかし、今季は最終ラインのチーム事情により、センターバックやサイドバックでのプレーを強いられた。慣れないポジションでも及第点以上のパフォーマンスを見せられるのは、「IQ」の高さがあるからだろう。

<h2>3位:異次元の存在感を放つリバプールの頭脳

MF:ファビーニョ(ブラジル代表/リバプール)
生年月日:1993年10月23日(27歳)
市場価値:6000万ユーロ(約72億円)
19/20リーグ戦成績:28試合2得点2アシスト

 ファビーニョにとって今季は、新たな能力を引き出したシーズンとなった。フィルジル・ファン・ダイクらセンターバック陣が序盤戦で相次いで離脱したことにより、ファビーニョはセンターバックに回された。これまでトップレベルでセンターバックを務めたことはほとんどなかったが、ファビーニョは慣れないポジションをほぼ完ぺきにこなした。

 頑丈な「フィジカル」で相手とコンタクトし、絶妙なタイミングで足を伸ばしてボールを奪う。アンカーでプレーするファビーニョの「守備力」は世界でも屈指のレベルだ。縦パスで攻撃の起点となり、高い位置を取るサイドバックやウイングへと正確なロングボールを届ける。センターバックとしてもプレーできる「守備力」と冷静さを失わない「メンタル」は、リバプールの頭脳といっても過言ではない。攻守の起点として、ファビーニョは異次元の存在感を放っている。

 リバプールでユルゲン・クロップの右腕を務めるアシスタントコーチのペップ・ラインダースは、「ファビーニョには間違いなく周りの選手を良くする能力がある」と称賛している。DFラインの前で相手の攻撃を食い止め、攻撃時は後方から援護する。最適なポジションを取り続けることが要求される難易度の高い仕事を、ファビーニョは高いレベルでこなしている。

<h2>2位:ジダン監督と相思相愛、強力なフィジカルを備える守備者

MF:カゼミーロ(ブラジル代表/レアル・マドリード)
生年月日:1992年2月23日(29歳)
市場価値:7000万ユーロ(約84億円)
19/20リーグ戦成績:35試合4得点3アシスト

 ボールを奪うということに関して、レアル・マドリードでカゼミーロの右に出る者はいない。DFラインの前に立ち、相手の攻撃を無力化させる。カゼミーロとジネディーヌ・ジダン監督は相思相愛の関係で、レアルでは不動の存在となっている。

 21歳のときにサンパウロからレアル・マドリード・カスティージャに移籍したが、トップチームの壁は分厚かった。しかし、14/15シーズンにポルトへ期限付き移籍して活躍すると、翌年復帰してレアルのレギュラーに定着した。その年からUEFAチャンピオンズリーグ3連覇の原動力となり、世界屈指の守備的MFとして高く評価されることとなった。

 DF顔負けの「守備力」が武器だ。「フィジカル」の強さを活かしたボール奪取能力と、センターバック顔負けの「空中戦」の強さを見せる。ヘディングの巧さはセットプレーの際に得点源としても活かされている。

 守備面がフィーチャーされることが多いが、攻撃面でも高い能力を持っている。トニ・クロースやルカ・モドリッチには負けるが、フィード能力も決して低いわけではなく、足下の技術も高い。「ドリブル」「スピード」といった項目では数字を落としているが、アンカーに求められる能力と照らし合わせると、世界でも屈指の完成度を誇っている。

<h2>1位:熱い魂を持つドイツ代表のリーダー

MF:ヨシュア・キミッヒ(ドイツ代表/バイエルン・ミュンヘン)
生年月日:1995年2月8日(26歳)
市場価値:9000万ユーロ(約108億円)
19/20リーグ戦成績:33試合4得点9アシスト

 ヨシュア・キミッヒは、シュトゥットガルトの下部組織からドイツ代表、そしてバイエルン・ミュンヘンの中心にまで登りつめた。中盤を本職とし、最終ラインも器用にこなすオールラウンダーは、バイエルンで取ることのできるすべてのタイトルを獲りつくした。

 シュトゥットガルトからトップチームには上がれず、当時3部だったRBライプツィヒに移籍する。ここで頭角を現し、肉体的にもたくましさを増した。2年後にシュトゥットガルトは買戻しオプションを行使するとともに、バイエルンが完全移籍で獲得。ペップ・グアルディオラ監督は176cmと上背のないキミッヒをセンターバックに抜擢した。その後はサイドバックとしてバイエルンの主力に定着し、昨季からは本職の中盤でプレーするようになった。

 どこでプレーしても良さが出るがゆえ、キミッヒは複数のポジションで起用される。ボールを運ぶ能力が高く、パスの正確さは長短を問わない。テクニックに溺れることなく、戦い抜くことができ、90分間走り続ける走力とメンタルを持ち合わせている。リーダーシップと熱い魂を併せ持つ万能MFへと成長を遂げている。

【了】