15位:「代わりはいない」マンCで活躍し続けるベテランMF

リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。
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MF:フェルナンジーニョ(ブラジル代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1985年5月4日(36歳)
市場価値:250万ユーロ(約3億円)
19/20リーグ戦成績:30試合0得点1アシスト

 在籍年数が8年に達したマンチェスター・シティで、フェルナンジーニョは4度のプレミアリーグ優勝を経験している。シティでの公式戦出場試合数は300を超えたフェルナンジーニョは、クラブの歴史に名を刻む守備的MFとして後世に語り継がれるだろう。

 攻撃的なシティのスタイルの中でひときわ輝くのはフェルナンジーニョの「守備力」だ。タイトな寄せでボールを奪い、相手に攻撃する時間を与えない。味方のサポートに走るカバーリングも的確で、1試合の中で幾度となくピンチを未然に防いでいる。

 アンカーを務めるロドリのバックアッパーだけではなく、センターバックのポジションでも高いパフォーマンスを見せる。「スピード」があるタイプではなく、大柄な選手に比べれば「空中戦」の勝負でも分が悪い。しかし、そういった欠点を感じさせないのは、予測の速さや身体の使い方といった部分によるものが大きい。

 ペップ・グアルディオラ監督に「フェルナンジーニョの代わりはいない」と言わしめるこのMFは、5月に36歳となった。人の入れ替わりが激しい欧州サッカーの第一線で、30代後半に差し掛かった選手がプレーし続けるのは容易ではない。それでも、フェルナンジーニョはこの年齢でもプレミアリーグ優勝チームのキャプテンとして輝きを放っている。

<h2>14位:偉大な父を超え、バルセロナにリズムを刻むMF

MF:セルヒオ・ブスケッツ(スペイン代表/バルセロナ)
生年月日:1988年7月16日(32歳)
市場価値:1000万ユーロ(約12億円)
19/20リーグ戦成績:33試合2得点2アシスト

 父カルレス・ブスケッツはバルセロナで活躍したGKだったが、その息子のセルヒオ・ブスケッツはピッチの中央でゲームを支配する役割を与えられた。デビューから13年で、公式戦600試合以上に出場。父が持つ記録を早々と抜き去り、背番号5の前任者、カルレス・プジョルを越える出場記録を打ち立てた。

 決して狂うことのない的確な状況判断で、バルセロナのパスワークにリズムを刻んでいる。派手なプレーを見せることは少ないが、正確な足元の技術でボールを捌き、各所に配球していく。チームがボールを失えば、瞬く間にボールを回収して攻撃を再開する。身体能力に依存しない匠の技が、ブスケッツのプレーを支えている。

 ペップ・グアルディオラ監督によってトップチームのアンカーに抜擢された08/09シーズンから、8度のリーグ優勝や3度のUEFAチャンピオンズリーグ優勝に貢献してきた。13年のキャリアで、ラ・リーガの出場数が30試合を切ったのは1年目と3年目の2度のみ。大きな怪我とは無縁で、ピッチに立ち続けるタフさも、ブスケッツが偉大な選手である所以と言えるかもしれない。

<h2>13位:レスターにタイトルをもたらしたカンテの後継者

MF:ウィルフレッド・ディディ(ナイジェリア代表/レスター)
生年月日:1996年12月16日(24歳)
市場価値:5000万ユーロ(約60億円)
19/20リーグ戦成績:32試合2得点1アシスト

 ウィルフレッド・ディディがレスターに加入したのは2017年の1月。その前のシーズンに奇跡の優勝の立役者となったエンゴロ・カンテがチェルシーへと移籍していた。そういったタイミングもあってディディはカンテの後継者と呼ばれたが、その期待に見合う活躍を見せている。

 ボールホルダーに身体を寄せてボールを奪いきる能力はプレミアリーグでもトップレベルにある。インターセプトするための鋭い読みや、的確なカバーリングなど、守備的MFに要求される「守備力」を高いレベルで実現している。187cmという体躯を活かした「空中戦」の強さは、前任者にはなかった大きな武器である。

 最終ラインでもプレーできる対応力は、指揮官の悩みを減らしてくれる。フィジカル能力の高さを活かした守備はもちろん、攻撃面で見せる活躍も印象深い。今季は怪我もあったが、レスターのFAカップ制覇に大きく貢献した。このナイジェリア代表MFは24歳と若く、さらなる成長も期待できるだろう。

<h2>12位:守備的MFなのに10得点! モイーズサッカーの核となる男

MF:トマシュ・ソーチェク(ウェストハム)
生年月日:1995年2月27日(26歳)
市場価値:4000万ユーロ(約48億円)
19/20リーグ戦成績:17試合8得点3アシスト(スラヴィア・プラハ)
13試合3得点0アシスト(ウェストハム)

 20/21シーズン、ウェストハムはプレミアリーグで6位に入った。終盤戦までトップ4争いを繰り広げた好調なシーズンを支えたのは、2020年1月に加入したトマシュ・ソーチェク。守備的MFでプレーしているにもかかわらず、ミカエル・アントニオに並ぶチーム最多タイの10得点をマークする活躍を見せた。イングランド代表のデクラン・ライスとのダブルボランチは、ウェストハムの生命線ともいえるポジションとなっている。

 190cmを超える体格を活かしたプレーが特徴で、懐の深いボール運びや、高いボール奪取能力を見せる。ボックスからボックスへ走り、クロスボールに対しては積極的に飛び込んでいく。「空中戦」にも強く、セットプレーではターゲットとしてフィニッシュ役を担う。

 大柄ではあるが足下の技術も低くなく、攻撃の組み立てにも参加する。ビルドアップからクロスのターゲットまで貢献でき、守備でもDFラインとともにクロスを跳ね返す役割を担うことができる。圧倒的なフィジカルで違いを生むボックス・トゥ・ボックスのMFは、デイビッド・モイーズ監督が作るチームの核となっている。

<h2>11位:ロシア、中国を経てドイツに定住、落ち着きを生むボランチの理想形

MF:アクセル・ヴィツェル(ベルギー代表/ドルトムント)
生年月日:1989年1月12日(32歳)
市場価値:1200万ユーロ(約14.4億円)
19/20リーグ戦成績:28試合4得点5アシスト

 アクセル・ヴィツェルが歩んできた経歴は変わっている。母国の名門スタンダール・リエージュで頭角を現し、ポルトガルのベンフィカへ移籍したが、わずか1年でロシアのゼニトへ移籍した。ロシアで5年間プレーした後に中国に渡るが、1年半後にはドルトムントへ加入し、ブンデスリーガ屈指のMFとして評価されている。

 ヴィツェルがピッチにいれば、ドルトムントの中盤には落ち着きが生まれる。豊富な運動量でパスワークの中継点となり、守備では広いエリアをカバーする。186cmという大きな身体を活かしたボール奪取能力は武器で、危険なエリアをカバーするインテリジェンスも備えている。それでいて「テクニック」も申し分ないものがあり、攻撃の組み立てにおいても非常に高いクオリティを見せている。欠点の少ないヴィツェルは、ボランチの理想形ともいえる。

 2018年夏にドルトムントに加入して以来、ヴィツェルは替えの利かない存在として活躍してきた。しかし、今年1月にアキレス腱を断裂する大怪我を負い、残りのシーズンを全休している。

【了】